雪辱期すWBC韓国代表の実力は!? 初実戦の巨人戦敗北も、監督は「満足」

室井昌也

代表経験豊富な実力者揃い

巨人との練習試合に先発し3回無失点のチャン・ウォンジュン 【ストライク・ゾーン】

 これまでのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で第1回大会ベスト4、第2回準優勝の好成績を残した韓国。しかし2013年の前回大会では1次ラウンドで敗退という結果に終わった。その雪辱を期す第4回大会に向け、韓国代表は今月13日から沖縄うるま市の具志川でキャンプを行っている。19日には初の実戦となる巨人との練習試合を行い、韓国は0対4で敗れた。

 11月のメンバー発表の際にはメジャーリーグでプレーする野手3人を含むなど、韓国では今大会に向けた期待が膨らんだ。しかしその後、不参加表明が相次ぎ、一部現地メディアでは代表チームに対して、「史上最弱」との文字が躍るほど心配の声が広がっていった。しかしキャンプに集まった最終メンバーを見る限り代表経験豊富な実力者が揃い、整った戦力を形成している。

首脳陣の期待に応えた先発左腕

 巨人との練習試合では先発候補の中でソン・ドンヨル投手コーチが「今、状態が一番良い」と話す、チャン・ウォンジュン(トゥサン)が先発した。チャン・ウォンジュンは韓国リーグで7シーズン連続2ケタ勝利中(軍入隊の2年間を除く)の左腕。直球の球速は130キロ台後半が中心だが、球の出所が見にくいフォームは「球速以上に速く感じる」と国内では評価されている。

 この日のチャン・ウォンジュンは当初、2イニングで降板の予定だったが、2回を終わって球数が22球と少なかったことから3回も続投。チャン・ウォンジュンは持ち前の低めへの制球力を見せ、打者9人から内野ゴロ4つと三振3つを奪うなど1人の走者も出さず首脳陣の期待に応えた。

WBC公式球には違和感ない投手陣

22日のDeNAとの練習試合に登板予定のヤン・ヒョンジョン 【ストライク・ゾーン】

 韓国の投手陣はこのチャン・ウォンジュンと同じく左腕で、次の練習試合での登板が予定されているヤン・ヒョンジョン(KIA)が先発の2枚看板。球数制限のあるWBCではこの2人の後のいわゆる「第2先発」が重要となる。

 この日の試合では、シーズン中に先発とロングリリーフの経験がある第2先発候補のチャン・シファン(kt)とチャ・ウチャン(LG)が2、3番手で登板したが、それぞれ失点するなど本調子ではなかった。キム・インシク監督はチャ・ウチャンについて「球が全体的に高かった。まだ100%の状態ではない」と振り返った。しかし各投手とも「WBC公式球に違和感はない」と話していることから、自らのコンディション管理が今後の課題となる。

ほぼベストの打撃陣は無得点

イ・デホ、キム・テギュンと共に中軸を担う左の巧打者チェ・ヒョンウ 【ストライク・ゾーン】

 一方、打撃陣はキャンプ途中合流のイ・デホ(ロッテ)を除き、ベストメンバーが先発オーダーに名を連ねた。しかし、韓国打線は巨人の先発マイコラスら6投手に対し、4安打無得点。キム・インシク監督は「打者は直球、変化球いずれにも対応出来ていなかった」と話し、打者全体に実戦感覚不足が感じられた。

 今回の韓国打線は日本でのプレー経験があるイ・デホ、キム・テギュン(ハンファ)に加え、韓国リーグ昨季の打率、打点の2冠王で、3年続けて3割30本100打点を記録しているチェ・ヒョンウ(KIA)が中軸を担う。彼らの前を打つ1番打者には代表チーム常連のイ・ヨンギュが座り、2番にはつなぎの役割を担えるミン・ビョンホン(トゥサン)やソ・ゴンチャン(ネクセン)らの候補が複数いる。また中軸以降には所属チームでクリーンアップを任されているパク・ソクミン(NC)とヤン・ウィジ(トゥサン)が6、7番に控えるなど、野手陣の役者は揃っているが、この日は振るわなかった。

ベンチでナインを鼓舞したイ・デホ

チームの精神的支柱であり、ムードメーカーでもあるイ・デホ 【ストライク・ゾーン】

 最初の実戦を終えたキム・インシク監督は試合後、「最初の試合としてはよくやったと思っている。それは試合内容ではなく、実戦の感覚をつかむことができたから」と話した。試合中、ベンチではイ・デホが最も大きな声を出しナインを鼓舞。しかしその他の選手はおとなしく、エンジンがかかるのはこれからといった様子だった。

 韓国代表は22日に横浜DeNAと練習試合を行い、23日に帰国。1次ラウンドの開催地である、韓国・高尺スカイドームでキューバ、オーストラリアなどと強化試合を行い、3月6日の大会開幕まで調整を続ける予定だ。
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著者プロフィール

1972年東京生まれ。「韓国プロ野球の伝え手」として、2004年から著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』を毎年発行。韓国では2006年からスポーツ朝鮮のコラムニストとして韓国語でコラムを担当し、その他、取材成果や韓国球界とのつながりはメディアや日本の球団などでも反映されている。また編著書『沖縄の路線バス おでかけガイドブック』は2023年4月に「第9回沖縄書店大賞・沖縄部門大賞」を受賞した。ストライク・ゾーン代表。

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