復帰を果たした司令塔が見せる強い向上心。「常に競争したい」思いがチームを突き動かす
続けていたリハビリも終わり、この1カ月ほどはトレーニングマッチでプレーする姿を見せていたが、前節でようやく今季初めてのメンバー入り。
「チームのために戻ってくることができた」喜びをかみ締めた。フル出場したのは、トレーニングマッチも含めて前節が今季初めてだった。
「自分の役割はゲームをしっかりコントロールすること。セットピースで苦戦していたので、その中でも適切なときにボールを動かし、キックを選択することでモメンタムを生かすことが大切だと考えていた」と振り返る。
「昨季から在籍しているので良い関係性を築けている」と周りの選手を生かすだけでなく、自身にもトライがあり、「楽しむことができた。チームに貢献できて、とてもうれしい」復帰戦となった。
今節もレッドハリケーンズ大阪の10番を務めるヘガティは、スーパーラグビーでのキャップ数が100を超えている。やはりそのゲームの流れへの判断力には、「素早い判断を求められる高いレベルのリーグで長期間プレーすることができていた経験が生きている」。
そのスーパーラグビーでの話になった際、彼はこのような話をしてくれた。「スーパーラグビーのレベルは高いけれど、日本に来て気づいたのは、日本のラグビーはとても成長率が高いということ。その一因には、一つのチームで長年プレーしている選手が多いこともあると思う。お互いのことを知って関係性を築き、互いに学んでいる。関係性を積み上げることで、チームが前進できる。継続性はとても大切なこと。パフォーマンスの文化はそういうことでのみ作り上げられるものだと考えている」
社員選手が中心のチームでは、選手の出入りは比較的少ない。そういう面も含めて、チームが「さらに成長していける」と感じているようだ。「ほかの選手も自分もさらに成長できる」ことに確信をもっており、「個人のスキルをさらに高めて互いに競争することで、より一層向上していける。
常にベーシックなことをしっかりと務めることが大事」だと語っていた。残りのシーズンへの目標を問うと、「『優勝したい』とは言いたくない。チームとしても、個人としても、務めるべきことを務め、向上していくことができれば、結果は自ずと付いてくるもの」だと話したヘガティ。のぞかせた強い向上心の原動力は、「家族やチームのためにというのはもちろんだけれど、常に競争していたいという負けず嫌いなところ」だという。その向上心で、チームをさらに高いレベルへと導きたい。
今節も「可能な限りその状況に素早く順応し、一瞬一瞬で最大限の力を出して」、司令塔としての役割を全うする。
(前田カオリ)
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