阪神・淡路大震災から30年。「誰を代表し、誰のために戦うのか」
コベルコ神戸スティーラーズ 山下裕史選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
神戸Sは今季、特別なシーズンを戦っている。
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災。あれから30年のときが経ち、神戸Sは全選手やスタッフが3班に分かれ、『阪神淡路大震災1.17のつどい』に参加。1月16日夕刻、1月17日早朝と夕刻、それぞれ追悼と未来への思いを胸に刻んだ。
チームを率いるデイブ・レニー ヘッドコーチは言う。
「あの場には実際に自分の家族、親族を亡くされて来られている方も多くいらっしゃると思います。自分たちの行動が少しでも、一つでも助けになればと思っています。この街にとってとても大切な行事だと思いますし、参加できたことは本当に素晴らしいことです」
その思いは神戸Sの門をくぐったすべての選手が共有する。神戸出身者も、長く在籍するプレーヤーも、ルーキーも、外国から来た選手たちも──。今節の先発メンバーに入った今村陽良も思いを一つにする。
「1月17日は自分の誕生日ですし、震災があったことはもちろん知っていました。実際どういう状況だったのかはチームに入ってから学びました。街とか、会社とか、僕らのラグビー部を残すために頑張ってくれた人たちのおかげで、いまこうやってラグビーができています。僕が生まれる前に起こった話ですけど、 少しでも力を与えられるようにプレーしたいと思っています」
今節はメンバー外となったが、共同キャプテンを務める李承信の言葉にも熱がこもる。神戸Sは全員で大切な試合への準備と向き合ってきた。
「本当に特別な試合になると思います。選手たちにもいろいろなモチベーションがあって、やっぱり『神戸の街のために』という思いが一番強いです。スティーラーズというチームは誰を代表して誰のために戦うのか、特にこの1週間、チームとしてもそれを強く意識してきました。グラウンドでプレーする姿で、その思いを街の人に感じてもらえればなと思います」
19日、神戸Sは「1.17を忘れずに、記憶を語り継いでいく」ことを強く見つめ、特別仕様のメモリアルジャージーを着用する。デイブ・レニー ヘッドコーチは鋭い視線を飛ばした。
「ホームで、自分たちの家族、ファンの方々、そして、街の人々の前でプレーできる、しかも特別なジャージーを着用した上でプレーすることができます。スペシャルな環境の中で、どれだけのパフォーマンスを出せるかが重要になります」
神戸Sは今節、最後まで勇敢に戦う。
(小野慶太)
【©ジャパンラグビーリーグワン】
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