「ジュニアヘビー級を、新日本に新しいファンを呼び込む存在にしたい。ボクたちはヘビー級を超えることができると思ってる」3月6日(木)大田区でIWGPジュニア初挑戦!フランシスコ・アキラに直撃インタビュー!!

チーム・協会

【新日本プロレスリング株式会社】

いよいよ目前となった3月6日 (木)『旗揚げ記念日』 東京・大田区総合体育館。IWGPジュニアヘビー王者のエル・デスペラードに挑むのはUNITED EMPIREを代表するジュニア戦士、フランシスコ・アキラ。

悲願の同王座初挑戦を前にして、いまアキラは何を思うのか?

撮影/中原義史

■『旗揚げ記念日』
3月6日(木) 17:00開場18:30開始
東京・大田区総合体育館
※「ロイヤルシート」「アリーナ席」「2FスタンドD」は完売となりました
※「2FスタンドC」は残りわずかとなりました

※リンク先は外部サイトの場合があります

■ボクはこれまでの時間を有効に使えたと思ってる。やっぱり、最高のものは時間をかけてこそ手に入るんだよ。

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――さて、アキラ選手、新日本プロレスのリングに上がるようになってから、もうすぐ3年になりますね。

アキラ そうだね。『HYPER BATTLE’22』(2022年4.9両国国技館)が自分の新日本プロレスでのデビューだった。

【新日本プロレスリング株式会社】

――サプライズ登場でファンを驚かせました。3月6日大田区総合体育館では初めてのIWGPジュニアヘビー級王座への挑戦が控えていますが、今がそのタイミングだと感じてますか?

アキラ デスペラードは「ここにたどりつくまでに時間がかかった」と言っていたけど、それはさっき言った新日本に登場した日に、ボクが彼とタイジ・イシモリのところへ向かっていったからだと思うよ。でも、そのときのボクにはまだ挑戦する準備ができていないこともわかっていたんだ。

――ベルト挑戦への準備期間が必要だと感じていた?

アキラ と言っても、いままでムダな時間をすごしていたわけじゃないよ。ジュニアタッグ戦線では、IWGPジュニアタッグ王座を獲得したし、『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2023』でも優勝することができた。これまでの時間を有効に使えたと思ってる。やっぱり、最高のものは時間をかけてこそ手に入るんだよ。

――あなたはまだ若いですが、ここまで素晴らしいキャリアを積み上げていますね。

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アキラ ボクはデビューしてから7年後に新日本プロレスにやって来た。そして、世界最高のレスラーである(ウィル・)オスプレイがボクをUNITED EMPIREに招いてくれた。新日本プロレスは業界最高峰の団体だし、世界レベルの選手でなければここにいる資格はないと思ってる。

だから、オスプレイや世界に対して「ボクにはここにいる資格がある」ことを証明しなければならなかった。今こそ、ボクが世界最高の選手であることを示すときなんだ。確かにここまでの道のりは長かったよ。でも、ボクはレスリングを始めてから10年経った今でも、まだ25歳なんだ。

――キャリア10年で25歳! この3年間で、あなたが成長していく姿を私たちは目の前で見てきたように感じます。

アキラ ボクは日本にいるだけで大きく成長することができた。新日本プロレスに来てからは祖国・イタリアを離れて一人暮らしも始めた。もう実家にいるわけじゃないので、必要に応じて大人にならなければならなかったんだ。でも、まだ子どもみたいな部分もあるかな(笑)。ときどき周りのみんなには、子ども扱いされるときもあるからね。

――UNITED EMPIREの仲間に。でも、カラム(・ニューマン)選手があなたよりも年下ですよね(笑)。

アキラ そうなんだけど、なぜか彼のほうがボクよりも年上に見えるよね(笑)。

■ボクが今回、デスペラードに挑戦表明をした理由は、フジタがボクよりも先に挑戦したことが気に入らなかったからなんだ。

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――前回デスペラード選手と戦ったのは、2023年の『BEST OF THE SUPER Jr. 30』。あの試合は、レスラーとしてのあなたの成熟を感じさせるものでしたね。

