2020ルーキー特集 第17回 笹生優花

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【<Photo:Ken Ishii/Getty Images>】

 2020年シーズンが、もうすぐスタートする。とりわけ、今年1月1日からJLPGA会員になった92期生は、期待に胸をふくらませていることだろう。記録の残るツアー制度施行後の1988年以降、もっとも厳しい戦いを勝ち抜いてきただけになおさらだ。19年11月の最終プロテスト合格者は21人。総受験者数は647人で、実に30.8倍の難関だった。

 笹生 優花(さそう ゆうか)2001年6月20日生まれ 東京都出身

 新世紀生まれのプロゴルファー3人がまもなくデビューする。そのうちの1人、笹生優花は「一番若いから、学ぶこともたくさんあります。それに、若いからプロとして長くできますね」と目を輝かせている。

 8歳の時に父親から勧められゴルフを始める。「弟、妹と3人で始めましたが、下手でした」と謙遜するが、「テレビを見ていて、宮里藍さん、石川遼さん、ローリー・マキロイ、タイガー・ウッズを見ているうちに、私もこういうプロゴルファーになりたい」と夢をふくらませた。その頃から母親の母国、フィリピンで過ごし、アマチュアゴルファーとしても活躍。優勝も幾度となく経験する。

 一方で、2015年の14歳で日本ツアーに出場。腕をみがいた。なかでも、最終プロテスト前、アマチュアとして日本ツアー最後の出場となった昨年の宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメントの最終日。10バーディー、1ボギーで63をマーク。圧巻のプレーでギャラリーを魅了し、ベストフィニッシュとなる7位タイにくい込んだ。

 さらに、驚くべきはその飛距離だ。同大会、4日間のドライビングディスタンスでは264.250ヤードを記録。2位の選手を8ヤードも離し、堂々第1位に輝いた。「小さい頃から、私のゴルフを支えてくれたのはドライバー。飛距離も出て、フェアウェイキープができるので、そういうところは自信になっています。フェアウェイにないとゴルフは難しい。いつもドライバーが助けてくれている」と絶大な信頼を寄せる。

 昨年、プロテストと並行し、米ツアーのQスクールに挑戦したが、苦渋を味わう。「将来はアメリカツアーに挑戦したい。そしてアメリカのメジャー大会に出たい」。夢は世界を駆けめぐる。 (鈴木 孝之)
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