中邑がIC初防衛 AJと刺激的初対決実現へ IWGP王者オカダと棚橋がブチ切れ大乱闘

高木裕美

アンダーソンを下しIWGPインター王座初防衛に成功した中邑

【横田修平】

 7日の新日本プロレス「POWER STRUGGLE」大阪・大阪府立体育会館大会では、超満員となる5128人を動員。IWGP2大タイトルマッチや、「Super Jr. Tag Tournament 2015」決勝戦などが行われた。
 メインイベントのIWGPインターコンチネンタル選手権試合では、王者・中邑真輔が“ザ・マシンガン”カール・アンダーソンを退け初防衛に成功。次期挑戦者にはAJスタイルズが名乗りを上げ、注目の初対決がついに実現することになった。

起死回生のボマイェで完勝

【横田修平】

 中邑は、かつて米ロサンゼルス道場で共に学んだ「特別な存在」であるアンダーソンに対し、「ここ2週間、ずっと緊張していた」と、並々ならぬ意気込みとプレッシャーで対峙。バレットクラブのセコンドの介入もあり、なかなか波に乗れず、エプロンの角へのパワーボムや、セカンドロープからのリバースガンスタン、バーナードライバーなどのエグイ技に、何度も追い込まれる。
 だが、中邑もここ一番の切り札であるランドスライドを繰り出すと、ガンスタンを腕ひしぎ逆十字固めに切り返すひらめきも見せ、ボマイェで完勝。今年の「G1クライマックス」敗戦の借りを返すと同時に、1.4東京ドーム大会へ王者として乗り込む下地を整えた。

AJの挑戦表明に「待ってたぜ」

【横田修平】

 試合後、初防衛に成功した中邑の前にAJが立ちはだかると、中邑も額をつけてにらみ合う。AJはさらにベルトを直接手渡しながら、「そのベルト、オレが獲ってやる」とアピールすると、中邑も「待ってたぜ。AJスタイルズ。初めて触れるも同然。刺激的ですね。東京ドーム、イヤァオ!」とリング上でシャウトした。

 中邑は「待ちに待ったというか、10年ぐらい前に両国でほんの少し触れただけ。世界の試合に出た時に、AJのすごさは間近に見てきた。自分の持ってない何かを取りに行く」と、ついに迎えるAJとの初対決にたぎりまくり。初めて触れる刺激に、心も体もヴァイブレーションが止まらない様子だった。

1.4ドームを前にオカダと棚橋がヒートアップ

オカダの顔面を棚橋が張って、試合序盤から不穏な空気が充満 【横田修平】

 セミファイナルのスペシャルタッグマッチでは棚橋弘至&柴田勝頼組vs.オカダ・カズチカ&桜庭和志組が対戦。IWGPヘビー級王者のオカダと挑戦者の棚橋が、かつて“レインメーカーショック”が起きた因縁の地・大阪で大乱闘を繰り広げた。 
 オカダと棚橋は互いに先発を勝って出ると、ブレークしようとしたオカダの顔面を棚橋が張って、早くも不穏な空気が充満。オカダも場外で鉄柵キックを見舞うなど、ラフな攻撃を仕掛けていく。棚橋は柴田との合体ドロップキックでオカダを場外へ追いやったスキに、桜庭にハイフライフローを炸裂。すかさず柴田がgo 2 sleepで仕留めるが、ドラマは試合終了のゴングの後に待ち構えていた。

アタッシュケースを蹴り飛ばしたオカダに棚橋がブチ切れ

試合終了のゴングも怒りの収まらない棚橋とオカダは場外で大乱闘 【横田修平】

 試合後、棚橋の存在を無視して去ろうとするオカダに、「いいこと教えてやるから」とリングに戻させた棚橋は、改めて「IWGPは近いぞ」と挑発。だが、オカダが挑戦権利証の入ったアタッシュケースを蹴り飛ばしたため、怒りに我を忘れた棚橋がオカダを急襲。それでも笑って余裕を見せていたオカダも、執ように迫る棚橋にブチ切れて、アタッシュケースで棚橋を殴打。場外でツームストンを出そうとするなど、ヒートアップしまくった。両軍のセコンドが必死に引き離すも、棚橋はなおも花道をダッシュで追いかけ、1.4東京ドーム決戦を前に、すでに発火点に到達した。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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