イチ押しはDeNA、巨人は苦戦か!? 佐野慈紀の2016プロ野球展望ver.1

ベースボール・タイムズ

紅白戦では配球は捕手に任せず、自ら1球ずつ指示を出していたラミレス監督(右)。新任の光山コーチ(左)と目指す捕手改革は成功するか? 【写真は共同】

 プロ野球12球団がキャンプインしてから2週間近くが経過し、それぞれシート打撃や紅白戦、早いチームでは練習試合など実戦的なメニューに入った。スポーツナビでは今季のプロ野球をOBの皆さんに予想してもらい、その予想をもとに読者の皆さんとOBが掲示板で語り合う特別企画「OBが語る!ファンも参加!! 2016年プロ野球順位予想」を開催する。第1回は近鉄などで中継ぎ投手として活躍した佐野慈紀氏に、これまでの補強やキャンプ序盤を振り返ってもらいながら、今季を占ってもらった。

DeNA、ソフトバンクのリーグ制覇を予想!

 佐野氏の順位予想は以下の通り。

<セ・リーグ>
(1)横浜DeNA
(2)阪神
(3)東京ヤクルト
(4)中日
(5)巨人
(6)広島

<パ・リーグ>
(1)福岡ソフトバンク
(2)北海道日本ハム
(3)千葉ロッテ
(4)オリックス
(5)東北楽天
(6)埼玉西武

ラミレス監督の捕手起用に注目

佐野 今の時点で予想するのは難しいけど、セ・リーグで期待したいのはDeNAやね。ラミレス新監督はまず、チーム改革のために捕手に着眼した。そこを評価したいし、そのために実績のある光山(英和)さんをコーチとして呼んできたというのがかなり大きいと思う。昨季も途中までは勝っていたわけだし、去年の布石があっての今年、というのに期待したいね。元々、選手はそろっている。捕手が固まればチームとしてさらに力が出るはず。ラミちゃんも野球に対する考え方は非常にクレバーですからね。

 2位には阪神を推したいね。ここまで春季キャンプで見ているというのもあるけど、やっぱりここは投手がそろっている。藤浪晋太郎、メッセンジャー、岩田稔……、そして能見篤史が今年は良い。リリーフ陣が不安だとも言われているけど、左の高橋聡文が1枚入ったのは大きいよ。(藤川)球児もブルペンでは良い投球をしていたし、先発ローテとして十分に活躍できるんじゃないかと思う。他にも岩崎優とか、岩貞祐太とかもいるしね。
 巨人は難しい戦いを強いられるでしょうね。長期政権の直後というのは大変だし、昨年から今年にかけていろいろと騒動がありましたからね……。

 戦力的には広島が苦しい。マエケン(前田健太)が抜けた。そのひと言に尽きる。大瀬良大地が先発に戻ると言ったって、去年、先発で勝てなかったからリリーフに回ったわけですからね。現時点では上位に推すのは難しい。

パの台風の目はロッテ!

 パ・リーグの本命は、やっぱり今年もソフトバンク。特に今年は投手陣が良い。和田毅が帰ってきたし、松坂大輔も復活する気配がある。抑えもサファテが健在だし、投手陣は質、量ともに非常に充実している。打線の方では李大浩が抜けたけど、松田が残ったからね。心配なのは主力の怪我だけ。もちろん勝ち続ける難しさはあるけど、その辺りはもう大人のチームですからね。

 ライバルになるのは日本ハムでしょう。ここも投手陣が安定している。それに加えて、去年は投手として結果を残した大谷が、今年は打者としても数字を残してくれるんじゃないかなという期待がある。中田翔にしても陽岱鋼にしても、まだまだこんなもんじゃない。

 オリックスは昨年の途中から福良淳一監督(昨年は監督代行)がチームを率いたけど、結果的にチームは何も変わらなかった。それがそのまま今年も継続する訳ですからね……。キャンプ前に安達了一が離脱したのも痛い。糸井嘉男と金子千尋が万全の状態でシーズンを過ごせればいいけどね。

 楽天も苦しい。梨田(昌孝)さんが監督になったけど、まずはチームの現状を把握しないといけないし、チームを変えるにはまだ時間がかかる。ヒルマン監督の後に就任した日本ハムの時と違って、今の楽天はまだチームが成熟してないからね。

 台風の目になるとしたらロッテかな。毎年だけど、ここは不気味。去年も涌井秀章が15勝したし、捕手の田村龍弘も1年間頑張った。大きなことはしなくても、コツコツ、じわじわと勝ってくる。要注意ですし、楽しみですよ。
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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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