原田委員長、リオは「楽観視できない」=世界陸上 大会総括コメント

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 陸上の世界選手権(中国・北京)最終日となる30日、日本陸上競技連盟(以下、日本陸連)の原田康弘強化委員長は、大会総括の取材に応じた。

 今大会、日本陸連として設定した目標は「メダル2、入賞6」。しかし、メダルは男子50キロ競歩の谷井孝行(自衛隊体育学校)の銅メダルと、入賞は同種目4位の荒井広宙(自衛隊体育学校)と女子マラソン7位の伊藤舞(大塚製薬)の2人のみ。この結果に原田委員長は、「(来年のリオデジャネイロ五輪に関して)この成績では楽観視できない」とコメント。「選手たちには高いレベルで、安定したアベレージを求めたい」と、代表選手たちの奮起に期待する。

 また今大会は世界のレベルが上がっていることを痛感したため、「軌道修正をしていかないといけない」と、陸連としても戦略、戦術を練って来年のリオデジャネイロ五輪対策を取っていく予定だ。

 以下、原田強化委員長のコメント要旨。

「国民に期待されている部分で申し訳ない」

世界陸上最終日を迎え、日本陸連の原田康弘強化委員長が大会総括会見を行った 【写真は共同】

 今大会、日本陸連としては目標設定を「メダル2、入賞6」と設定していました。現状として「メダル1、入賞2」という結果です。われわれとしては、国民に期待されている部分で申し訳なく感じています。

 また、今大会を通じて、シーズンベストが5回、パーソナルベストがゼロ(編注:会見後、女子5000メートル決勝で鈴木亜由子(日本郵便グループ)がパーソナルベストを更新)という状況です。これでは次のラウンドに進むのは難しいと思いますので、今後の課題だと感じています。

 ただどの大会でも、個人の記録をしっかりと高め、個人の安定した記録を作っておかないと、このような大会では対応できないのだと思っています。今後の過程の中で、選手たちには高いレベルで、安定したアベレージを求めるように期待したいです。

 今回の戦略、戦術については、今後の強化委員会で精査していきたいと思います。ナショナルチームでの取組み、医科学との連携など、このような部分においては、しっかりできていたと感じます。ただ、前半はそれが生かされなかったのかと思います。後半は男子50キロ競歩、女子マラソンで十分生かされた成果だと思います。

 当然、来年リオデジャネイロ五輪を迎えますが、この成績では楽観視できません。ですが、ここに来ている選手のほとんどが、リオの中心になる選手で、この選手たちが、自分自身でしっかりと、どうしなければいけないかを大会を通して感じていると思います。

 われわれとしても、しっかり世界的なレベルが高くなっていることを考慮し、軌道修正をしていかないといけないと感じました。

 今回2人のリオ五輪内定者が出ました。2人に関しては、この大会以上のパフォーマンスをリオで期待するためにも、サポート体制をしっかり整え、今後、来年に向けて、頑張っていきたいと思います。

※次ページから記者との一問一答

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