【九州電力キューデンヴォルテクス・猿レポ】選手がレポート!プレシーズンマッチ第4節 v 狭山セコムラガッツ戦
試合後レポートを担当させていただきますプロップの猿渡です。
11月23日(土)、プレシーズンマッチ4戦目、(以下、狭山RG)との試合が大分県大分市にあるにある“豊後企画フィールド”で行われました。
花道を走り抜けてグランドに入場していく選手達 【©N.TAKAYAMA】
今回の大分合宿では、「OFF FIELD(プレー外・グラウンド外)」においては常にコミュニケーションを取り続けることをテーマに掲げました。
一方で、「ON FIELD(プレー中・グラウンド内)」では、ヴォルテクスの今シーズンのテーマである BE TOUGHER を徹底することに全力で取り組みました。
この合宿は、普段の練習環境から離れた場所で行うことで、仲間やラグビーとより密に向き合い、ラグビーに没頭できる特別な機会です。
また、今回から新たにベリック・バーンズコーチングコンサルタントをチームに迎え、これまでにない刺激が加わりました。
新加入のベリック・バーンズコーチングコンサルタント 【©N.TAKAYAMA】
メリハリをつけながら、個人として、そしてチームとしてのさらなる進化を目指さなければいけません。
今回の合宿を通じて、私たちは確実に成長の一歩を踏み出すことができたと考えています。
次なるステージで成果を発揮できるよう、引き続き全力でビルドアップしていきます。
今回の対戦相手である狭山RGは昨季までトップイーストリーグに所属しており、今季2024-2025シーズンからリーグワンのディヴィジョン3に加入した新進気鋭のチームです。
新しい風を巻き起こす勢いがあり、今試合も白熱した戦いが期待されます。
狭山RG戦の試合メンバーはこちら
https://www.kyudenvoltex.com/game/p127
《試合内容・結果》
約1週間にわたる大分合宿。
その総仕上げとして臨んだ最終日の試合は、12時ちょうど、会場を埋め尽くす観客の見守る中、狭山RGのキックオフで幕を開けました。
約1年ぶりの試合復帰を果たした児玉 大輔選手【9番 スクラムハーフ】 【©N.TAKAYAMA】
そんな中、均衡を破ったのは狭山RG。
前半17分、ラインアウトから一気に展開したボールを受けた選手が鋭いステップで内側に切り込み、ヴォルテクスのディフェンスを突破。
先制トライを許し、0-7とリードを奪われます。
続く前半26分、ヴォルテクスのパス回しを狙い澄ましたタイミングでインターセプト。
そのままトライまで走り切り、スコアは0-14に。
そして前半終了間際の41分にも追加点を奪われ、スコアは0-21。
ヴォルテクスにとって厳しい展開で前半を終えました。
新たに15分に延長されたハーフタイム。
この時間を活用し、チームは反省点を共有しつつ、戦術の再確認を行いました。
後半こそ、自分たちのラグビーを取り戻すべく気持ちを切り替え、ピッチに戻ります。
試合再開のドロップキックを蹴る松下 彰吾選手【10番 スタンドオフ】 【©N.TAKAYAMA】
このままでは終われないヴォルテクス。
残り時間は約30分、全力で反撃の火を灯します。
控え選手を次々と投入し、フレッシュな力で試合の流れを引き寄せにかかります。
ヴォルテクス待望の初得点は後半19分。
狭山RGのペナルティからラインアウトモールを選択すると、一気に押し込み、16番村川浩喜選手がトライ!
ラインアウトモールでトライを決めた村川 浩喜選手【16番 フッカー】 【©N.TAKAYAMA】
とし、ここから試合の流れが変わります。
続く28分、再び村川選手がラインアウトモールからトライを決め、10-28。
そして31分には、大きく展開したボールを15番竹下拓巳選手が足で巧みにトラップし、そのままトライ。
さらに37分、今度は近場での連続アタックから22番山添圭祐選手が走り込み、4トライ目を奪取。
スコアは22-28、一気に6点差まで詰め寄ります。
逆転のチャンスは目前。
しかし、最後は狭山RGが巧みに時間を使い、試合終了。
最終スコア22-28で試合は幕を閉じました。
勝利には届かなかったものの、後半の怒涛の追い上げはチームの底力を示すものでした。この試合の経験を糧に、さらなる成長を目指します。
《個人的見解と次戦に向けて》
今回の試合では、前半における課題が浮き彫りとなりました。
特に立ち上がりから相手に主導権を握られ、自分たちのペースをつかむ前に大きな点差をつけられてしまったことが悔やまれます。
しかし、後半に見せた怒涛の追い上げは、チームの底力や粘り強さを表すことができたのではないかと考えます。
一人ひとりが責任を持って役割を全うし、最後まで諦めない姿勢が生んだ連続トライは、確実に次戦へとつながるものだと思います。
約1年ぶりの試合復帰を果たした中尾 康太郎選手【23番 スクラムハーフ】 【©N.TAKAYAMA】
この強みをさらに磨きつつ、試合を通して安定して力を発揮できるように取り組んでいきたいです。
また、今回の試合でヴォルテクスのペナルティ数が80分間で「たったの2回」だったことは驚異的です。
私自身のラグビー経験の中でも前例がなく、これまでチーム全体で「規律」を徹底してきた成果が見事に現れたと感じます。
この結果は、全員が高い意識を持ち、結束してプレーした証です。
勢いのあるキャリーで突破をする大野 和真選手【19番 プロップ】 【©N.TAKAYAMA】
チームの目標に向かって全員でコミットし、今回の反省を活かして、試合の序盤から自分たちのペースで主導権を握り、次戦以降も勝利をつかむために全力を尽くします。
