大阪エヴェッサが3連覇達成 王座を守り抜く

鈴木栄一

シーズン最後まで飽きさせない話題を提供

 大阪の3連覇で3年目を終えたbjリーグ。シーズン全体を総括した場合、今季はライジング福岡、琉球ゴールデンキングスという2チーム増加で計10チームとなったことに伴う東西カンファレンス制、そしてカンファレンス2位、3位チームでプレーオフ出場権を争う一発勝負のワイルドカード実施など、いろいろと新しい試みを導入した1年だった。その結果、ワイルドカードの開催地、出場チームがレギュラーシーズン最終戦まで分からない状況が発生。また、ワイルドカードではホーム開催だった2位の高松ファイブアローズが、3位のライジング福岡に敗れるなど、ブースター(コアなファン)に最後まで飽きさせない話題を提供することに成功したと言えるだろう。

 また、外国人枠のないbjリーグだけに外国人選手の多さが目立ってはいるが、日本人選手も着実に成長中。大阪の天日謙作HCも「リーグ1年目からプレーしている日本人選手たちは、身体も大きくなり、みんな成長していることを感じる。今は、外国人選手とマッチアップしてもひるむことはない」と、外国人選手と日常的に対戦することで日本人選手は力をつけていると発言している。今後は、ベスト5、アシスト王を受賞した琉球の澤岻直人、東京の青木など、外国人選手に匹敵する、チームの核となる選手が1人でも増えることも期待したい。

ひときわ存在感を発揮した仙台のブースター

スタンドでひときわ存在感を発揮した仙台のブースターたち 【Photo:YUTAKA/アフロスポーツ】

 最後にこのファイナルで印象的だった事として、仙台のブースターを挙げたい。チームカラーの黄色いシャツを着用した仙台のブースターは、黄色という色自体が映えることもあるが、出場した4チームの中で最も目立っていた。また、色だけでなく、人数の多さ、ブースター同士の連携が取れた応援スタイルなどでも、ひときわ存在感を発揮。河内敏光コミッショナーも、「(リーグ1の人気チーム)アルビレックス新潟がいなくとも、これだけのお客さんがプレーオフに詰め掛けてくれたのはうれしいこと。特に仙台のブースターは目立っていた」と述べた程だった。

 ファイナルでは9,201人の大観衆を集めたが、レギュラーシーズンは平均2,299人と当初の目標としていた3,000人を達成することはできなかった。しかし、仙台のブースターが示すように、各地でチームを熱狂的に支えてくれている人は着実に増えている。まだまだ多くの課題を抱えている一方で、着実な進化を見えた3年目のbjリーグだった。

<了>

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著者プロフィール

1977年、山梨県生まれ。アメリカ・オレゴン大学ジャーナリズム学部在学中に「NBA新世紀」(ベースボールマガジン社)でライター活動を開始し、現在に到る。毎年、秋から冬にかけて母校オレゴン・ダックスの成績に一喜一憂している。

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