アキラ 間違いなくそうだと思うよ。あの試合はボクにスポットライトを当てるためのものじゃなく、ボクがスポットライトの中に立つために成熟する場を与えてくれた。ただ、あの試合では個人的な感情を出しすぎて、怒りを抱えすぎてしまった。

試合そのものより「デスペラードをどうしても倒したい」という気持ちが強くなりすぎてしまった。だから彼にうまくコントロールされてしまって、試合では冷静さを失ってしまった。結果的に試合としては良いものになったと思うけど、ボク自身は彼に勝てるほどの実力を発揮することができなかった。

【新日本プロレスリング株式会社】

――試合の流れは8割がデスペラード選手にあったと言われていますが、試合後にはあなたの方が話題の中心になっていましたね。デスペラード選手は、そういう試合を作るのがうまいというか。

アキラ それこそがデスペラードのレスラーとしての強さだよね。彼は誰よりも強く、その強さで相手を引き上げることができるんだ。あの試合の後、サイン会でファンが涙を流しながら「最後まで諦めなかったあなたを見て感動しました」と言ってくれたのも覚えているよ。

――あなたは、藤田晃生選手がデスペラード選手に挑戦した試合の直後にリングに上がり、挑戦表明をしました。藤田選手と昔のあなたには、何か共通点があると感じたりはしましたか?

アキラ ああ、彼がデスペラードと戦う姿を見て、少し昔の自分のことを思い出しちゃったよ。ただ、彼はすでにデスペラードと試合をした経験があるし、ボクがデスペラードに挑戦するだろうという予測もできていたはずだよ。でも、ボクがデスペラードに今回、挑戦表明をした理由は、フジタがボクよりも先に挑戦したことが気に入らなかったからなんだ。

――それはどういう意味なのでしょうか?

アキラ 「なぜ22歳のフジタがボクよりも先にデスペラードに挑戦するんだ?」という気持ちがあった。ボクはずっとこのチャンスを待っていたんだけど、ただ待つんじゃなく、自分から行動しなければならないと思ったんだ。それで、ああいう形でリングに上がったんだ。

■ボクはどの会場でも全力を尽くすけど、(世界ジュニアヘビー級王座を獲った)大田区での試合はさらにモチベーションが高まるね。

【新日本プロレスリング株式会社】

――タイトルマッチが行われる大田区総合体育館は、あなたが全日本プロレスの世界ジュニアヘビー級王座を獲得した場所ですよね。

アキラ そう、まるでおとぎ話のような展開だよね。本当に完璧なタイミング、そして完璧な相手……それがデスペラードなんだ。彼はボクが新日本プロレスに来る前からボクの名前を口にしていた最初の選手。そして、ここは4年前にボク自身が歴史を作った場所なんだ。

イタリア人として初めてジュニアヘビー級王座を獲得し、外国人としてはケニー・オメガ以来の快挙となる成果を上げることができた。

――アキラ選手にとって、特別な思い出のある会場なんですね。

アキラ そうだね。しかもコロナ禍の厳しい時期に、全日本プロレスの道場で生活し、お金もほとんどないような時期だった。それでもコウジ・イワモト(岩本煌史/現フリー)を破ってベルトを手にすることができた。

そして4年後、同じ会場で今度は新日本プロレスの最高峰であるジュニアヘビー級のタイトルに挑戦するんだ。ボクはどの会場でも全力を尽くすけど、大田区での試合はさらにモチベーションが高まるね。ここでタイトルを獲ることができれば、それは自分にとって最高のストーリーになるはず。自分の持つすべてを出し切るつもりだよ。

――過去の『旗揚げ記念日』では、IWGPジュニアヘビー級王座戦が2度行われています。2017年には、高橋ヒロム選手が海外遠征から戻るとすぐに王座を獲得し、彼の入門テストを担当した田口隆祐選手がベルトに挑戦しました。2019年には、石森太二選手が獣神サンダー・ライガー選手を相手にベルトを防衛し、その翌日にはライガー選手が引退を発表しました。どちらの試合にも、世代交代のテーマがありました。

