日本、決勝で米国に敗れるも史上初の銀メダル!=アイススレッジホッケー
堂々の銀メダルを獲得、笑顔を見せる日本代表メンバーとスタッフ 【Photo:吉村もと】
ほぼ満員となった会場には、米国の国旗を上回るたくさんの日の丸が揺れた。選手は、「悔しい」と涙を見せるも、「ホッケーの本場で行われた決勝の大舞台でプレーしたことを誇りに思う」と口をそろえた。
守りに課題、最後は精神力の差
パラ初出場ながら圧倒的なスピードで存在感を見せた伊藤仙孝 【Photo:吉村もと】
試合終盤には粘りをみせ、猛攻をしかけるも、得点には至らなかった。日本のプレー自体は悪くなかったが「やっぱり初の決勝戦で、みんな緊張していた」と司令塔の高橋和廣(FW)は振り返った。
一方の米国には、予選と同じように100パーセントの力で臨める強いハートがあった。ペナルティをおかして相手にチャンスを与えても、日本よりも早いスピードとフォアチェックで、確実にゴールを守りきった。その精神力の強さが、順位の差になってあらわれた。
結果は完封負け。あと一歩のところに見えていた「金メダル」は、今回は手にすることが出来なかった。表彰式では、選手の目からは大粒の涙がこぼれていた。「悔しさ」と、ここまでのぼりつめた「誇り」。その両方が、入り混じった涙だった。
試合が終わった後、ドレッシングルームに戻った選手は、中北浩仁監督の首に一人一人の銀メダルをかけたという。中北監督は、「もう、大泣きしました」と感激したようす。メダルが期待されながら惨敗した前回のトリノ大会後に、チームは崩壊。そこから、一つ一つを積み上げてきた。「トリノで辞めなくてよかった」と監督や選手の言葉に実感がこもる。
青木栄広アシスタントコーチは、「本当にいいチーム。想像をはるかに超えて、みんな戦ってくれた」と話し、また今大会直前に主将に決まった遠藤隆行(DF)について、「最後まで、本当によくタカ(遠藤)がチームをまとめてくれた」と大役をねぎらった。
ソチに向けて、選手層の拡大が急務
各国から厳しいマークに合った上原は、試合後「金メダルがほしかった」と涙を流した 【Photo:吉村もと】
この決勝戦の模様は、歴史的快挙として日本でも急遽(きゅうきょ)テレビで生中継された。これは障害者スポーツ界全体としても、異例の扱いであり、関心の高さをうかがわせた。「これを見た人が、少しでも競技に関心を持ってもらえたら」と関係者の期待は高まっている。
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