注目を集める新監督のタクトさばき 2強形成でどうなる?パ・リーグV争い

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ソフトバンク、オリックスが中心か?

昨年、日本一のソフトバンクを新しく率いる工藤監督。キャンプでも精力的に動き回っている 【写真=湯浅芳昭】

 戦力から見ると、昨季優勝した福岡ソフトバンクと、ゲーム差なしの2位に終わったオリックスが抜けている。貪欲な補強でシーズンに臨む2チームが、昨年同様にペナントレースの中心となりそうだ。

 ソフトバンクは、メジャーリーグから9年ぶり復帰の松坂大輔、韓国(サムスン)で防御率と最多奪三振の2冠となったバンデンハークを獲得。攝津正、スタンリッジらとともに先発ローテーションを守ることができれば、結果はついてきそうだ。昨季のチーム打率2割8分が示す強力打線は、内川聖一、李大浩、松田宣浩、柳田悠岐ら強力レギュラー陣が健在。安定した成績が見込める。
 話題を集めそうなのが、工藤公康新監督。「強さを継承したい」と意気込むかつてのスターは、指導者としてどのようなタクトさばきを見せるか。寡黙な秋山幸二前監督から雄弁な工藤監督への交代が、“大人のチーム”にどういう影響を与えるか興味深い。

 破格の補強をしたのがオリックス。アスレチックスから元埼玉西武の中島裕之が3年総額12億円(推定)で移籍したのをはじめ、北海道日本ハムから小谷野栄一、横浜DeNAからブランコ、広島からバリントンを獲得。ペーニャが抜けたが、糸井嘉男、T-岡田、坂口智隆ら、リーグ屈指の強力打線は魅力だ。
 また、金子千尋、西勇輝、松葉貴大に、新加入のバリントンが先発陣を構成。吉田一将や東明大貴ら若手も控える。平野佳寿、馬原孝浩、佐藤達也ら鉄壁の救援陣は、今年も勝ち試合を演出しそう。あとは結果だけで、森脇浩司監督は勝負の3年目となる。

 日本ハムは、大引啓次、小谷野の離脱がどう出るか。田中賢介(前レンジャーズ3A)の復帰は明るい材料だが、レアード、ハーミッダの新外国人の活躍頼みだ。「二刀流」の大谷翔平よりも、投打で上回る選手が出てこないならば、チームとしては厳しい。

個性豊かな大久保監督の戦い方も楽しみ

今年から楽天の指揮を執ることになった大久保監督にも注目が集まる 【写真=神山陽平】

 千葉ロッテは投手陣の立て直しに尽きる。涌井秀章、石川歩以外の先発は計算が立たず、唐川侑己、藤岡貴裕、大嶺祐太らの復活に頼るしかない。野手では、里崎智也が抜け、吉田裕太、田村龍弘、新人の寺嶋寛大らによる正捕手争いが注目。鈴木大地、クルーズの二遊間に、ドラフト1位の中村奨吾らが割って入れれば、戦力に厚みが出そう。

 西武は、代行で実質的に昨年指揮を執っていた田邊徳雄監督が采配を振るう。岸孝之、菊池雄星、牧田和久と実力派の先発がいるが、昨年のような主力の故障離脱は致命的。メジャー通算21勝のルブランら新加入組が期待どおりの活躍を見せれば、十分に上位をうかがえる。
 打線は、昨年の本塁打王であるメヒア、中村剛也に加え、栗山巧、浅村栄斗、秋山翔吾らを並べる打線に、俊足のセラテリが加わった。機動力が持ち味の西武野球の復活なるか。2年目の森友哉をはじめ、若手の台頭もチームのムードを変えられそうだ。

 一昨年の日本一から最下位に沈んだ東北楽天は、大久保博元新監督がどのような戦いを見せるか。チーム得点数(549)、本塁打数(78)が両リーグワーストだっただけに、開幕前までに攻撃力の底上げが急務だ。
 投手陣は則本昂大に次ぐ先発の柱として、2年目の松井裕樹、3年目の森雄大らの台頭が望まれる。救援陣は広島からミコライオの加入が大きいが、小山伸一郎、青山浩二の復活がなければ苦しい。ソフトバンクとともに、個性豊かな大久保新監督がどのような戦いを見せるかも楽しみとなる。
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