聖地で奮闘した後輩たちの姿を活力に。同じ舞台での大阪ダービー、勝利で誇りを示す

【©ジャパンラグビーリーグワン】

ディビジョン2の開幕からいまだに勝利がない花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)。首位を走るレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)を東大阪市花園ラグビー場に迎え、“大阪ダービー”に挑む。

「RH大阪に負けると自力での入替戦出場がなくなる可能性がありますから」。向井昭吾ヘッドコーチも背水の陣で挑むことになる一戦に向けて危機感を口にするが、要所に実力のある選手をそろえる花園Lの中で、特にモチベーションを高めるのが、前節の日野レッドドルフィンズ戦でハットトリックの活躍を見せた木村朋也である。

花園Lのエンブレムに刻まれた“1929”の数字は、前身の近鉄ラグビー部が創設された年である。百年近く、大阪を本拠に戦ってきた“老舗”にとって今回のダービーはプライドを示す場でもある。

「相手は首位なのでリスペクトをもたないといけませんけど、負けるような相手でもないと思っています」と木村は秘めた誇りと自信を口にする。

昨季はD1で8試合の出場ながら5トライをゲット。チーム屈指の韋駄天にボールが渡ると、自ずと攻撃のギアが一気に上がっていく。

勝利が必要な大一番に加えて、木村をより燃え上がらせるのは9年ぶりに“ラグビーの聖地”に帰ってきた後輩たちの奮闘である。

今年度の全国高校大会には京都工学院高校が出場したが、木村は前身の一つである伏見工業高校出身。「僕が高校2年で出場したとき以来です。全試合見させていただきました」と3回戦まで進出した母校の戦いぶりを見守った。

特にいまの3年生が1年生だった当時、母校を訪れた木村が指導するなど接点もあっただけに「思い入れのある学年なので出場してくれてうれしかったし、彼らのプレーを見て、初心を思い出させてくれました。花園でプレーしたときの感動が蘇ってきましたね」

あらためて東大阪市花園ラグビー場に立つ喜びとやり甲斐をかみ締めた木村は、花園Lの一員として今節のピッチに立つ。「力関係はどちらが上という思いはありません。ただ、大阪ダービーなので、ここはプライドをもって勝ちにいきます」。

D2で現在最少失点のRH大阪を、切り裂くのは、母校愛にも満ちたこの男だ。

(下薗昌記)
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、ラグビー日本最高峰リーグです。 日本代表選手や海外のスター選手が数多く在籍し、世界トップレベルのラグビーをご覧いただけます。 ラグビーファンの方も、ラグビーの試合をまだ観たことのない方も、ラグビー観戦は決して難しいものではありません! 2024-25シーズンのスローガンは「Welcome to Rugby 世界最高峰の熱狂を一緒に楽しもう」。 お一人さまでも、ご家族・友人と一緒でも、それぞれの「リーグワン」をお楽しみください。スタジアムでお待ちしています!

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント