マイ仙台戦は、INAC神戸レオネッサとのカップ戦から中2日のアウェイという厳しい日程での一戦となったが、選手たちはそうしたハンディを感じさせない戦いぶりを披露。開始4分、脇阪麗奈のパスから背後を取った矢形が仕留めて先制に成功すると、35分にはセットプレーから再び矢形が決めて2点目。後半は相手の選手交代もあり、押し返される時間帯こそあったが、クロスバーにも救われながら無失点でしのぐと、86分に矢形が試合を決定付ける3点目。自身2度目となる古巣のホーム凱旋で大きな仕事をやってのけた。今季で4シーズン目を迎えるWEリーグだが、1シーズンの中で2度のハットトリックを達成した選手は今回の矢形が初めて。今節に向けた練習後、その事実を耳にした背番号11は、「嬉しいですね(笑)」と頬を緩めつつ、「まだまだシーズンは続きますし、まずは目標にしてきた二桁得点をホームで達成したい」と決意。「簡単に取れるモノではないですが」と前置きした上で、あと1点に迫った“大台”を「ヨドコウ桜スタジアムで達成したい」と誓った。そうした頼もしきストライカーについて鳥居塚伸人監督は、「点を取れるポイントを知っている選手」と評しつつ、「そこに入って行く回数をチームとしてもっと増やすことができれば、さらに矢形の得点も伸びると思いますし、他の選手が取るチャンスも増えていくと思います」と語り、チーム全体としてさらに質の高い攻撃の回数を増やしていく重要性を述べた。今節の対戦相手、AC長野は前節のノジマステラ神奈川相模原戦では、優勢に試合を進めて2度リードする展開に持ち込みながら、その都度、追いつかれ、最後は逆転負けを喫している。3失点の内訳を見ると、2つがPKであり、今節に向けて守備の徹底を図ってくることは間違いない。そうした相手からでも狙いを持った攻撃でゴールを奪うことで、チームとしてさらに自信を深めていきたい。