PONOS NAKAJIMA RACING 予選/決勝レースレポート【全日本スーパーフォーミュラ選手権 第8戦,第9戦鈴鹿大会】

SUPER FORMULA/SFgo
チーム・協会

山本尚貴のSUPER FORMULAでの最後の勇姿に注目が集まる

【PONOS NAKAJIMA RACING】

いよいよ最終大会を迎えるSUPER FORMULAは、前回大会に続き2レース制で行なわれ、土曜に第8戦の、日曜に第9戦の予選と決勝が行なわれる。第7戦では山本尚貴、佐藤蓮ともに2台揃ってポイントを落とし、チームにとってはこの最終大会では今シーズンの集大成を見せるレースをしたいところ。なお、3度の年間チャンピオンを獲得し、2021年からNAKAJIMA RACINGに所属する山本尚貴が、この大会をもってSUPER FORMULAを卒業することが発表されており、最後のこの2戦に大きな注目が集まる。

第8戦予選/山本尚貴、佐藤蓮ともに上位グリッドを獲得

土曜日は快晴で第8戦の公式予選が始まる頃には気温 15℃というコンディション。Q1はA グループの山本は 2 番手でQ1通過、Bグループの佐藤はアタック中に赤旗が出るアクシデントが発生したものの、冷静に残り3分という時間でアタックを行ない3番手でQ2へ進出を決めた。Q2では山本が6番手、佐藤が3番手とそれぞれ上位グリッドから決勝を戦うことになった。

第8戦決勝/山本はポイント獲得も佐藤はリアタイヤが外れるアクシデントに

【PONOS NAKAJIMA RACING】

31周回の決勝は予定より10分遅れでスタートを切る。スタートでフロントローのマシンにトラブルがあり、それぞれ 1つずつポジションを上げてオープニングラップを終える。5周目に山本は1つポジションを落とすが、ペースが上がらないなかでも懸命に周回していく。順調に走行していた佐藤は11周目にピットインを行なったが、ピットを離れたところで左のリアタイヤが外れてしまい、マシンを降りることに。一方の山本は佐藤の翌周にピットイン、タイヤ交換を終え15番手でコースに戻る。そこからセーフティカーが2回入るアクシデントがあったが、徐々にポジションを戻し7位フィニッシュとなり、ポイントを獲得した。

コメント 総監督 : 中嶋悟

【PONOS NAKAJIMA RACING】

「予選は2人とも頑張っていいポジションを得ることができました。決勝では、佐藤はいい走りをしていたところ、ピット作業ミスでレースを終えてしまいました。山本については、ピットのタイミングで数台に前にいかれてしまい悔しい結果となりました。明日が今シーズン最後のレースになるので、誰も悔いが残らないレースになるよう全員でベストを尽くしたいです」

監督 : 伊沢拓也

「佐藤選手はフリー走行の流れから予選に向けて良くなっていく方向でした。赤旗が出たことも僕たちにとってはいい風が吹いたし、Q2でもいい走りで3番グリッドを獲得してくれました。レースも落ち着いて進めていた中で、彼にとってはおそらく今年一番いい流れだっただけに、チーム側の作業ミスでリタイアという結果になってしまったことは、監督として本当に申し訳なく思っています。ドライバーの先輩としては、こういう場面はやっぱり出てくるので、気持ちを切り替え、明日は今日以上に集中してレースに臨む、そういう切り替えができたらいいなと思っています。山本選手に関しては、レースペースが想定より厳しく序盤に少しポジションを落としてしまい、ピットのタイミングも結果的には順位を下げる形になったので、その判断はチームとしては失敗だったと反省しています。2台揃って予選ではいい状態だったので、気持ちよく終えられるシーズン最終戦にしたいです」

#64 : 山本尚貴

「昨日のフリープラクティスはトップで終えることができましたが、あの時のラップタイムと比べて予選では 1 秒近くタイムが上がりました。フリープラクティスの結果が良かっただけに身動きが取れなかった部分もあり、6番手でチームメイトにも負けてしまい悔しさはありましたが、決勝で追い上げられるポジションではあったので切り替えて頑張りました。ただ決勝も劣勢で、ずっと耐えるレースになってしまいました。チームメイトもピットでのアクシデントがあったし、自分もポジションを落としてしまったので、今日はチームとしてはあまりいい日にはなりませんでしたが、明日はシーズン最終戦で、僕自身も最後のレースになるので、最後はやり切って悔いなく、気持ちよく終えたいです。いつも通りの状態でレースに臨むことを心掛けてはいましたが、今までにないぐらい強くて温かい応援の力をたくさん感じて、頑張る活力になりました。明日は僕も感情が溢れてしまうと思いますが、走り出したらやっぱり行くしかないし、いつも通り「いいレースをしたい」という、今はもうそれだけです。明日はチームのみんなといい仕事をして、笑顔で終えられたら最高です」

#65 : 佐藤蓮

【PONOS NAKAJIMA RACING】

「スタートで 1 つポジションを上げた後、トップにはついていけませんでしたが 3 番手の牧野選手とのギャップは広げることができて、彼にリアクションする形でピットに入ったのですが、ピット作業でミスがあり、リタイアになりました。上位で走るレースが今季は少なく、開幕戦の鈴鹿と前戦の富士ぐらいで、そういった位置で戦う中での緊張感は、ドライバーはもちろんチームのメカニックにも生まれるものです。常にその位置にいることでそういった緊張感のなかで戦えるようになるし、ミスもなくなってくると思うので、チームともよく話し合い、明日に向けて準備して、最終戦を優勝で終えられるように頑張ります」

