【プレビュー】vs名古屋グランパス 地上戦前進に苛む非保持型チーム同士の進化サバイバル【FC町田ゼルビア2025年J1 第4節 】
名古屋グランパス戦プレビューです。よろしくお願いします。
名古屋グランパスの現状
ハセケンさんこと長谷川健太監督体制4年目の今シーズン。監督の代名詞ファストアタックを基調に「堅い守備から高い個の質を活かした鋭い速攻のチーム」というのが一般的イメージだと思いますが、今季は開幕3戦1分2敗9失点と、少々苦しいシーズン立ち上がりを過ごしています。
昨年今年の変化としては、やはり昨シーズンのキャプテンも務めた名手GKランゲラックの退団が最大のトピックでしょうか。
※リンク先は外部サイトの場合があります
ここまで3節はセカンドGKの武田洋平が出場中。
武田洋平は2016年から名古屋に在籍、長く名古屋のセカンドGKを務めています。2017年のJ2時代には野津田のベンチに来てた模様。(https://www.football-lab.jp/nago/report?year=2017&month=08&date=16)チームをよく知るセカンドGKの重要性はよくわかっている我々でもありますが、望まずも起こった負傷トラブルで表舞台を支える役割が長年の功労者に回ってくるのも、なんとも因果なものです。
※リンク先は外部サイトの場合があります
その新加入の2人・徳元悠平・原輝綺は第3節まで早速スタメンを張っており、キャプテンGKの退団にともない、守備体制の立て直しを図るオフシーズンだったこともうかがえる中、アクシデントも影響し、体勢がなかなか定まらない状況なのかもしれません。
※リンク先は外部サイトの場合があります
地上戦での前進構築に苦しむ
中盤・前線に豊富なタレントが揃っており、特にFWには山岸祐也、永井謙佑、マテウス・カストロ・浅野雄也(元コンサ、日本代表・浅野拓磨の弟)と突破力を備えたスカッドが揃い、アタッキングサード手前まで運べれば少人数でも一気の速攻に持ち込める速さと強さがあります。
その一方、FC東京戦でも顕著だったのが、そのアタッキングサード手前まで運ぶ部分の課題。
FC東京戦では、ハイプレスは控えめに最終ラインにボールを持たせ、ボランチ〜2列目へのボール入りざまに強く当たる中盤監視に、この日1ゴール1アシストとキレキレだった佐藤恵允の猛烈プレスバックも効き、前線への持ち出しにはなかなか苦労していました。
それでも、中盤の底から1列飛ばしでIH・FWにつける速い縦楔・相手WB裏への配球にサイドを走らせる形など、中距離パスを用いた仕掛けをたびたび敵陣攻略の糸口にしており、一度アタッキングサードに入ってしまえば、中盤からうしろが湧いて出て分厚く攻撃に参加していく形は出来上がっており、それはFC東京戦でのゴールシーンにもしっかり見てとれます。
負ければ終わらない停滞。前進を確認するために結果を求め、結果を出すことで次の一歩を見出したい、両チームにとって、そんなタイプのサバイバルです。
今節のポイント
シーズン終えた後に、各節でどういう課題感や変化を前にチームが歩みを進めてきたのか、振り返れるようにしたい。
・取り戻すで足らない「町田らしさ」昇華への模索
・爆発的な個を封じ、爆発的な個で刺す
リバウンドメンタリティ
※リンク先は外部サイトの場合があります
ヴェルディ戦前半の距離感の悪さから来た絶望的な出足の遅さ。パスをつなぐのか蹴るのか、ドリブルで持ち出すのか、ヴェルディの激しいプレスを前にちぐはぐが極まった中で遅れた判断。
ヴェルディ戦前の黒田監督の言「受けて立った瞬間から、われわれの崩壊が始まる」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/387870)は現状一定の真を突いたもの。「迷ったら行け」なんて、黒田体制の前からこのチームのサッカーを表してきた言もある。(相馬さんは言ってないそうですが。迷っちゃいけないらしい。)(https://x.com/tamittii/status/1202953872861347852)
苛立ちを感じたのは、もちろん(「サッカーの上手い子はヴェルディに行く」町田の歴史的に尊敬と感謝、畏怖の気持ちが尽きない)ヴェルディ相手に負けを認められないというのはあるものの、敗戦という結果以上に、選手から前に行く姿勢・相手の嫌なところを突く姿勢よりも、ピッチ上の迷いと動揺ばかり伝わる前半45分だったから、要は「町田らしくないから」というのが大きかったように思います。