《今週の個人的Pick up Player》
今回私が選ぶPick up Playerは、狭山RG戦でゲームキャプテンを務めた山田有樹選手(以下、山田選手)と負けん気と堅いディフェンスが売りの中靍憲章選手(以下、中靍選手)をご紹介します。
最初に紹介するのは、チームメイトの山田章仁選手と同じ「山田」姓のため、「じゃない方」として知られる山田有樹選手。
名前でどうしても引き合いに出されがちですが、実力は確か。
むしろそのユニークなキャラクターで、ファンからは「じゃない方」ではなく、完全に個性派として愛されているとかいないとか。
【©N.TAKAYAMA】
https://www.kyudenvoltex.com/player/316
大阪府出身、常翔学園から同志社大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した山田選手。
持ち前の強い気持ちと高いワークレートで、彼は入団から着実に頭角を現し、2019-2020シーズンから2023-2024シーズンまでキャプテンを務めました。
キャプテンを離れた今もなお、チームを引っ張るその姿や言葉は、変わらずにチームの鼓舞となっています。
何かを求められれば全力で応え、笑いを求める姿勢にも妥協はなし。
ギャグでスベったって、その強い気持ちで挽回しようとする、その姿勢にみんなが惹かれます。
「無理しないでね」と言っても、山田選手に無理なんて無いのかもしれません。
そして実は現在、婚約中とのこと。
好きな言葉は「奥さんの手料理」。
気が早いですが、まさに前向きな姿勢が表れた一言です。
休日は温泉やサウナでリフレッシュすることが多いとか。
料理に温泉、これで最近の肌艶が納得です。
そして、ファンへの一言をお願いしたところ、山田選手は「今ならまだチャンスありますよ!」と、笑っていいのか悩む冗談を飛ばしてくれました。
本人も知らず知らずのうちに、ファンの心を引き寄せる魅力満載です。
何事にも全力で突き進む山田選手。
これからの活躍にも、注目せずにはいられません!
次に紹介するのが中靍憲章選手。
【©N.TAKAYAMA】
https://www.kyudenvoltex.com/player/334
福岡県出身、福岡高校から筑波大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した彼。
実は私と同期で、大学時代には何度も対戦しました。
卒業後も、私がヴォルテクスに加入する前は、何度も試合で火花を散らし合いました。
そして今、同じチームの一員として肩を並べることができる、まさに戦友です。
この絆は、簡単に言葉では表せません。
さて、中靍選手といえば、ヴォルテクス加入3年目となる2015-2016シーズンから2022-2023シーズンまでキャプテンを務めた、頼れるリーダーでもあります。
当時、ヴォルテクスは共同キャプテン制を採用しており、山田選手とともにチームを引っ張っていました。
彼のキャプテン像はまさに“行動で示す”タイプ。
普段は寡黙ながらも、時には厳しい言葉でチームを叱咤激励。
その姿勢には誰もが頭が下がります。
特にCTBというポジションで、速くてパワフルな相手に真正面から挑む姿勢は圧巻。
痛みを恐れず、タックルで相手をねじ伏せるそのプレーには、多くの仲間が勇気をもらっています。
そんな頼れる中靍選手ですが、実は趣味が「趣味探し」というくらい、これ!というものがないとのこと。
でも話を聞けば、最近は家庭菜園や無水カレー作りに夢中で、さらに食べログで気になる店をリストアップするのも楽しんでいるとか。
いやいや、「趣味めっちゃあるやん!」とツッコミたくなりますが、本人曰く「無趣味」。
そして自分の性格を一言で表すと「無味無臭」と語る彼ですが、正直なところ、クセ強めのスパイスを感じます。
今後も彼の興味を引きそうなことや新たなハマりものをどんどん提案していきたいと思っています。
そんな中靍選手のプレーからも目が離せません!
《最後に》
次のプレシーズンマッチ第5戦は、11月29日(金)に大阪府にある「東大阪市花園ラグビー場〜第2グラウンド」で花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)と対戦予定です。
花園Lは前シーズンまでディビジョン1に所属し、各国代表クラスの選手を多く揃える強豪チームです。
その強みは、フィジカルとスピード、高い個人スキルを活かした広い展開のラグビー。
今試合も間違いなく厳しい戦いが予想されます。
勢いのあるプレーで何度も相手ディフェンスを突破しチームに勢いをもたらしたチャーリー・ワージントン選手【26番 フルバック】 【©N.TAKAYAMA】
自分たちの強みをどれだけ相手にぶつけられるか、それが勝負の鍵を握ると確信しています。
プレシーズンマッチも残り2試合。
これまでの試合を通してチームとして確実に成長していることを実感しています。
この成長をさらに加速させ、まずは目の前の一戦に全力で挑みます。
愚直に勝利を目指し、自分たちのラグビーを貫いて戦い抜きます!
【©N.TAKAYAMA】
『猿渡 康雄ってどんな人?』
と思われる方もいらっしゃるかと思いますのでこの場を借りて私のInstagramのURLを貼らせて頂きたいと思います。
興味のある方はぜひチェック&フォローをお願いします!
https://instagram.com/saruyasu?igshid=NGVhN2U2NjQ0Yg%3D%3D&utm_source=qr
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