九州産馬ネオシエルが10連勝かけて重賞に登場!差し好走のレースで刺客は現れるか?/佐賀・九州クラウンデータ分析
3月9日佐賀6レース 18時05分発走予定
今年で4回目を迎える短距離重賞。佐賀競馬で最もレース数の多い1400mを舞台に行われる。
ここではレースが創設された2022年~24年の過去3年のデータに加え、舞台となる佐賀ダート1400m(2歳戦を除く)の過去3年(2022年~2024年)のデータを元に分析する。
過去3回は上位人気決着の傾向
ピーク直後の5歳馬が好走
出走も入着も牡馬が大半を占める
不思議と差し好走のレース
一方で、好走率が高いのが差し。差しは該当頭数も多いため好走率は低く出やすいのだが、連対率は41.7%と高い数値となっている。
差しは39秒がボーダーライン
3着内率が5割を超えるのは39秒を切った場合。38秒台後半では勝率19.5%、連対率37.2%、3着内率55.2%に対し、39秒台前半では勝率14.8%、連対率30.1%、3着内率46.6%と約5~10%、好走率が低下する。
逃げは8番枠がやや好成績
そこで、逃げにとって好枠はどこか。馬番別の成績をまとめたのが下表。勝率は大きな差はないが、3着内率では8番枠が58.7%と、やや秀でている。
なお、大外12番枠に関しては最内枠と比べるとサンプル数が約2割と極端に少ないため、好走率は低く見えてしまうので参考外でいいだろう。
短距離の前走を1カ月以内に勝った馬
対して、前走でA1・A2戦(1400m以下、かつ1カ月以内)で勝った馬は勝率42.9%、連対率71.4%と、こちらの方が好走率が高くなっている。
なお、22年1着タガノキトピロと24年1着ジョンソンテソーロは両方に当てはまっており、より好走率が高くなると言える。
データからの推奨馬は?
②5歳
③前走が1カ月以内のA1・A2(1400m以下)で、勝利
④近走で上がり3ハロン39秒0未満
⑤逃げなら8番枠だとなお良し
中心はネオシエル。宮崎県生まれの同馬は3歳時に重賞・たんぽぽ賞でJRA馬相手にハナ差2着となり、佐賀皐月賞を制覇。九州ダービー栄城賞でも3着に入るなど九州産の枠を超えて早くから活躍していた。昨夏から7カ月の休養を挟みながらも現在9連勝中。逃げて上がり3ハロン37秒2の脚を繰り出すこともあれば、中団に控えて4コーナーでスッと先頭に並びかけるレースもするなど自在だ。おそらく1番人気に支持されるだろう。5歳馬で1400mの前走も勝っており、①②③④に該当。
もう1頭、上位人気に推されそうなのはビキニボーイ。こちらも5歳馬だ。兵庫在籍時に1870mの兵庫ダービーで4着に入っているように、長めの距離がいいタイプ。1400mだと2~3走前は序盤に進みが悪い面を見せるものの、上がり3ハロンは38秒0以下で2~3着まで詰め寄った。今回は逃げ・先行タイプが多く、ハイペースが予想されるため、位置取りは後ろになるだろうが、展開が向く可能性も高い。①②④に当てはまる。
ハイペースを見込んで同じく差しタイプで狙いたいのはダイリンウルフ。佐賀への再転入初戦となった3走前のウインターチャンピオンを上がり37秒8の鋭い末脚で差し切り勝ちを決め、地方全国交流のゴールドスプリントでも3着。姫路に遠征した前走の兵庫ウインターカップも着順こそ4着だったが、勝ったのはJRA馬相手に兵庫ゴールドトロフィーで4着の実績のあるスペシャルエックス(北海道)。実績馬相手に0秒3差、かつ上がり3ハロン最速で、改めて強さを感じるレースだった。①④に当てはまる。
テイエムフォンテとテイエムフェローもともに実績馬。逃げ・先行タイプが多いため、7枠からどんなレースになるかだが、10番枠に関しては逃げの3着内率54.1%と高い。
③からはオールスマートが当てはまるが、テンのスピードが速く、ワンターンの900m戦を得意とする馬。1400mでどこまで粘れるか。
文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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