九州電力キューデンヴォルテクス・猿レポ】選手がレポート!プレシーズンマッチ第3節 v東芝ブレイブルーパス東京戦

チーム・協会
初めましての人もこんにちは。
試合後レポートを担当させていただきますプロップの猿渡です。

11月9日(土)、プレシーズンマッチ3戦目、東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)との試合が鹿児島県にある“鹿児島県立サッカー・ラグビー場”で行われました。

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

BL東京は、前節で対戦したリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)と同じディビジョン1に所属し、昨季2023-2024シーズンのリーグワン王者でもあります。

今回、BL東京は鹿児島県での合宿の締めくくりとして、我々ヴォルテクスと対戦することになりました。

ヴォルテクスとしてもBR東京戦からの反省点をふまえ、これまでの練習でどれだけプラスの積み重ねができたかを試す絶好のチャンスです。
ディビジョンのカテゴリーこそ異なりますが、互いのプライドをかけた一戦に、観客たちは期待に胸を膨らませ、会場は熱気に包まれています。
「九州のチームが九州の地で負けるわけにはいかない」という強い気持ちのもと、試合開始の笛が吹かれる瞬間を待ちながら、着々とキックオフの準備が進められていきます。

BL東京戦の試合メンバーはこちら

https://www.kyudenvoltex.com/game/p126



《試合内容・結果》


季節は11月、秋の深まりとともに長かった残暑もようやく終わりを迎えようとしているこの日。
天気は雨の予報でしたが、何とか持ちこたえ、観客の熱気と期待に包まれた会場で、12時にキックオフの笛が高らかに鳴り響きました。

先制トライを奪ったのはBL東京。
前半3分、ヴォルテクス陣内ゴール前でのスクラムから、得意のフィジカルを活かした連続アタックで一気に裏へ抜け出し、先制点を許してしまいます。
続く前半10分にもヴォルテクスのペナルティからBL東京がシンプルながら力強い攻撃で追加トライ。
スコアは0-14とされ、試合の立ち上がりはBL東京に主導権を握られる形に。
それでも、ヴォルテクスは昨季の王者に容易にやられるわけにはいきません。

反撃の狼煙を上げたのは前半15分。
BL東京からペナルティを得たヴォルテクスは、自慢のラインアウトモールで果敢にトライを狙います。
膠着状態が続く中、10番・喜連航平選手が相手ディフェンスの隙を見逃さず、モールに集中する相手を尻目に裏の空いたスペースへ絶妙なキック。
12番・古城隼人選手が走り込み、そのままトライを決めてスコアは7-14とします。

トライを決めた古城 隼人選手【12番 センター】に駆け寄る選手達 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

勢いに乗るヴォルテクスは前半24分にも相手ゴール前でペナルティを獲得し、スクラムからアドバンテージを活かした展開。
13番・サム・ヴァカ選手が鋭いステップで相手をかわしてトライを奪います。
さらに前半34分、長く続けていたモール攻撃が実り、2番・中村元気選手が執念のトライ。
フィジカルの強さで勝ち抜いてきたBL東京に対し、真っ向からフィジカル勝負を挑んでの得点に、会場は歓声に包まれました。

フォワードがモールを一気に押し込みトライを決める中村 元気選手【2番 フッカー】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

試合の立ち上がりでこそリードを許しましたが、その後は3連続トライで21-14と逆転して前半を終えました。

相手のディフェンスを引き裂き前に出るチャーリー・ワージントン選手【31番 フルバック】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

後半はインパクトメンバーとの交代でフレッシュな選手たちが続々と投入され、さらなる勢いを保ちながらプレッシャーをかけ続けていきます。

しかし、後半5分にBL東京が再び先制トライを奪いスコアは21-19。
ヴォルテクスは26番・トム・テイラー選手の自陣からの爆裂ロングキックで一気にチャンスを得ると、後半14分に16番・村川浩喜選手が得意のラインアウトモールでトライを奪い26-19とします。
続く後半20分にも再びラインアウトモールで23番・山田有樹選手が押さえ、33-19とリードを広げました。

