不甲斐ない自分への思いを爆発させたルーキー。インパクトを残した“第一歩”

【©ジャパンラグビーリーグワン】

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 ディビジョン1の試合が北九州で初めて行われた。満員御礼となる13,251人を集めた試合は、序盤に3トライを挙げた埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)が、粘るトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)を振り切って勝利。開幕5連勝を達成した。

この試合でトップリーグ時代を含む公式戦通算100キャップを獲得した埼玉WKの坂手淳史キャプテンは「スタジアムの雰囲気がすごく良かった。九州のラグビー文化を肌で感じることができた」と、九州のファンの熱量を絶賛。同じく第2節で100キャップを達成したトヨタVのベテラン、彦坂圭克も「またここでプレーをしたい」と述べた。ミクニワールドスタジアム北九州でのD1初開催は、ファンにとっても選手にとっても大成功に終わったようだ。

その中で、この日このスタジアムで第一歩を刻んだ選手がいた。トヨタVのルーキー、奥井章仁。負傷で欠場した姫野和樹に代わって背番号8を着けて先発のピッチに立ち、リーグワンでのファーストキャップを手にした。

「これまで試合に出られなくてすごく悔しい思いをしていたので、その思いを出し切ろうと思った」と奥井。帝京大学で3連覇を成し遂げて鳴り物入りでトヨタVに加入をしたものの、同期の三木皓正に初キャップで先を越されていた。不甲斐ない自分への思いを爆発させた奥井は、2本のスティール(ジャッカル)を成功させるなどインパクトを残した。

試合に勝つことはできなかったが、奥井はファーストキャップの対戦相手が埼玉WKで良かったと振り返る。

「コンタクトが強かったし、どこにスペースがあって、攻めるべき場所も全員が分かっていて、全員が一緒に動いている。自分たちのミスを逃さない反応の速さは想像以上でした。言い方を変えると帝京大学に似ている感じで、相手からするとこんなにイヤだったんだなって」

トヨタVの次代を担うリーダーとしても期待されている奥井。首位をひた走る強豪から学びを得て、北九州の地でプロとしての第一歩を踏み出した。

(斎藤孝一)
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