【関東大学サッカーリーグ戦】1部復帰2シーズン目は6位フィニッシュ、関東チャンピオンになることの難しさを痛感した1年

日本大学SPORTS
チーム・協会

2024シーズン主将 DF熊倉弘貴(法学部4年/前橋育英/横浜FC内定) 【日本大学サッカー部】

 11月9日(土)に行われた関東大学サッカーリーグ戦1部第21節の明治大学戦では、酒井優希(経済学部4年/東京V・Y)をはじめとするチーム全体の粘り強い守備やGK木村凌也(スポーツ科学部3年/横浜FM・Y)の数多くのセーブもあり、首位明治大学相手に勝点を分け合った日本大学サッカー部。
 翌週、11月16日(土)に行われた第22節の桐蔭横浜大学戦では、ホームグラウンドである稲城の地で最終節を迎えるも勝利を飾ることは出来ず、最終順位を6位とし、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)に備えることになった。

第21節 粘り強い守備により、首位明治大学に無失点で引き分け

 前節は2点のビハインドから、DF齋藤慈英(文理学部4年/仙台Y)の逆転弾もあり劇的な勝利を収めた日本大学サッカー部。今節はアミノバイタルカップでは決勝で敗れ、惜しくも優勝を逃した苦い相手でもある明治大学。大学サッカー屈指の強豪である明治大学に対して、一矢報いることはできるか。

 午後2時、アウェイの明治大学八幡山グラウンドにて明治大学ボールでキックオフ。
 前半20分、右サイドでボールを受けたMF植木颯(経済学部3年/日大藤沢)が攻撃陣にも劣らない推進力で相手二人を抜き去りボックス内まで侵入しシュートを放つも、ゴールにはならず。前半23分、明治大学MF熊取谷選手がサイドでボールを受けたDF青木大和(法学部2年/日本大学)に対して猛烈なプレスをかけ、ボール奪取しそのまま自らゴールを狙うも、GK木村凌也(スポーツ科学部3年/横浜FM・Y)が安定したキャッチングを見せる。

 前半29分、MF熊倉弘貴(法学部4年/前橋育英/横浜FC内定)がFW田中慶汰(経済学部3年/川崎U-18)を狙い、遠目の位置から左足でクロスを上げ、そのボールがポストに当たり、ゴール付近でチャンスが到来するも相手DFに弾かれてしまう。前半41分、明治大学DF稲垣選手がペナルティエリア付近までボールを運び左サイドへ展開。反応したDF大野選手が左足で強烈なシュート。それがゴールバーに直撃し間一髪失点を免れる。

 AT2分、MF植木が相手のパスミスをダイレクトでMF熊倉弘達(法学部4年/前橋育英/ヴァンフォーレ甲府内定)へボールを託し、サイドへ展開。そのボールを引き受けたFW五木田季晋(スポーツ科学部2年/川崎U-18)が右足で強烈なシュートを放つが惜しくも枠には飛ばなかった。この前半、シュート数においては日本大学2本、明治大学3本。この数字からわかる首位明治大学相手に攻撃面そして守備面でも互角の試合をみせた日本大学。アミノバイタルカップでの雪辱をこのリーグ戦で果たせるのか(0-0)。  

 後半14分、FW五木田からFW平尾勇人(文理学部2年/四日市中央工業)へ交代。攻撃に変化をもたらすためにフレッシュな選手を投入する。後半29分、スローインを起点にサイドから崩し、明治大学FW中村選手のバウンドしたクロスをMF島野選手がワンタッチでシュート。GK木村のセービングでCKへ逃れた。立て続け後半31分、バイタルエリアでボールを受けた明治大学MF藤森選手のシュートをMF植木が決死のスライディングで防ぐ。

 後半39分、明治大学がペナルティエリア付近の位置でファールをもらう。グラウンドに緊迫感が漂う中、MF熊取谷選手が右足で強烈なフリーキックを打つも、またも日本大学の守護神GK木村がセービング、この試合で計4回のセーブでチームを救う。

