オリックスの新助っ人、李大浩はブーマーの再来!?=韓国の三冠王が日本球界に挑戦
岡田監督が期待を寄せる右の4番打者
豪快な打撃で韓国代表の中心選手としても活躍する李大浩 【Getty Images】
李大浩は2006年と10年の2度、三冠王を達成した韓国を代表する強打者だ。今季は打率3割5分7厘で首位打者を獲得し、本塁打(27本)、打点(113点)の両部門でもトップとは僅差の2位につける好成績を残している。
身長194センチ、体重130キロの巨漢。その姿は08年の北京五輪日本戦で、和田毅(福岡ソフトバンク)からレフトへ特大の同点弾を放ち、日本人に強い印象を与えた。また、10年8月には9試合連続本塁打を達成し、「世界新記録」と報じられたことがある。
「対応力の高い選手」と評価される
その李大浩の技術面について、09年から今年まで韓国で李大浩と対戦してきた、門倉健(前サムスン)はこう話す。「リーチがあってアウトコースに強いです。いいコースに投げても長打を打てるし、難しい球はファウルにできるという、いい打者の条件を備えています。年々進化し続ける、対応力の高い選手です」 これらについては、08年に韓国でプレーした高津臣吾(現・BCリーグ新潟)や他球団スカウトも同様の見解だ。
元阪急・ブーマーとの共通点とは?
「この2人はどちらも内角低めをうまくさばきます。そしてリストが軟らかくてどんなボールにも対応できます。また、逆方向に打つのもうまく、柔軟性があるという点で共通していると思います」。
ちなみにブーマーと李大浩の各部門の成績を比較すると、その数字はよく似ている。また、共に三冠王を獲得した年の成績も同様だ。
ブーマー(84年):打率3割5分5厘、171安打、37本塁打、130打点、出塁率4割2分1厘、長打率6割4分1厘
李大浩(10年):打率3割6分4厘、174安打、44本塁打、133打点、出塁率4割4分4厘、長打率6割6分7厘
韓国からの打者に成功事例が少ないが……
また杉本コーチも門倉同様に「様々な球種を使うことが必要」とし、「ブーマーとも共通しますが、インハイには弱いです」と話した。
韓国プロ野球からはこれまで5人の打者が日本へやってきた。しかし、05〜07年時の李承ヨプ(元オリックス)を除くと、期待に応えたとは言い難い。いずれも技術のみならず、環境面で適応できず、精神的にダメージを受けて帰国していった。
今回、先人たちより高い評価を受け日本でプレーする李大浩。韓国では愛らしいキャラクターから、複数の広告モデルを務めるなど、地元・釜山を中心に絶大な人気を誇っている。かつてブーマーは「阪急(サンキュー)ベリーマッチ」というCMで全国区になったが、李大浩はオリックスファンから「神様だ!(カムサハムニダ!)」と(ダジャレも継承しつつ)、感謝されるような存在になれるだろうか。
<了>
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