セレッソ大阪【J1リーグ第37節 C大阪vs.鹿島】万感の思いで迎えるホーム最終戦。それぞれの思いも胸に、勝利だけを目指して戦い抜く

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【CEREZO OSAKA】

田中駿汰の決勝点で勝利した前節のアビスパ福岡戦から3週間。セレッソ大阪は、今シーズンのホーム最終戦となる鹿島アントラーズとの明治安田J1リーグ第37節に挑む。一つでも上の順位で終えるため、また、今シーズンをもって退任が決まっている小菊昭雄監督、さらには今シーズンをもって現役引退が発表されている山下達也の花道を飾るため、何としても勝利で終えたい一戦だ。

今節に向けて、「ホーム最終戦は、シーズンを通してたくさんの方に来ていただいた感謝を示す試合。出る選手、出ない選手、関係なく、勝利に向かっていい準備をしないといけない。全員で一つになって戦って、勝って終わりたい」と話したのは、若きリーダー西尾隆矢。かつて2021シーズンには大久保嘉人さんのホームラストマッチで87分に決勝点を挙げる大仕事をやってのけたこともあるが、今節もまた特別な思いで臨む。

「アカデミー時代、僕がトップチームの選手で真っ先に格好いいと思った選手が山下さん。実際に一緒のチームになって、プレーだけではなく、ピッチ外の立ち振る舞いも見て、男の中の男というか、男が惚れる感じでした(笑)。本当に色んなことを学ばせてもらいました。このチームにとって、山下さんの存在は凄く大きかった。練習から常に100%以上を出しますし、高め合う雰囲気も作ってくれます。そういう姿勢を見せてくれるからこそ、若手はサボれない。チームが苦しい時に、みんなを集めてミーティングで話してくれた言葉で救われたこともありました」と、背番号23の存在の大きさを語り、「自分も山下さんに認めてもらえる男になれるように、魂を受け継ぎたい。今後は僕ら若い世代がセレッソを引っ張っていかないといけないと思っています」と後継者に名乗りを挙げた。

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今シーズンは終盤に定位置を確保し、来シーズン一層の飛躍が期待される北野颯太には、その来季につなげるプレーをピッチで表現して欲しい。「ホーム最終戦は今年1年の集大成でもあるし、ファン・サポーターの皆さんのためにも、勝って締めたい。その力になれるように頑張りたい」と意気込む。常々、「セレッソの未来を背負う選手」と指揮官からの期待も受けてきた。「小菊さんとできる試合も残り2試合で、ホームでは最後。寂しい思いもあるので、懸ける思いは違う。それをプレーで表現できればと思います」と恩師に捧げるゴールも誓う。鹿島は直近のリーグ戦4試合で1失点と守備は堅い。セレッソとしては、そうした相手の堅守をどうこじ開けるかが問われる。「常に前に、中央を崩すことは、最近は強く求めている。ボランチを基準にビルドアップで運んだ先に、ゾーン3の中央突破。そこは強く求めてきた。クオリティーやイメージの共有が増してきた手応えはある」。直近の2シーズンは攻撃の成長を重点的に取り組んできた。その成果を最後に発揮したい。

現役選手として最後のホームゲームとなる今節に臨む山下は、試合前日はリラックスした表情だった。森島寛晃社長の現役時代のラストゲームなど、過去にも様々なドラマが生まれてきたシチュエーションだが、「自分がピッチに立ちたい気持ちより、チームの勝利が一番だと思っている、僕が知っているヤマちゃんは、そういう選手」と山下の心中を察するのは、山下と同学年で、チームの良い時期も苦しい時期も共有してきたGKキム ジンヒョン。勝利という大きな目標に向かって戦い抜いた先に、最後にどう、ヨドコウ桜スタジアムのピッチを刻むか。

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「勝っている状況で試合に出て、素晴らしい終わり方をして欲しい。セレッソのために戦い続けた選手であり、それにふさわしい終わり方をして欲しい。ヤマをふさわしい形で送り出すこと。それが今節に臨む大きなモチベーション。ファン、サポーターも同じ気持ちだと思うので、当日はいい雰囲気で戦えると思う」とは、山下と同期加入、香川真司の言葉だ。万感の思いで迎える今シーズンのホーム最終戦。これまでクラブのために戦い続けた偉大なCBの勇姿を、しっかりと見届けたい。
(文=小田尚史)
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