 AT2分、日本大学はMF大久保帆人(法学部2年/前橋育英)に代わり、MF石川晴大(経済学部2年/清水ユース)を投入。終了間際明治大学はペナルティエリアにボールを放り込みゴールを狙うも、日本大学の堅い守備で無失点に抑え試合はそのまま終了した(0-0)。

 チーム全員が一丸となり、関東大学リーグ現在首位の明治大学に引き分けで勝ち点1を奪取したもののリーグ順位は5位から6位に後退。しかし、大学サッカー屈指の強豪である明治大学に対して得点を許さなかった日本大学サッカー部は、シーズンを通して成長できた結果だった。

 センターバックとして起用されたDF酒井優希(経済学部4年/東京V・Y)は、「明治大学さんはリーグ屈指の攻撃力を誇るチームなので、その相手に対していかに失点をしないかというのは守備陣として試合の鍵になると考えていました。相手の攻撃の特徴である前線のスピードを活かした攻撃に対して、90分間集中を切らすことなく守備陣を統率し続けるということは意識して試合に臨みました。」と話し、試合結果に対しては、「後半は押し込まれる展開が続きましたが、失点をしなかったというのは1つ良かった点であると思います。セットプレーなどで得点をする機会もあった中で勝機は十分にあったと思いますが、そこで決めきれず引き分けに終わったのは課題であり、悔しさが残ります。相手の強度の高さや圧力というものはピッチ上でかなり感じましたが、いつものように後方から剥がしていくシーンをもう少し作り出せればよかったなと思いました。」と振り返った。
そして、次節の最終戦に関しては、「次節はリーグ最終節で順位も近い相手なので、必ず勝ってインカレに良い状態で臨めるように1週間良い準備をしていきたいと思います。」と意気込みを示した。

DF酒井優希(経済学部4年/東京V・Y) 【日本大学サッカー部】

第22節 今シーズンの集大成、稲城の地で惜しくも勝利を飾ることは出来ず

 第22節、ホームの日本大学アスレティックパーク稲城 サッカー場にて行われた6位日本大学と7位桐蔭横浜大学の一戦。両校の勝点差はわずか1、そして他会場の結果次第では最終順位を5位に上げ、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)の予選ラウンドを関東会場で行える可能性があったため、“勝点3”が絶対条件となる大事な一戦となった。
試合前のチームミーティングでは、「今シーズンの集大成としてインカレに繋げられるような試合結果にしよう」と全体で目標を再確認し、チーム一丸となって試合に挑んだ。

 前半は桐蔭横浜大学ボールでキックオフ。最初のセットプレーを獲得し、流れにのる日本大学に対し、桐蔭横浜大学も一瞬の隙をついてシュートチャンスを狙う。

 最初に試合を動かしたのは、日本大学。前半15分、GK木村から細かくパスを繋ぎ、途中相手にボールを奪われるもしっかり回収。MF植木の縦パスからFW平尾、FW熊倉(達)へとパスを繋げる。ゴール前まで運び、再びFW平尾がボールを受けると、最後はゴール前で3人もの相手選手を惹きつけながらも冷静にゴールへ流し込み、先制点を挙げる。(1-0)

【日本大学サッカー部】

 この先制点で日本大学が完璧に流れをつかめたと思われたが、その後は激しい攻防戦が続く。日本大学はDF松本大地(危機管理学部3年/帝京長岡)が右サイドの角度のない位置から送り込むボールにMF大久保やMF田中が反応し、シュートチャンスはいくつかあったものの、点差を広げることはできない。そのまま両者譲らず、1点リードで前半を折り返す。(1-0)

