サッカー日本代表・森保監督が示す現代のリーダー像

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チーム・協会
【これはnoteに投稿された荒尾 康宏さんによる記事です。】
サッカー日本代表の森保一監督のインタビュー記事が日経新聞(1月26日付)「直言」に掲載されました。テーマは、『「できる部下」を働かせる秘訣』です。

最近のサッカー日本代表の成長には目を見張るものがあります。応援している私たちにとって、ワールドカップへの出場はもはや当然のように感じられますが、森保監督が選手だった頃は予選突破すら難しく、日本中が悔しい思いをしていました。

海外でのプレー経験がない、いわば「世界を知らない」森保監督が、ヨーロッパで活躍する選手たちを束ね、結果を残しています。記事には、10代前半から30代までの幅広い年齢層の選手たちを率い、その能力を引き出すための多くのヒントが描かれていました。

森保監督のリーダーシップスタイルには、現代の組織運営にも通じる多くの教訓があります。特に注目すべきは、選手の自主性を尊重し、彼らからのフィードバックを積極的に取り入れる姿勢です。

森保監督は、自分を「完成されたプロ選手を預かる立場」と位置づけています。選手一人ひとりが欧州の厳しい競争を勝ち抜いてきた事実を大いに評価し、自分たちコーチ陣が全てを知っているという前提には立ちません。選手が持ち帰る多様な戦術や知見を吸収し、それをチーム全体の力へと昇華させるアプローチを取っています。

例えば、戦術練習中に選手から「所属クラブではこういった戦術を採用している」といった提案が寄せられることもあるそうです。森保監督はそうした意見を歓迎し、「監督としてのプライド」にとらわれず、より良い選択肢があれば柔軟に取り入れる姿勢を持っています。

また、選手間の序列やポジションについては、徹底的に説明し、納得感を重視する姿勢も特徴的です。「自分の価値、日本の価値を高める」という大目標のもと、個々の選手が持つ向上心や独自性をチーム全体に結びつけています。このような「共通目標を基盤とした自走型のチーム作り」は、多国籍で多様性のある現代の職場にも活用できるリーダーシップの一例と言えるでしょう。

森保監督が大切にしているのは、「とがった個性を持つ選手たちが協力し合うことの強み」です。意見がぶつかり合う場面があっても、それをチーム全体の向上につなげる環境を構築していることが、彼のチームを一層強くする要因になっています。

このようなリーダーシップは、監督の指示にただ従うだけでなく、選手自身が考え、行動する「自律性」を育むものです。それは、組織全体の成長を促し、結果としてワールドカップ優勝という共通目標に向かってチーム全体が一体感を持って取り組む姿勢を築き上げています。

森保監督のリーダーシップは、まず選手を信頼することがベースにあります。ただし、監督としての責任を果たすため、チーム全体のフィロソフィーを守るべき場面では、1人が全体の和を乱す場合には、残りの10人を選ぶと宣言しています。このスタイルは、スポーツの枠を超え、多様な人材を活かす現代の職場や社会のリーダー像にも通じるものがあります。

次のワールドカップが待ち遠しいですね!

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