10代の野球人口

笹川スポーツ財団
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笹川スポーツ財団では、1992年から全国の18歳以上、2001年からは10代、2009年からは4~9歳を対象に、「スポーツライフに関する調査(スポーツライフ・データ)」をそれぞれ隔年で実施し、運動・スポーツ実施状況、スポーツ観戦、好きなスポーツ選手、運動部活動、生活習慣など、国内のスポーツライフの現状を明らかにしてきました。2023年6月から7月に、「子ども・青少年のスポーツライフ・データ(4~21歳のスポーツライフに関する調査)」を実施。10代の野球推計人口・実施率の推移を解説します。

本文:鈴木 貴大(笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 政策オフィサー)

10代の野球人口 【写真:Adobe Stock】

1. 年1回以上の「野球」実施率の推移(2001〜2023年):全体・性別 (10~19歳)

図1. 年1回以上の「野球」実施率の推移(2001~2023年):全体・性別 (10~19歳) 【笹川スポーツ財団「子ども・青少年のスポーツライフに関する調査報告書」(2001~2023)より作成】

2023年の年1回以上の実施率は全体15.9%、男子26.4%、女子4.6%であった。調査開始の2001年と比較すると全体は4.6ポイント減(20.5%→15.9%)、男子は11.3ポイント減(37.7%→26.4%)、女子は2.2ポイント増(2.4%→4.6%)となる。10代の年1回以上の実施率は減少傾向にあり、特に男子の減少幅が大きく女子は横ばいで推移している。2023年の実施率は2021年から全体、男女で増加し、男子では5.0ポイント増と過去2回の調査を比べると高い値を示した。

表1. 年1回以上の「野球」推計人口・実施率の推移(2001~2023年):全体・性別 (10~19歳) 【笹川スポーツ財団「子ども・青少年のスポーツライフに関する調査報告書」(2001~2023)より作成】

2023年の10代の野球の推計人口は174万人であり、2001年の282万人から約100万人減となった。男子は2001年の265万人から2023年は148万人と100万人以上減少し、女子は2001年の16万人から2023年は25万人に微増した。10代の野球人口の減少は主に男子の推計人口の減少が影響したと考えられる。

2. 年1回以上の「野球」実施率の推移(2001〜2023年):年代別 (10~19歳)

図2. 年1回以上の「野球」実施率の推移(2001〜2023年):年代別(10~19歳) 【笹川スポーツ財団「子ども・青少年のスポーツライフに関する調査報告書」(2001~2023)より作成】

年代別の実施率をみると、2023年の実施率は小学生年代(10,11歳)22.3%、中学生年代(12~14歳)18.1%であり、高校生年代(15~17歳)、大学生年代(18,19歳)の実施率よりも高い。小学生年代の実施率は2021年から7.7ポイント(14.6%→22.3%)、中学生年代は3.8ポイント(14.3%→18.1%)増えたが、高校生年代、大学生年代の実施率にほとんど変化はみられなかった。野球の年1回以上の実施率増加は中学生年代以下の変化が影響したと推察できる。

表2. 年1回以上の「野球」実施率の推移(2001~2023年):年代別(10~19歳)  【笹川スポーツ財団「子ども・青少年のスポーツライフに関する調査報告書」(2001~2023)より作成】

性・年代別の実施率をみると、男子の2001~2009年では小学生年代、中学生年代ともに実施率が50%前後を示しており、約2人に1人が年1回以上野球を実施していた。2021年では両年代とも実施率は24%台であり約4人に1人まで減少したが、2023年は実施率が回復し男子の小学生年代では10ポイント増の34.4%、中学生年代では7.2ポイント増の31.8%であった。女子の実施率は調査年度による違いはあるものの、概ね小学生年代の実施率が高く、高校生年代の実施率が低い傾向にある。小学生年代では2021年から2023年にかけて実施率が4.6ポイント増加し8.5%であった。

3. 週1回以上の「野球」実施率の推移(2001〜2023年):全体・性別 (10~19歳)

図3. 週1回以上の「野球」実施率の推移(2001〜2023年):全体・性別 (10~19歳) 【笹川スポーツ財団「子ども・青少年のスポーツライフに関する調査報告書」(2001~2023)より作成】

全体の週1回以上の実施率は、2009年の11.8%をピークに2023年は7.4%まで減少した。男子も同様の推移を示し、2023年の実施率は2009年の22.3%から8.4ポイント減り13.9%であった。女子の週1回以上の実施率は0.5%前後の横ばいで推移している。

表3. 週1回以上の「野球」推計人口・実施率の推移(2001~2023年):全体・性別 (10~19歳) 【笹川スポーツ財団「子ども・青少年のスポーツライフに関する調査報告書」(2001~2021)より作成】

「子ども・青少年のスポーツライフ・データ2023」調査概要

■調査内容
運動・スポーツ実施状況、運動・スポーツ施設、スポーツクラブ・運動部、習いごと、スポーツ観戦、スポーツボランティア、好きなスポーツ選手、健康認識・生活習慣、身体活動、個人属性 等

■調査対象
1)母集団:全国の市区町村に在住する12~21歳
2)標本数:3,000人
3)抽出方法:層化二段無作為抽出法

■地点数:全国225地点

■調査時期:2023年6月24日~7月21日
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著者プロフィール

笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ専門のシンクタンクです。スポーツに関する研究調査、データの収集・分析・発信や、国・自治体のスポーツ政策に対する提言策定を行い、「誰でも・どこでも・いつまでも」スポーツに親しむことができる社会づくりを目指しています。

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