特筆すべき数字は、『18』という得点数だ。これは上位の浦和、サンフレッチェ広島レジーナ(1試合未消化)も上回る数字であり、リーグで3番目に多い。開幕前、昨シーズンから上積みを図りたい部分について、キャプテンの脇阪麗奈は、「攻撃」を挙げていた。「昨シーズンはゴールが少なかったことがチームの課題でした。自分も含めて、攻撃の選手はゴールに向かうことが大事。攻撃のバリエーションを増やして、クオリティーも高めていきたい。昨シーズンは、前から奪ってショートカウンターの形が多かったですが、今年はクロスの練習もより行っているので、結果につなげていきたい」と話していたが、ここまで自身もリーグトップの7アシストを記録。アシストの手前のパスやクロスも含め、多くのゴールに関わっている。チームとしても、崩しの質の向上や、セットプレーの工夫が結果に表れている。そして何と言っても前半戦でセンセーショナルな活躍を見せたのが、エースの矢形海優。2度のハットトリックを含む10得点で、堂々得点ランクのトップに立つ。それだけに後半戦はマークが厳しくなることは必至だが、「自分の中では、それは嬉しいこと。マークに付かれてもそこで打開して得点を決めたら嬉しいし、楽しい。成長できるチャンスが増えたと思って頑張ります」とあくまでポジティブにここから先の戦いへ挑む。浦和戦から中3日で迎える皇后杯5回戦・マイナビ仙台レディース戦は、まさに“矢形包囲網”が敷かれる可能性もある。マイ仙台のホームで行われたWEリーグ第8節で見せた圧巻のハットトリックは記憶に新しいだけに、今回の一戦に向け、マイ仙台も気合いを入れて止めにくることは間違いない。それも覚悟しつつ、「今回も得点を取って勝ちます!」(矢形)と意気込みは十分だ。