しかし、ここからが昨季王者の意地。
後半23分、BL東京がギアを上げ、ボールを左右に大きく動かし連続攻撃。
大外のスペースにキックパスを通されトライを奪われ、さらに後半33分にも追加点を許し、スコアは33-33の同点に。
会場の緊張感が高まる中、次のトライが勝利を決するという状況で、一進一退の攻防が続きます。

華麗なステップで相手を抜き去る加藤 誠央選手【15番 フルバック】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

そして迎えた試合終了間際の後半40分。
BL東京ボールのスクラムから一気に自陣ゴール前まで迫られ、連続アタックを防ぎ切れず、最後にトライを許してしまいます。

ラストワンプレーのチャンスも追加得点を奪えずそのままノーサイドの笛が鳴り響き、スコアは33-40。
惜しくも敗戦という結果に終わりました。


《個人的見解と次戦に向けて》

今回の試合では、開始早々に相手にリードを許してしまったことが反省点として残ります。BL東京のフィジカルの強さに対し、最初は受けに回ってしまい、相手に流れを掴ませる原因になりました。
しかし、その後は持ち味であるラインアウトモールでのアタックや、バックスが息を合わせてトライを重ねることができたのは大きな収穫です。
特にフィジカルを武器とする相手に対して、モールからのアタックで確実に得点を重ねたことは、自分たちの成長を感じられる内容だったと考えています。

何度もラインアウトモールで相手のトライラインに向かって攻めるフォワード達 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

一方で、後半に一度リードを広げた後、守りに入らず攻撃を続けるべき場面で相手の反撃に対応しきれなかったことも、今後の課題です。
最後に試合を締めくくるための集中力や、僅かな隙を作らないよう、更なるディフェンス力の向上とより良いコミュニケーションを増やしていきたいです。

次回の試合に向けては、今回の反省点を踏まえつつ、前半から主導権を握り、自分達のリズムを作っていきたい。
ペナルティの数を減らし相手に流れを渡さず、持ち味であるフィジカルとスピードを武器に最後まで攻め続ける姿勢を貫きたいと考えています。
今後も自分たちの成長を確かめながら、一戦一戦を大切に戦っていきます。
次の試合では、より一層の進化を遂げたヴォルテクスの姿をお見せできるよう、チーム一丸となって準備を進めてまいります。


《今週の個人的Pick up Player》


今回私が選ぶPick up Playerは、怪我からの長いリハビリを経て今回の試合で復帰を果たした2人、髙屋直生選手(以下、髙屋選手)と齋藤剛希選手(以下、齋藤選手)をご紹介します。

まず最初に紹介するのは髙屋選手。

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

プロフィールはこちら。
https://www.kyudenvoltex.com/player/337

福岡県出身、福岡高校から筑波大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した彼。
数ヶ月のリハビリを経て今回のBL東京戦で今季の初試合出場を果たしました。
今試合でも要所要所でタックルを決め相手のチャンスを何度も潰して活躍していました。

そんな彼はバックスのポジションということもあって、フォワードの私とはまるで正反対の見た目です。
スピードと負けん気が持ち味で、スタイルも抜群。
クールな印象なのに、実は料理が得意で、週末や時間のある時には旬の食材で作り置きまでしてしまうという、素敵なパパという一面も持っています。

料理好きという点ではすごく親近感が湧くんですよね。
ただ、私は「誰かのため」というより、もっぱら自分が食べるためなんですが…。
もしかして、スタイルの違いってここに原因があるのかも…?

さらに彼は英語も堪能で、外国人選手とも通訳なしで自分の言葉でやりとりしています。
ラグビー以外の目標に「英会話の上達」を掲げている高屋選手ですが、すでに英語でスムーズに話せるように見える彼の「上達」って一体どんなレベルなのか…と、気になります。

言葉の壁を越えて、自分の言葉でしっかりコミュニケーションが取れる姿って、本当にかっこいいですよね。私も見習って、少しずつでも勉強を始めてみようと思います。
そんな彼の姿、今後のプレーにも要注目です!!