 後半は日本大学の耐える時間が続く。湘南ベルマーレ加入予定のFW渡邊選手が裏への抜け出しを試みるも、DF松本の粘り強い守備により、シュートまで持ち込ませない。桐蔭横浜大学の攻撃は止まらず、その1分後、自陣でのミスを見逃さなかった桐蔭横浜大学が一瞬でペナルティエリアに侵入し、最後はアルビレックス新潟加入予定FW笠井選手が右足で決め切る。プロクラブ内定者の猛攻撃を受け、試合は振り出しに戻されてしまう。(1-1)

 しかしその2分後の後半19分、試合は再び動きを見せる。日本大学のCKからDF青木の力強いヘディングが炸裂し、ネットを揺らす。今シーズンはセットプレーからの得点が少ないと分析し、絶対に得点してやるというDF青木の強い気持ちが表されているようなシュートだった。(2-1)

 累積による出場停止でもどかしい想いを抱えた前節を乗り越えたDF齋藤(慈)が「耐えるとこ、耐えるとこ」と味方を鼓舞し、相手の攻撃に抗い続ける中、後半35分に両校が交代選手を投入。点差を広げて勝利を手繰り寄せたい日本大学はFW五木田、FW長谷川皓哉(経済学部3年/明秀学園日立)を使い、追加点を期待する。

 しかしその後も試合は拮抗し、試合はアディショナルタイムに突入。後半48分、MF植木がペナルティエリアでフリーになるも、気持ちが先走ってしまい、ゴール右にそれる。このまま試合が終わると思われた後半49分。MF池田選手のクロスにFW落合選手が反応し、ボールはきれいにゴールネットを揺らす。土半場で再び追いつかれてしまい、残り時間短く、試合終了のホイッスル。(2-2)

 本日得点者のDF青木は「復帰してからはコンスタントに使っていただいていましたが前節のパフォーマンスが良くなかったので、今日の試合はもう一度気持ちを引き締め直して試合に入りました。」と語り、ゴールという形で結果を示した。また、2試合ぶりのスタメン出場で得点を意識して試合に挑んだというFW平尾は「1点差で苦しい状況の中、自分が追加点を奪えず、悔しい想いです。また、ゴール前の質や中盤でのミスなどチームとしても個人としても課題が見えた部分があるのでインカレに向け、しっかり調整していきたいです。」と試合を振り返った。

(左)DF青木大和(法学部2年/日本大学)(右)FW平尾勇人(文理学部2年/四日市中央工業) 【日本大学サッカー部】

 今節も企画班班長の登大也(スポーツ科学部3年/徳島商業)を中心として、さまざまなイベントを企画。来場者プレゼントで選手のメッセージ付きポストカードを配布したり、HTショーではエスコートキッズたちの玉入れが行われたりと、ホーム最終節を「日大らしさ」で彩った。

HTショーの玉入れに参加するエスコートキッズ 【日本大学サッカー部】

 今節で関東大学サッカーリーグ戦、全22試合が終了し、日本大学は関東1部リーグを6位でフィニッシュ。そして、2年連続で全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)への出場権を獲得した。全国の舞台は、12月7日(土)から始まる。
 ここまで応援してくださった皆様に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。引き続き温かいご支援とご声援のほどよろしくお願いいたします。

社会人チームも結果を残した一年となった

 リーグ最終戦の翌日11月17日(日)、社会人チームはKSL市原ATHLETAカップ 決勝トーナメントに出場。予選リーグでは確実に勝点を積み上げ、決勝トーナメントにコマを進めた『日本大学N.』。準々決勝の相手は、21年度卒OB大滝昌広や24年度卒OB栗田悠巨を擁する東京23FCだ。
 前半35、相手にPKを献上し、先制される。その2分後、勢いづいた東京23FCは左サイドからのクロスにMF近藤選手が頭で合わせ、追加点。後半、日本大学N.もシュート数を増やし、巻き返しを図るも試合終了。

 試合後のミーティングでは「ここまで自分についてきてくれてありがとう。まだKSL入替戦があるかもしれないから、そこに向けて頑張っていこう。」と日本大学N.キャプテンの梅原海斗(スポーツ科学部4年/八千代)が涙ながらに語った。上位カテゴリーの結果によって入れ替え戦の有無が決まるという可能性が残る以上、最高の準備をしながら朗報を待つことになった。

