大阪体育大学体操競技部2024 田部がインカレつり輪V 田部・築山全日本種目別入賞の躍進

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 大阪体育大学体操競技部男子は2024年大きな成果を上げた。田部壮一郎選手(体育学部4年、清風高校)が8月の全日本インカレ種目別つり輪で優勝、築山翔馬選手(体育3年、相生学院高校)がゆかで準優勝、11月の全日本種目別選手権で田部選手がつり輪、築山選手がゆかでそれぞれ7位入賞。インカレ団体でも昨年の9位から6位にステップアップした。藤原敏行監督は「4年生全体で、インカレまでいい雰囲気でクラブを引っ張った」と話す。

田部壮一郎 【大阪体育大学】

【大阪体育大学】

 4月の関西学生選手権で団体総合17連覇、5月の西日本学生選手権で30年ぶり2回目優勝。その勢いで全日本インカレに臨んだ。団体総合は399.958点で6位。個人総合は築山選手が82.431点で4位、田部選手が81.730点で8位。種目別は、田部選手がつり輪で14.066点で優勝。築山選手がゆかで14.400点で2位、跳馬で14.533点で8位に入った。団体では、ミスが出ても他の選手が踏ん張って支え合った。チームが目標に掲げていた4位には届かず、全日本団体選手権の出場権は勝ち取れなかったが、藤原監督は「6位に入り、次年度のインカレで最終班として演技する権利を得たのは大きな成果だ。うちは、数年前は2部のチーム。昨年9位に沈んだ時に選手は『残念だ』と悔やんだが、9位を残念と思えるほどチームの意識は高まっている」と近年の部の成長に手応えを感じている。

築山翔馬 【大阪体育大学】

 体操競技部は田部、築山選手の2本柱が引っ張ってきた。日本のトップ選手がそろう11月の全日本種目別選手権では、田部選手がつり輪、築山選手がゆかで7位入賞した。
 田部選手は今季、試合前に調子を崩すことがあり、全日本インカレも大会直前は不調だったという。藤原監督は「調子が上がりきらない中で、彼なりの努力と積み重ねてきたものがあってこその粘り強さ、結果だった」と評価する。主将として言葉は多くないが、ひたむきに練習に取り組み、背中でチームを引っ張った日々の努力が学生チャンピオンにつながった。
 築山選手は小学生のころから注目された逸材だ。高校生の時、2021年全日本体操種目別選手権のゆかで4位、大学1年の時も全日本インカレのゆかで優勝した。3年生になって後輩を引っ張る立場になり、責任感がより増したという。インカレでの成績が評価され、U21大学生強化選手に選ばれた。藤原監督は「得意のゆかは、世界で戦えるレベルを持っている。日本代表をめざしてほしい」と期待を寄せる。

吉田壮輝 【大阪体育大学】

 体操競技部の近年の好成績の要因として、佐藤寿治強化コーチの存在がある。1988年ソウル五輪団体総合銅メダリストで、2019年から強化コーチに就任した。また、徳洲会体操クラブでパリ五輪金の岡慎之助選手らの指導にも尽力した村田憲亮氏も今年9月、強化コーチに就任した。村田コーチは一方で日本協会男子強化本部長の重責を担う。

 チームはインカレ後新体制となり、唐澤一志選手(体育学部3年、高崎工業高校)が新主将を務める。2月に怪我をして今季は出場できない中で、積極的にコミュニケーションをとってチームをサポートしてきた。唐澤主将の就任後、自主的な学生のミーティングが増えたという。
 唐澤主将は就任が決まった日、部員全員の前で「団体総合で3位になる」と宣言した。藤原監督は「非常に高い目標だが、決して不可能ではない。選手の意識を尊重しながらサポートしていきたい」。チーム一丸でさらなる高みをめざしている。

川口碧雪 【大阪体育大学】

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