アキラ そうだったんだ。それは知らなかったよ。でも、デスペラードはまだまだ全盛期の最中であり、すぐに引退するわけじゃない。だから今回のテーマは世代交代とは違うと思うよ。ただ、ボクはその「シンボル」を奪うつもり。今こそボクの時代、ボクがつかむべきチャンスがやってきたんだ。

■このジュニアヘビー級を、新日本プロレスに新しいファンを呼び込む存在にしたい。

【新日本プロレスリング株式会社】

――ジュニアヘビー級では、あなたをはじめ、マスター・ワト選手、DOUKI選手といった若い世代が台頭していますが、デスペラード選手を筆頭とする強いベテラン世代の壁に挑まなければならないという状況です。今の新日本ジュニア全体をどう見ていますか?

アキラ ジュニアヘビー級の問題点は、「ヘビー級の小さいバージョン」と見られがちだということなんだ。サッカーで言うなら、ユヴェントスのトップチームと、その下のリザーブチームみたいなイメージかな。でも、それは間違った見方だと思う。

ジュニアにはスピード、アジリティ、そしてエキサイティングな動きがあり、それはジュニアヘビー級でしか見られないもの、そして新日本プロレスのジュニアヘビー級でしか見られないものなんだ。

――ジュニアヘビー級には、独自の魅力があると。

アキラ もちろんさ。フジタが最近のインタビューで「ジュニアの試合は予想しやすい」と言っていたけど、DOUKIが証明したように、状況ってのは一瞬で変わるんだ。誰も予想していなかったのに、DOUKIはデスペラードを倒し、素晴らしい王座戴冠を果たした。

もし彼がケガをしなければ、今もまだ王者だったかもしれない。トップに確立された強いメンバーがいると変化は起こりにくいけど、一度大きな変化が起こると、それは一気に進むし、非常に大きな影響力が波及することになる。

――では、あなたがジュニアヘビー級に起こしたい変化とは?

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アキラ このジュニアヘビー級を、新日本プロレスに新しいファンを呼び込む存在にしたい。ヘビー級の試合はメインイベントで行われるので注目されるし、様々な媒体で見出しになることも多い。でも、ボクたちだって同じ土俵に立ち、DOUKI、フジタ、ワト、そして私がヘビー級を超えるような試合を見せていきたいんだ。ボクたちはヘビー級を超えることができると思っているよ。

――IWGPジュニアヘビー級王座戦と、IWGP世界ヘビー級王座戦がそれぞれセミファイナルとメインイベントとして並ぶのは、対照的な構図ですね。しかも、IWGP世界ヘビー級王座は、棚橋選手にとっては最後の挑戦になる可能性がある一方で、あなたにとってIWGPジュニアヘビー級王座は初の挑戦となります。

アキラ このカードの美しさは、まさにその対比にこそあると思う。ゴトウとタナハシは、新日本プロレスのために多くのことを成し遂げてきた。ボクは彼らを「過去の選手」とは言いたくないんだ。ゴトウは現時点でのチャンピオンだし、彼らは「過去と現在」が共存する選手と言える存在じゃないかな。

でも、ボクとデスペラードは「現在から未来へ」の象徴になる。ボクたちは、新日本プロレスの新しい形であり、これから先の未来を示す試合をするつもりだよ。それは、若いレスラーのためだけじゃなく、次世代のファンのためにもなるはずなんだ。

もし、大田区に来るファンの中に、タナハシとゴトウを目当てにやってくる大人たちがいるとしたら、7歳や8歳の子どもたちは、私とデスペラードの試合を目当てに観に来るんじゃないか。そして、10年後の新日本プロレス63周年の時には、彼らは私とフジタの試合を観に来るかもしれない。その未来を作るのは、ボクたちの役目なんだ。

■もちろんTJPから学んだことはたくさんあるし、“Catch 2/2”はボクのキャリアにとって重要なものだ。でも、それがボクのすべてじゃない。

【新日本プロレスリング株式会社】

――少し話を戻しますが、あなたがデスペラード選手に挑戦表明をした際、彼は「お前のボスはどこだ? TJPはどこだ?」という発言をしました。その言葉にあなたは強い怒りを見せましたが、あのときの気持ちは?

