新しいヒロイン2025《97期生・中地 萌》

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中地 萌 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 2025シーズンがまもなく開幕する。最終プロテストの難関を突破した97期生が希望を胸にデビューを待つ。2024年の総受験者は695人、合格率はおよそ3.7パーセントだった。今年、羽ばたく26人を紹介する。

なかじ・もえ=1998年12月5日生まれ

 あれから、1年。今年はツアープロとして戦う準備を行う毎日だ。全身により、生気がみなぎる。ゴルフ人生を変えたのは、パッティンググリップの変更だった。

 「指導を受ける水巻善典プロから、変えてみたらいい、とアドバイスをいただいたのが、去年の1月。それまでクロスハンドグリップを試したことは一度もなかった。順手ではアドレスの向きがわからなかったりして、いろいろと悩んだ。それがクロスハンドはしっくりきました。狙ったところにボールが打ち出せる」といい、「1メートルのパッティングがすごくイヤな時もあったけど、クロスハンドで悩み解消です。自信をもってパッティングに臨める。おかげさまでスコアが出るようになった。アンダーパーでプレーしても70ぐらいだったけど、グリップを変更しただけで60台が出て…。パッティングが良くなったら、ショートゲームなど、次々にいい方向につながっていった」と経緯を説明する。

 プロテスト受験回数は5回。昨年、初めて最終まで進出した。もちろん、パッティングがモノをいったのだ。「一次予選から、テストですから、突破できるか、落ちるかの二択。23年までは怖い-ばかりが先に立っていた。それが24年のテストでは、もうやるしかない。そんな気持ちでした」。25歳でライセンスを取得した、黄金世代である。

中地 萌 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 クラブを握ったのは8歳。ただし、中学、高校はゴルフとは距離を置いていた。「バスケットボール部に入り、チームスポーツの楽しさに夢中。ゴルフはほとんどしていない」と、6年間のブランクがあった。しかし、同志社大学へ進学し、ゴルフ部へ。 

 「もう一度、やってみようかと思った。でも、やるからには試合に出場したい。結果を残す、と誓った」そうだ。さらには、「もし、ゴルフ一筋に来ていたら、どうなっていたかわからない。一度離れたことはムダではありません。後悔の気持ちはまったくなし」と続けた。進学した政策学部は、「政治学、法律学、経済学、組織論など、社会のあらゆることを広く、浅く勉強しました」と控えめに。卒業後は迷わず、現在の所属先、鳴尾ゴルフ倶楽部で研修生となった。

 プロフィールの趣味欄には、ライブ鑑賞となる。ところが、意外な一面が垣間見えた。「乃木坂46の大ファン。ライブにも結構、足を運びます。ひっそりとファンでいることが私のスタイル」と明かす。また、目標の選手は申ジエさんと明記。「確か小学4年生の時に、初めてトーナメント観戦した時から大ファンです。いつもニコニコいるし、攻めのスタイルがすごく格好いい。サインをお願いすると、丁寧に応じてくださって、こういう方になりたいと思った」そうだ。

 ゴルフ歴は20年。春を迎えて、いよいよ勝負の世界で第一歩を踏み出す。ちなみに、昨年末のJLPGA新人戦以外、ツアーの出場歴はない。これからは、見られる立場。ギャラリーの熱視線を浴びることを楽しみにしている。(青木 政司)
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