セレッソ大阪【J1リーグ第37節 C大阪vs.鹿島】ホーム最終戦は勝利で飾れずも、桜の主将・山下達也が最後の勇姿をピッチに刻み込む

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【CEREZO OSAKA】

1-0で勝利した前節のアビスパ福岡戦から3週間。セレッソ大阪は、今シーズンのホーム最終戦となる鹿島アントラーズとの明治安田J1リーグ第37節に臨んだ。今シーズンをもって退任が決まっている小菊昭雄監督、さらには今シーズンをもって現役引退が発表されている山下達也の花道を飾るため、何としても勝利で終えたい一戦。先発は福岡戦から2人変更。出場停止の田中駿汰に代わりボランチには喜田陽、2トップの一角には第14節以来の先発となる山田寛人が入った。

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立ち上がり、ロングボールを交えて攻勢をかけてきた鹿島だが、セレッソもすぐに反撃。分厚い攻めを仕掛けてゴールに迫る。ただし、そうしたリズムが出て来た矢先、先制点を許してしまう。10分、知念慶のミドルシュートをGKキム ジンヒョンがはじいたところを師岡柊生に押し込まれた。すると立て直す間もなく4分後に2失点目。鹿島のCKをクリアしたボールを柴崎岳に拾われると、ファーサイドへのクロスを鈴木優磨にボレーで合わせられ、ネットを揺らされた。いきなりの2失点で苦しい展開になったが、「ここからは自分たちでゲームをコントロールして、たくさんのチャンスを作ることができた」と指揮官も振り返ったように、セレッソがボールを握り、敵陣で試合を進めていく。22分には鹿島DFのクリアミスを拾ったレオ セアラに決定機も、相手GKの好守に防がれた。その跳ね返りを狙った山田のシュートもクロスバーを越えた。その後もセカンドボールを拾って連続した攻撃を仕掛けていったセレッソは40分にも決定機。喜田を起点にカピシャーバ、為田大貴で左サイドを崩すと、為田の折り返しを収めたセアラが反転してシュート。決定的な形に持ち込んだが、惜しくも枠を外れた。

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2点のビハインドで迎えた後半も、前半終盤の勢いそのままに、最初に決定機を作ったのはセレッソ。進藤亮佑の1本のパスから背後を取ったセアラが巧みなトラップから前を向き、GKとの1対1を作り出して浮かせたシュートを放つ。ここも決定的な形だったが、再びわずかに枠を外れ、天を仰いだ背番号9。続く53分にもセレッソにビッグチャンス。相手のロングボールをクリアした流れから、喜田、ルーカス フェルナンデスとつなぎ、フェルナンデスが縦に突破。中には山田も待っていたが、自らコースを狙ったシュートを放ったが、GKに防がれ得点ならず。57分にもフェルナンデスのシュートがDFにブロックされた跳ね返りを奥埜博亮が狙ったが、ここでもシュートは枠を捉え切れず。2失点後は再三チャンスを作るセレッソだが、相手の壁は高く、どうしてもゴールを割れない。すると、後半の中盤から終盤にかけては鹿島のカウンターを受けてピンチも続いたが、為田や西尾らが懸命にカバー。GKキム ジンヒョンも好セーブを見せ、3失点目は許さない。攻撃では北野颯太、柴山昌也、山﨑凌吾、上門知樹を投入。3人目の動きやミドルシュートも交えつつ、鹿島ゴールをこじ開けにかかるが得点が遠い。

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87分、小菊監督は西尾に代えて山下を投入。この試合が現役選手としてのホームラストマッチとなる背番号23。「ピッチに立って、彼のエネルギーを選手に伝えて欲しかった」(小菊監督)と話す指揮官の思いに応えるように、山下はキャプテンマークを巻いて奮闘。「ヘディングでもっと(バチッと)やりたかったですが、自分の納得いくヘディングはできなかった」と自身は振り返ったが、トレードマークである打点の高いヘディングで相手FWに対応。今できる精一杯のプレーを表現し、チームを盛り上げた。そうした主将の熱量もあり、最後までゴールを目指して戦ったセレッソ。後半アディショナルタイムにはセアラがチャンスを迎えたが、オフサイドもあり、シュートは打ち切れず。反撃の1点は生まれず、0-2で試合は終了した。

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試合後は、ホーム最終戦セレモニーとして森島寛晃社長、副キャプテンの西尾、小菊監督が挨拶。この試合が自身ホームでは最後の采配となった指揮官は、時折言葉を詰まらせながら、感謝の言葉を述べた後、「また会いましょう!」と明るく締めくくった。その後、山下の引退セレモニーも行われ、スタジアムは感傷的なムードに。家族への感謝を述べた際は目に涙を浮かべるシーンもあった。最後は力強く、「このチームがJ1リーグ優勝するために何が必要なのか、選手としては分からなかったことをしっかり勉強して、何らかの形でこのチームを優勝に導きたいと考えています」と話すと、ヨドコウ桜スタジアムが大きな拍手に包まれた。今シーズンもラスト1試合。次節、アウェイでのFC東京戦で勝利を収め、30周年イヤーを締めくくりたい。
(文=小田尚史)
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