アキラ あの発言の意図は明確だった。デスペラードはボクを挑発しようとしていたのさ。マイクに関しては彼が一番巧みだし、どうすればボクが反応するかもわかってたんだと思う。多くの人がボクを「TJPのパートナー」として認識していて、「アキラはTJPの助けが必要な存在」だと思っている。それが腹立たしかったんだよ。
 
――デスペラード選手は『BEST OF THE SUPER Jr. 30』でTJP選手があなたのためにタオルを投げようとしたことにも触れていましたよね。

【新日本プロレスリング株式会社】

アキラ あの時、TJPはボクが苦しんでいると感じて、試合を止めようとしたんだ。でも、ボクがそれを頼んだわけじゃないし、あんな形で負けることは絶対に受け入れられなかった。だからデスペラードがTJPの名前を持ち出したとき、「大田区でも同じことが起きるぞ?」「お前一人では何もできない」という意味だったんだろうね。

でも、それは違う。たしかにボクはレスリングが盛んな国で育ったわけじゃないし、業界の後ろ盾もなく、たった一人でここまでやってきた。日本にも一人で夢を追いかけるために来たし、新日本プロレスにも一人でやってきた。

ボクは自分の力だけで戦えるし、それができると信じている。もちろんTJPから学んだことはたくさんあるし、「Catch 2/2」はボクのキャリアにとって重要なものだ。でも、それがボクのすべてじゃない。ボクはまだ25歳、もっと上を目指しているんだよ。

――ちょうど1年前の『THE NEW BEGINNING in OSAKA』では、UNITED EMPIREとWAR DOGSのドッグパウンド・ケージマッチがありました。それはオスプレイ選手の新日本プロレスでのラストマッチでもあり、WAR DOGSが勝利しました。それから1年、UNITED EMPIREは浮き沈みがありましたが、今、ユニット全体をどう見ていますか?

【新日本プロレスリング株式会社】

アキラ 2024年は、UNITED EMPIREにとってもっとも厳しい年だったかもしれない。創設者であるオスプレイという存在を失った。ボクにとって、彼はいまだに世界最高のレスラーなんだ。UNITED EMPIRE、そして新日本プロレスは、最大の武器を失った。それ以来、ボクたちはずっと試練を乗り越えようと努力してきた。そして、まだその戦いは続いている。

多くの人は、団体を立て直すのはヘビー級の選手だと思っている。たとえばジェフ・コブやグレート-O-カーンがIWGP世界ヘビー級王座を獲れば、UNITED EMPIREが再びトップに返り咲くと考えている。

でも、もしそれを成し遂げるのがジュニアヘビー級の選手だったらどうだろう? もし、ボクがIWGPジュニアヘビー級王者になれば、チームの全員が「自分たちも上を目指さなければならない」と思うはずだ。

『旗揚げ記念日』での試合にUNITED EMPIREのメンバーで出場するのは、唯一ボクだけ。だから、3月6日はボクがチーム全体を代表して戦うつもりだ。UNITED EMPIREの過去はたしかに偉大だった。でも、ボクたちはそれ以上の未来を築くべきなんだ。

【新日本プロレスリング株式会社】

――最後に、今後12か月間でUNITED EMPIREをどうしていきたいと考えていますか?

アキラ 2024年よりも、さらに強いチームにしていきたいね。オスプレイがボクたちを集めたのは、ボクたち全員が世界最高の選手になれるポテンシャルを持っているから。

オスプレイがいなくなって、ボクたちは少し道に迷ってしまったのかもしれない。でも、もしボクたちが本来の力を発揮することができれば、UNITED EMPIREはかつての栄光を取り戻し、それ以上のものを手に入れることができるはずなんだ。(了)

【新日本プロレスリング株式会社】

■『旗揚げ記念日』
3月6日(木) 17:00開場18:30開始
東京・大田区総合体育館
※「ロイヤルシート」「アリーナ席」「2FスタンドD」は完売となりました
※「2FスタンドC」は残りわずかとなりました

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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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