次に紹介するのが約1年ぶりの実戦復帰となった齋藤選手。

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

プロフィールはこちら。
https://www.kyudenvoltex.com/player/336

齋藤選手も高屋選手と同じ福岡県出身で、筑紫高校から明治大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入しました。
長いリハビリ生活を経て、約1年ぶりの復帰戦。
このBL東京戦を前に、彼は少し緊張した表情をしていましたが、試合が始まればその様子はどこへやら。
得意の走りで相手にどんどんプレッシャーをかけ、アタックでもディフェンスでもとにかく「前へ」という気持ちが全開です。
相手の体をを何度も「くの字」に折り曲げるような激しいタックルを決めていました。
トレードマークのように前腕を覆うテーピング、実はあれ、彼のハードなタックルの衝撃から皮膚を守るための“プロテクター”なんじゃないかと密かに思っています。

試合後、「久しぶりの試合、どうだった?」と聞くと、彼は「楽しかったけど、とにかく疲れました」と苦笑い。
それもそのはず、長い実戦ブランクを経て、強度の高い試合に挑んだわけですから、そりゃあヘトヘトにもなりますよね。
それでも、試合中は全くそれを感じさせず、ひたすら前進する姿勢には、私も見習うべきところがたくさんあるなと感じました。

彼の趣味はなんとゴルフ。
ドライバーで豪快にかっ飛ばすのは得意ですが、アプローチなどの繊細なプレーは少々苦手とのことです。
ラグビーでもパワフルなプレースタイルが特徴の彼らしいエピソードかもしれませんね。
ちなみに、ベストスコアは105。
のびしろしかないですね!

シーズン開幕に向けて、ラグビーのプレー強度も、ランも、タックルも、もちろんゴルフのスコアもどんどん磨きがかかることでしょう!
これからの齋藤選手、要チェックです!


《最後に》


次のプレシーズンマッチ第4戦は、11月23日(土)に大分県にある「豊後企画フィールド」で狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)と対戦予定です。

狭山RGは昨季までトップイーストリーグに所属しており、今季2024-2025シーズンからリーグワンのディヴィジョン3に加入した新進気鋭のチームです。
新しい風を巻き起こす勢いがあり、次節も白熱した戦いが期待されます。

ヴォルテクスは11月17日から、次の試合会場である大分県・豊後企画フィールドにて約1週間の合宿を行い、合宿の締めくくりとして狭山RGと試合を行う予定です。
プレシーズンが始まって3戦の対戦を重ねる中での反省点を踏まえ、今回の合宿を通してさらなるレベルアップとチームとしてのビルドアップを目指して日々の努力を重ねていきます。

また、合宿期間中には練習公開日も数日予定されていますので、この機会にぜひ足を運んでいただき、皆様の熱い応援で選手を後押ししていただければ嬉しいです。

練習公開の日程と時間はキューデンヴォルテクスのホームページやSNSでご案内しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

私たちヴォルテクスと共に、九州をさらに盛り上げていきましょう!


【©九州電力キューデンヴォルテクス】

ぜひ会場にて引き続き皆様の熱い応援の程、宜しくお願いいたします!


『猿渡 康雄ってどんな人?』
と思われる方もいらっしゃるかと思いますのでこの場を借りて私のInstagramのURLを貼らせて頂きたいと思います。

興味のある方はぜひチェック&フォローをお願いします!

https://instagram.com/saruyasu?igshid=NGVhN2U2NjQ0Yg%3D%3D&utm_source=qr
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著者プロフィール

国内最高峰のラグビーリーグ「リーグワン」に所属するラグビーチーム。九州全域(全県)をフレンドリーエリアとし活動しています。

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