【スターダム】宝城カイリが涙の赤いベルト戴冠=「何があろうと乗り越える」と強い決意

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決勝戦は宝城と元王者・紫雷イオ

世IV虎の王座剥奪処分を受けて空位となったワールド・オブ・スターダム王座のワンデートーナメントを制し、第5代王者となった宝城カイリ 【前島康人】

 スターダムは29日、東京・後楽園ホール大会で、凄惨なケンカマッチで第4代王者・世IV虎の無期限出場停止処分および王座剥奪で空位となったワールド・オブ・スターダム王座をめぐって4人が争うワンデートーナメントを開催。“海賊王女”宝城カイリが1回戦で木村響子、決勝では紫雷イオを破って、5代目のワールド・オブ・スターダム王座に輝いた。

 1回戦は木村響子から右腕を集中攻撃され、大江戸隊の介入にあいながらも最後はビックブーツからカウントを取りに行くところを逆に丸め込んで決勝進出を果たした宝城。一方、イオはマーベラスに移籍した後輩・彩羽匠にコーナー最上段からのパワーボムを受けるなど腰を痛めながらもムーンサルトプレスで辛勝し、決勝に駒を進めた。

勝因はスターダムへの気持ちの強さ

1回戦で痛めた右腕を攻められた宝城だが、マリンスタンプなどで反撃し、イオに最後まで主導権を渡さなかった 【前島康人】

 決勝戦はイオが序盤からジャーマンスープレックス、場外でのムーンサルトアタックなど先制攻撃を食らわせる。ダメージが大きく崩れ落ちる場面もあった宝城だが、イオが「全身ボロボロのくせに顔はずっと死んでいなかった」と認めるほどの根性で、マリンスパイク、スライディングDで主導権を完全に渡さない。アッパーでふらふらになりながらもロープから走ってきたイオを捕まえてグラウンドにたたきつけた宝城は、痛めている腰を目掛けてコーナー最上段からダイビングエルボーを放つと、仰向けにしてとどめのダイビングエルボー。第3代王者として同王座10度防衛の記録を持つイオから3カウントを奪った。

 2月の世IV虎と安川悪斗の凄惨なケンカマッチ以降、プロレスについて、ベルトについて、自分自身について、スターダムについて深く考えて、今回のトーナメントに立候補したという宝城。バックステージでは涙をこぼしながら、「スターダムが好き、スターダムを守りたいという気持ちが一番強かったからこそあきらめないで最後まで戦えた」と勝因を語った。今後はスターダムのエースとしての役割を期待されるが、「今の宝城カイリなら大丈夫です。何があろうと乗り越えていきます」ときっぱりと言い切った。

ハイスピード王者コグマが初防衛

同期で同じ17歳のはづきを下して初防衛に成功したハイスピード王者コグマ 【前島康人】

 デビュー2年目でことし2月22日の後楽園大会で紫雷イオからハイスピード王座を奪取したコグマが同期で同じ17歳のはづき蓮王を迎え撃った初防衛戦。15分近い熱戦は、コグマがダイビングコグマ式ヨシタニックで3カウントを奪った。

 17歳同士のタイトルマッチは攻守がスピーディーに入れ替わる一戦になる。グラウンドではづきがひざ十字を極めれば、こぐまはスリーパーで返す。終盤にははづきがドロップキック3連発、フットスタンプ2連発からのダイビングフットスタンプ、尊敬する先輩で謹慎中である世IV虎への想いがこもったダイビングセントーンと畳み掛けるが、コグマがカウント2で跳ね返す。コグマもジャーマン、コグラッチで攻めるがはづきも粘り、最後はコーナーから飛びついてのヨシタニックで勝利を収めた。

「挑戦を言われるまでまったく眼中になかったんですけど、今日はどれくらいやってくれるのかと楽しみにしてたら結構きつかった」と熱戦を振り返ったコグマ。一番難しいと言われる初防衛戦を乗り越えて、「勝つというのがすごい清々しい」と笑顔を見せた。

安川がファンに10月復帰を宣言

世IV虎の凄惨マッチで入院していた安川がリング上からあいさつ。Yシャツを引きちぎって元気な姿をアピールし、10月復帰をファンに約束した 【前島康人】

 世IV虎との凄惨マッチで入院していた安川惡斗が29日、スターダム後楽園大会でリングに立ち、ファンに10月復帰を約束した。

 安川は2月22日に行われた世IV虎戦でグーパンチの連打を浴びて、ほお骨、鼻骨、左眼か底骨折、両目網膜しんとう症と診断され、24日間にわたる長期入院していた。今月19日に退院し、前日には自身が主演を務めるドキュメンタリー映画「がむしゃら」の舞台あいさつでフェースガードを取った素顔を披露していた。

 この日は黒いスーツに身を包み、観客からの悪斗コールの中リングに立った。最初は「このたびはお騒がせして申し訳ありませんでした」と頭を下げてファンに謝罪。が、観客の悪斗コールにテンションが上がると、コーナーポストに上って、「弱い弱いうるせーよ。悪かったな、よえーよ。筋肉も落ちちまったよ。でも10月、10月にムキムキになって帰るからよーく見とけ」とYシャツを破り捨ててファンに復帰をアピールした。

 今後、粉砕骨折で手術した鼻がくっつくのに1カ月、鼻の強化に3カ月かかるという安川。入院中に体重が5、6キロ落ちたという肉体を改造して、さらなるパワーアップをはかって10月復帰を目指す。

結果

■スターダム「STARDOM THE HIGHEST2015」
3月29日(日)東京・後楽園ホール

<第7試合 第5代ワールド・オブ・スターダム王座争奪トーナメント決勝戦>
○宝城カイリ
(18分46秒 ダイビング・エルボードロップ→片エビ固め)
●紫雷イオ

<第6試合 スペシャル6人タッグ イリミネーションマッチ>
○岩谷麻優、DASHチサコ、仙台幸子
(13分58秒 フブキラナ)
ハドソン・インヴィー、●ヘイディ・ラブラス、ドラゴニータ
【退場順】
1.○仙台(7分16秒 ダイビング・ボディープレス→片エビ固め)●ドラゴニータ
2.○ハドソン(8分45秒 オーバー・ザ・トップロープ)●仙台
3.○岩谷(10分48秒 オーバー・ザ・トップロープ)●ハドソン
4.○ヘイディ(10分54秒 オーバー・ザ・トップロープ)●チサコ
※※試合は敗れた選手が退場していき、最後まで残ったチームが勝ち

<第5試合 第5代ワールド・オブ・スターダム王座争奪トーナメント1回戦>
○紫雷イオ
(17分43秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め)
●彩羽匠

<第4試合 第5代ワールド・オブ・スターダム王座争奪トーナメント1回戦>
○宝城カイリ
(12分24秒 横入り式エビ固め)
●木村響子

<第3試合 ハイスピード選手権試合>
○[王者]コグマ
(14分44秒 飛びつきコグマ式ヨシタニック)
●[挑戦者]はづき蓮王
※初防衛に成功

<第2試合 シングルマッチ>
○米山香織
(5分28秒 回転足折り固め)
●クリス・ウルフ

<第1試合 スターダム3WAYバトル>
○渡辺桃
(7分43秒 蒼魔刀→片エビ固め)
●初日の出仮面
※もう1人は加藤悠
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