【ジャパンC×過去データ分析】枠番も勝敗に大きく影響か!?

JRA-VAN
チーム・協会

【データ分析】

今週は東京競馬場でジャパンCが行われる。日本馬は前走天皇賞(秋)を制したドウデュースや牝馬二冠馬・チェルヴィニアが人気を集めそう。外国馬もG1・6勝の実績を誇るオーギュストロダンを中心に、近年では屈指の好メンバーが来日した。いつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用し、過去10年のデータを分析した。

1番人気の勝率は50.0%

■表1 【ジャパンCの人気別成績、過去10年】

過去10年のジャパンCの人気別成績を調べたところ、1番人気【5.1.2.2】が勝率50.0%、連対率60.0%、複勝率80.0%の好成績だった。その内訳を見ると、前走G2・オールカマー4着の19年レイデオロは11着と敗れてしまったが、前走天皇賞(秋)で5着以内だった馬は、高確率で好走している。

2番人気から5番人気にかけては連対率・複勝率がほぼ横一線の成績。6番人気以下【0.1.2.115】は大きく成績が下がっている。ちなみに外国馬で5番人気以内に支持された馬はおらず、実績的に目玉と呼べる大物が全く来日していないことがわかる。

前走天皇賞(秋)と秋華賞が有力

■表2 【ジャパンCの前走レース別成績、過去10年】

前走レース別成績を調べたところ、天皇賞(秋)【6.3.5.34】が最も多く好走馬を出していて、好走率もまずまずといったところ。さらに同レースで5着以内だった場合は【4.2.4.12】、同レースで1番人気だった場合は【3.0.3.1】という成績だった。

前走秋華賞【1.2.1.3】は延べ7頭ながら連対率42.9%、複勝率57.1%の好成績。さらに同レース1着だった場合は【1.1.1.1】だった。

その他ではG2の京都大賞典【3.1.0.19】から勝ち馬が3頭出ている。アルゼンチン共和国杯【0.1.1.13】も複勝率は京都大賞典と遜色ない。ちなみに前走凱旋門賞の好走馬は、14年2着のジャスタウェイ。

1枠が断トツの好成績

■表3 【ジャパンCの枠番別成績、過去10年】

枠番別成績を調べたところ、1枠【5.4.1.7】が勝率29.4%、連対率52.9%、複勝率58.8%でダントツの好成績だった。16年に逃げ切り勝ちを果たしたキタサンブラックや21年に差し切り勝ちを飾ったコントレイルなど、脚質を問わず結果を出している印象がある。2枠【2.0.4.13】と3枠【2.1.1.16】からも勝ち馬が2頭ずつ出ており、ハッキリと内枠有利という傾向が出ている。一方、8枠で好走した馬は2頭いて16年シュヴァルグラン(3着)と23年スターズオンアース(3着)。シュヴァルグランは翌年のジャパンCで1枠1番を引き当てて勝利しており、いかに枠番が大事かがわかる。

外国馬は3番人気以内ならば有望

■表4 【ジャパンCでの外国馬の人気別成績、2000年以降】

先ほど過去10年では、5番人気以内に支持された外国馬はいないと述べたが、もっと昔に遡れば該当馬がいる。2000年以降のジャパンCにおける外国調教馬の人気別成績を調べたところ、1~3番人気【1.0.2.3】は勝率・連対率16.7%、複勝率50,0%だった。好走したのは00年3着(2番人気)ファンタスティックライト(UAE)、05年1着(3番人気)アルカセット(英)、06年3着(3番人気)ウィジャボード(英)の3頭。また、09年は3番人気コンデュイットが4着(0.4秒差)、11年は1番人気デインドリームが6着(0.5秒差)という結果を残しており、惜しくも馬券にはならなかったが、勝ち馬と差がない競馬をしていた。

【結論】

日本馬が中心だが外国馬にも注目

今年の日本馬は前走天皇賞(秋)を制したドウデュースと、前走秋華賞を勝利したチェルヴィニアが人気を集めそうだ。データ的にも中心馬にふさわしい存在と言えるので、何はともあれこの2頭が有力だろう。ただし、最終的には枠番が鍵を握る。絶対に内枠が必要というわけではないが、外枠を引かされた場合はかなり厳しい競馬を強いられることになるだろう。

スターズオンアースも忘れてはならない注目馬。昨年のジャパンCで8枠17番ゲートから出て3着に好走したことは相当評価に値する。今年は何としても真ん中よりも内目の枠が欲しい。

その他では実力的に前走天皇賞(秋)4着のジャスティンパレス、今年の宝塚記念の覇者ブローザホーンが有力だろう。

今年は外国馬も粒ぞろい。オーギュストロダン(愛)、ゴリアット(仏)、ファンタスティックムーン(独)はいずれも世界トップレベルの芝2400m級・G1を勝利している。その中でも通算G1・6勝と群を抜いた実績を誇るオーギュストロダンに最も注目が集まりそう。配当的な妙味は薄いだろうが、期待通りの走りを見せてくれるかもしれない。

ライタープロフィール


小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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著者プロフィール

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