球春2025 ~スターゼンカップ春季全国大会 出場チーム紹介 【開星中学ボーイズ】
このシリーズでは大会の開幕に先立ち、全国の予選を勝ち抜いた話題のチームを紹介する。
シリーズ第3弾は、山陰支部予選を勝ち上がりみごと初出場を果たした開星中学ボーイズ。
投打がかみ合い、決勝を完封で勝利
チャンスに強い6番・宮本康生(みやもとこうせい)の中前打で先取点。
さらに四球と犠打で2死2,3塁のチャンスに、9番・原旺我(はらおうが)のタイムリーで2点を追加。
5回には、1番・鈴木琉雅(すずきりゅうが)が死球で出塁、すかさず盗塁を決め3番・生和大空(にゅうわだいき)の右前ヒットで4点目。
7回にも1番・鈴木の右前ヒットを足がかりに5点目が入り試合を決定づけた。
投げては先発の左腕・鈴木が5回78球で被安打2、奪三振9と完璧な投球を見せた。
6回は原、最終回はエースの生和が相手打者を完全に抑え、大山ボーイズ打線を零封した。
学校のある松江市をはじめ、出雲市、雲南市、安来市、米子市など近郊の子どもたちが野球部に集まり活動している。
テニス界で活躍する錦織圭選手は開星中のOB。
令和2年まで軟式の野球部として活動し、中国大会で4強入りしたこともある。
全国大会は軟式時代を含め初出場となる。
監督を務める塚田秀典(つかだひでのり 49歳)は、松江第一高(現開星高)時代に甲子園に出場、大阪体育大時代は、読売ジャイアンツ、MLBで活躍した上原浩二とプレーを共にし、近鉄バファローズ、楽天イーグルスにブルペン捕手として20年間在籍した。
ミスをした選手に対し、「チャンスはまたある」、試合展開が優勢であれ劣勢であれ、「最後まで何があるかわからない」、と選手たちに塚田は言う。
これは、楽天時代、闘将星野監督が一流のプロ野球選手に言っていたことばである。
「自分たちがさらに強くなるためにはどうすればよいか、何が足りないのかを考えて欲しい」、塚田は選手たちの自主性を伸ばしたいと考えている。
中学野球はあくまでも通過点、勝利至上主義ではなく、自分の頭で考え、自ら行動できる選手の育成を目指しているからに他ならない。
開星中学ボーイズは学校の部活動として活動している。
朝登校し、授業を受け、部活動を行い、下校するまで生徒たちと生活をともにしている。
現在、保健体育の教員である塚田は2年生の担任を受け持っている。
「生徒と一緒にいる時間が長いので、生徒の普段のふるまい、性格や心の状況などを把握しやすいということはメリットです。
残念ですが、野球のときは頑張るけれど、私生活の態度はいまひとつ、という選手もいます。
教員として20年以上様々な生徒を見てきましたが、ここぞという場面で活躍できる選手は生活態度もしっかりしている」、と津森康介(つもりこうすけ 数学科教員)部長は話してくれた。
山陰チームのプライドを全国の舞台で見せたい
コントロールに不安があったが、昨秋から安定感がでてきた。
打者としても3番に座りチーム一の長距離砲。
4番・吉田琉羽来はチャンスにめっぽう強い。ケースバッティングができ一発もある。
扇の要を守る正捕手・湯﨑栞生は、5人いる投手それぞれの長所をうまく引き出す好リードに定評がある。
チームをまとめるのは主将を務める鈴木琉雅。
俊足好打のリードオフマンで中堅手。打球に対する反応がよく守備範囲も広い。
選手の代表として監督から時に厳しい指導を受けることもあるが、チームメイトからの信頼は厚い。
前記のとおり全国予選の決勝では先発を任され5回を無失点、気迫の投球が印象的であった。
「山陰にも強いチームがあることを全国で証明したい」
春季全国大会の出場を決めた決勝戦直後のインタビューで鈴木はこう宣言した。
山陰の雄、開星中学ボーイズの初陣の行方に注目したい。
(文中敬称略 原稿:広報委員会)
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