選手のコメント

キャプテンとして今シーズン、チームをまとめてきたMF熊倉弘貴(法学部4年/前橋育英/横浜FC内定) 【日本大学サッカー部】

熊倉弘貴(法学部4年/前橋育英/横浜FC内定)

—最終節ホーム戦、どのような想いで試合を迎えたか
今年のリーグの集大成として、「日大らしさ」をだして勝ちたいと思っていました。また、ホームで闘う最後の公式戦なので勝利で飾れるようにのぞみました。

—本日の結果を振り返ってみて
結果、内容、共に納得のできるゲームではありませんでした。ゲームを支配できている時にはもっと得点がほしかったですし、逆の展開ではしっかり守り切らなければいけなかったです。

—関東リーグ全22試合を振り返ってみて
リーグチャンピオンを掲げてのリーグ開幕でしたが、チームとして前進した時間より停滞する時間の方が長かったと思います。改めて、関東1部でチャンピオンになることの厳しさを再確認しました。

—インカレに向けて
インカレまで1ヶ月をきっています。細部にこだわり、最高の形でフィニッシュできるように努めていきます。

今シーズン10得点を挙げ、チームに大きく貢献したエース・熊倉弘達(法学部4年/前橋育英/ヴァンフォーレ甲府内定) 【日本大学サッカー部】

熊倉弘達(法学部4年/前橋育英/ヴァンフォーレ甲府内定)

—最終節ホーム戦、どのような想いで試合を迎えたか
1年生の開幕戦から今回の最終節まで全てのホーム戦に出場してきた中で、さまざまな想いがありました。結果、内容ともに納得のいく試合にしたいと想い試合を迎えました。

—本日の結果を振り返ってみて
あまさが出たなと素直に感じました。苦しい試合であっても勝たせる選手にならならないといけない。

—関東リーグ全22試合を振り返ってみて
リーグチャンピオンを掲げてのスタートだったが、現実はあまくなかった。でも、個人としては、大きく成長することが出来た22試合だった。
選手、学連、スタッフ、他にも関わってくださった方々に感謝したい。

—インカレに向けて
大学4年間の集大成。日本一になれる可能性があるなら、絶対に日本一を目指す。
昨年の悔しさは忘れていない。インカレを「優勝」の2文字でサッカー部を引退したいと思っています。




文責:第21節 森慧太(商学部2年/一宮商業)
   第22節 土井優七(法学部3年/牛久栄進)
画像:日本大学サッカー部 広報班

フォトギャラリー

(左)MF植木颯(経済学部3年/日大藤沢)(右)DF齋藤慈英(文理学部3年/仙台Y) 【日本大学サッカー部】

DF松本大地(危機管理学部3年/帝京長岡) 【日本大学サッカー部】

応援席からエールを送り続ける 【日本大学サッカー部】

KSL市原ATHLETAカップ決勝トーナメント 準々決勝

【日本大学サッカー部】

日本大学N.キャプテンFW梅原海斗(スポーツ科学部4年/八千代) 【日本大学サッカー部】

開幕戦からゴールを守り続けてきたGK長濱北斗(スポーツ科学部4年/青森山田) 【日本大学サッカー部】

【日本大学サッカー部】

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

日本大学は「日本大学競技スポーツ宣言」を競技部活動の根幹に据え,競技部に関わる者が行動規範を遵守し,活動を通じた人間形成の場を提供してきました。 今後も引き続き,日本オリンピック委員会を始めとする各中央競技団体と連携を図り,学生アスリートとともに本学の競技スポーツの発展に向けて積極的なコミュニケーションおよび情報共有,指導体制の見直しおよび向上を目的とした研修会の実施,学生の生活・健康・就学面のサポート強化,地域やスポーツ界等の社会への貢献を行っていきます

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント