神戸Sにジョージ・ターナーあり。ホスト最多観衆の前で見せ付けた実力と伸びシロ
コベルコ神戸スティーラーズ ジョージ・ターナー選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
電光石火とはまさにこのことだ。
李承信のキックオフで相手陣地に侵入し、マイケル・リトルがジャッカルに成功する。そして、被ペナルティからラインアウトを得ると、この男に見せ場がやってきた。今季から神戸Sに加入したフッカー、ジョージ・ターナー。スコットランド代表で45キャップを数えるフッカーのスローイングからしかけたドライビングモール。その間わずか2分、最後の仕上げもターナーだった。
「最初にいいプレッシャーに行けましたし、フォワードが全体でハードワークしたからこそのモールトライ。そういう意味でうれしかったですね。ただの‟ごっつぁんトライ”です」
そう味方に感謝し、今季のホストゲームファーストトライを決めた背番号2は笑顔を見せた。タックルの強さ、スローイングのうまさ、随所に見せる質の高さはすでに不可欠の存在感を漂わせる。だが、当の本人は「上々だけど、まだまだ改善の余地あり」と自身を冷静に見つめた。
「自分のパフォーマンス的にはもっともっとできる。もう少しボールに触れたいし、キャリーの回数を増やしたい。それにスクラムがちょっとうまくいっていないけど、隣とのコミュニケーションがうまくとれればもっともっと良くなっていく」
この日集った観客は15,292人。これはリーグワンが始まって以降、神戸Sのホストゲームにおける最多来場者数となる。チームカラーの真っ赤に染まり、歓喜に沸いたスタジアム。歴戦の猛者はどう感じたか。
「最初は圧倒された。『こんなに素敵なファンの皆さんに囲まれて』ということは思っていなかった。集中力を保つことに難しさを感じたほどです。あの空気感の中でプレーできたことはとても楽しかった。忘れないようにしっかり覚えておきます(笑)」
32歳のフッカー、その本領の発揮はまだまだ序の口。それは同時にチームの伸びシロでもあるだろう。ただ、ファンがこれを覚えたことだけは確かだ。
神戸Sにジョージ・ターナーあり。
(小野慶太)
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