痛い敗戦を経たリバウンドメンタリティを前進する熱量に転換して相手を上回って走ること、闘って、相手にやらせないを全員でやる。
基本的なことを成さなければ、本来勝てる試合でも勝てないわけで、それが名古屋のようなビッグチーム相手ならなおのことです。
取り戻すで足らない「町田らしさ」昇華への模索
ボールをつなぎ出方を見て柔軟に相手を剥がし隙を突くのか
理想は相手の構えを見て1、2どちらのやり方でも相手を倒せること。1が効く相手には1を、1を対策されたら2を、2を消しにきたらまた1と、後出しジャンケンで勝てる「なんでもできるサッカー」にたどり着きたい。
ヴェルディ戦後半試合終盤の圧力変化を見れば、1のダイレクトな方向のサッカーならすでに計算はつく。
現状スムーズさに欠ける2ボールをつなぐやり方を向上させていくためには、パスサッカーへのトライアルは欠かせない必要なチャレンジではある。
ボール保持の向上が必要な理由
夏場の熱暑下だと従来の町田のやり方では連戦疲労の影響が避けられない(過去2年間の夏場減速で証明済み)
ACLにおける日本勢の強みはボールを扱う技術力(2024-2025ACLEにおいてマリノス・川崎が好調なのは象徴的)
町田がボールをつなごうとしたこと、またヴェルディの対策が噛み合った結果、町田のサッカーの強さの源泉である「前ベクトルの太さ」あるいは「アグレッシブに相手へ襲い掛かる迫力」が消失してしまった点が前節の課題。
爆発的な個を封じ、爆発的な個で刺す
前述の通り、名古屋はアタッカー陣の個のクオリティが非常に高く、永井謙佑、マテウス・カストロは絶対にスピードに乗ったアタックをさせてはいけないキャラクター。福岡での活躍のイメージが濃い山岸も、ハードワークを惜しまずタフに戦える選手です。
こうした前線アタッカーにボールを持たせてしまうと、中盤からこちら一気に圧力を強めて迫ってくるため、なるべくはそもそも前線へ楽にボールを入れさせない、そのためにミドルサードの高さからアグレッシブに相手の前進を封じていく対応が必要です。
前線の特長を出させないための中盤封鎖
前半31分の名古屋1失点目は、ビルドアップのサポートに降りた稲垣からボールを受けた椎橋が後ろ向きのチャージを受けてのボールロストから生まれています。
この3241の2のところに圧力をかけ続ける、奪えたらサイドに持ち出して揺さぶる、という形は、3241攻略の鉄板なのかもしれません。(今季のファウルをあまり取らないジャッジ基準をふまえても、ボランチに激しく行くアプローチは理に叶っています。)
嫌がるアプローチも似てくるからこそ学びが得られる可能性
町田の攻撃ターンとなった際、こちらも相馬・中山・オセフン・西村・ナサンホにしても、抜きん出た個がいます。そうした個で、どれだけスピーディーにゴールへと迫れるか。
相手には一度のチャンスも許さず、こちらは一度のチャンスを一瞬で決め切る。そうしたチャンスをロングボール・ポゼッション両スタイルを駆使して創出できる形を目指したい。
フォーメーション
前から圧をかけていく形なら白崎が機能するのはわかりますが、自陣ビルドアップを重視するなら攻守の意識を冷静に維持してプレイできる下田が一番バランス良いのかなと。
ボールサイドに寄りすぎてサイド崩壊が頻発してたこと考えると、昨シーズンの良い時期には出来ていた「まずゴールを隠す」をボランチ・CB一体となって実現してほしいところ。
ていうかこれ高校サッカーでよく見
まとめ
再現性ある攻撃は重要かもしれませんが、そのために守備の耐久力が落としては、じゃあ一体なにが残るというのか。
ヴェルディ戦最後の猛攻を見ても、偶然性活かすアプローチに立ち戻ることは短時間で可能なようなので、試行錯誤する中で、攻撃アイデアを活かせる3バックにおける守備モデルの確立を図るところから進める方が、なんというか「町田らしい」のかなと。
簡単ではありませんが、結果として明日の試合に向けて、想いはひとつになっていると思います。熱量持って試合に臨み、勝ってもらいましょう。共闘🔥
※リンク先は外部サイトの場合があります
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