日韓100勝を達成した門倉 「さらに上を目指す」=ライバル、家族、仙台への思い
昨季は韓国で14勝をマークし、優勝に貢献
今季からプレーしているサムスンで日韓通算100勝を達成した門倉 【ストライク・ゾーン】
門倉は1995年、東北福祉大からドラフト2位で中日に入団。1年目の96年、7月28日のヤクルト戦にリリーフで登板しプロ初勝利を挙げる。初先発は8月2日の巨人戦。この試合で門倉は初完封勝利を飾った。
「今中(慎二)さんが先発予定だったのが、前日になって急に僕が投げることになったんです。完封勝ちして『プロでやっていける』そう思った試合でした」。
門倉は以後、近鉄、横浜でプレーし、2005年には初のタイトルとなる最多奪三振を獲得する。07年には、FAで巨人に移籍。しかし、08年オフに自由契約となり、海外での生活が始まった。まず、アメリカに渡りカブスのキャンプに参加するも、シーズン前に解雇の憂き目にあう。そこで渡米前からラブコールを受けていた韓国・SKに開幕後に入団。先発投手として役割を果たし、2年目の昨季は自己最多の14勝をマーク。防御率リーグ3位の好成績でチームの優勝に貢献した。そして今季は新天地・サムスンでプレーしている。
小笠原、イチロー、三浦大輔らの存在が刺激に
「あの冷静な小笠原(道大/巨人)が2000本安打を達成したとき、『よしっ』って言っていましたよね。彼でもプレッシャーを感じることがあるんだと、考えさせられました。イチロー(マリナーズ)にはかなわないけど、彼の活躍は励みになります」。
そして、門倉にとってかけがえのない存在が三浦大輔(横浜)だ。「何でも言い合える、相談相手であり手本。負けた時でもそれをお互い指摘できて、次は勝ってやるって競争ができる良きライバルです。今、あいつは2軍にいるんでケツをたたいてやりたいです」。門倉は盟友の低迷に語気を強める。
「まだ伸びしろがある」今季からカーブを持ち球に
現役にこだわる門倉にとって家族の支えは大きい。「まだまだ野球をしている姿を見せたいし、かっこいいパパでいたい。今は離れて暮らしているけど、最後は家族のそばでプレーしたいと思っています」。
今年、門倉は特別な感情で日本を見つめている。「大学4年間を過ごした仙台があんなことになってしまって……。自分に何ができるだろうといつも考えています」。門倉は韓国で自ら募金箱を持ち義援金を募った。「日本でどれだけの人が自分のことを気にしてくれているか分からないけど、韓国から明るい話題を提供したいです」。
「100勝は通過点。さらに上を目指します」
門倉は同級生、家族、そして仙台を思い、これからもマウンドに登り続ける。
<了>
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