第9戦予選/2台ともQ2進出、山本は9番手、佐藤は4番手に

日曜日は曇りで前日よりも少し寒い気候となったが、山本の最後のレースを見届けようと朝から多くのファンが詰めかけた。公式予選 Q1 は A グループで山本がトップタイム通過、B グループの佐藤も5番手でQ2へ。そのQ2では、最終戦にふさわしい僅差のバトルとなり、山本が9番手、佐藤は4番手となった。

第9戦決勝/2台揃ってポイント獲得。山本尚貴「中嶋総監督にはたくさんのことを勉強させてもらい本当に感謝しかありません。」

【PONOS NAKAJIMA RACING】

決勝レースは予定通り14時30分にスタートを切る。4番グリッドからスタートした佐藤は1つポジションを落とし、9番グリッドからスタートした山本は2つポジションを上げて1周目を終える。佐藤6周目に前をパスし4番手にポジションを戻し、その順位でピットウィンドウが開く10周を終える。まずは山本が、その翌周に佐藤がピットインを行ない、タイヤ交換を終えコースに戻る。山本はピットレーンで1台をパスし、さらにコース上で前に出たマシンをパスし、ポジションを上げる。半分の15周を過ぎると、佐藤は9番手、山本は10番手を走り、20周を迎える頃には、ピットインをしたマシンの兼ね合いで佐藤は6番手、山本は7番手に。全車がピットインを終えると、佐藤は5番手、山本は6番手へ。そのポジションを守ってチェッカーを受けて、揃ってポイント獲得という内容で最終戦の幕を下ろした。

コメント 総監督 : 中嶋悟

「最終レース、山本がいいスタートを見せてくれ、その後もよく頑張って2台ともポイントを獲得してくれました。これが今の我々のチームの実力だと思いますが、昨年に比べるとチームランキングを上げることができたことは少しホッとしています。1年間いろいろなことがありましたが、無事にシーズンを終えることができ、日頃から応援してくださる皆様に心から感謝しています。来シーズン以降も頑張っていきますので、引き続きご声援をよろしくお願いいたします」

監督 : 伊沢拓也

【PONOS NAKAJIMA RACING】

「予選では 2人ともQ2に進出してくれました。佐藤選手は、昨日の分を取り返すことはできませんでしたが、ドライバーとして高い集中力でレースに臨んでくれましたし、メカニックも2回のタイヤ交換ともにいい仕事をしてくれました。山本選手も、最後まで諦めずにいい走りを見せてくれて、最高の締めくくりにさせてあげることはできませんでしたが、最後の1周まで悔いなく走ったということは伝わってきて、本当にお疲れさまでしたという労いと、感謝の気持ちを伝えたいです。チームとして、作戦面では昨日の反省を踏まえていい判断はできたと思いますが、優勝したドライバーには全くポテンシャルが届いておらず、現状僕たちに勝てる力が備わっていないことも痛感した1戦でした。来年は、シーズンオフのテストから、いい準備をして、今年以上の成績を残せるよう、みんなで力を合わせてやっていきたいです。今シーズンも最後まで応援ありがとうございました」

#64:山本尚貴 「チームとしていい 形で終えることができた」

「予選は、Q1でトップタイムを出すことができ、最後に意地を見せられたと思っています。Q2もポールポジションを狙って頑張りましたが、力及ばず9番手だったことは悔しかったです。決勝レースはスタートでポジションを上げることができたし、ピット作業ではチームにも助けられて、最後は6番手にポジションを上げてゴールできたので、チームの皆さんに感謝しています。最後はリヤがきつくてかなりペースは落ちましたが、それでも最後まで諦めず、蓮と2人で絶対にポイントを持ち帰るんだ、いい形でシーズンを締めくくるんだと思って頑張ったので、揃って入賞できて本当に良かったです。本音を言えば最後に蓮に負けたのは悔しいですが、チームとしていい形で終えることができたと思うし、いいフォーミュラドライバー人生でした。ナカジマレーシングで走ったのは5年間ですが、トップフォーミュラに乗るドライバーとしてのキャリアのスタートと終わりをこのチームで迎えることができて感謝しています。中嶋総監督にはたくさんのことを勉強させてもらい本当に感謝しかありません。15年間、応援していただいて本当にありがとうございました」

#65:佐藤蓮

【PONOS NAKAJIMA RACING】

「予選に関しては昨日ともまたコンディションが違っていて、Q1は結構ギリギリの通過という感じでしたが、Q2に向けては64号車のフィードバックもあって、うまく合わせることができました。トップタイムには遠かったですが、2、3番手とは0,1秒も差がない4番手は、悪い位置ではなかったと思います。決勝は金曜の専有走行から改良したセットアップで臨み、序盤のペースはそれほど悪くはなかったものの、福住選手にスタートで先行されたことで苦しい展開になりました。11周目にピットインしましたが、アンセーフリリースの兼ね合いもあって少し遅れるような形になり、そこでトラックポジションが決まってしまったかなと感じています。優勝した太田選手の速さにはついて行けるような感じではありませんでしたが、福住選手や野尻選手のペースには負けてはいなかったので、そこはポジティブにとらえています。ただ、優勝するにはポテンシャルとして足りていない部分もあると感じたレースでした。それでもシーズンの最終戦としては、2台揃っていいレースができたので、チーム全体としてポテンシャルを出し切れたと思っています。今シーズン、たくさんの応援をありがとうございました」

PONOS NAKAJIMA RACING へのたくさんのご声援をありがとうございました。

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著者プロフィール

SUPER FORMULAは国内最高峰で最速のフォーミュラレースシリーズです。レースに使用する車両やタイヤ・エンジンに性能の差が無い「イコールコンディション」のため、ドライバーの実力やチームの戦略が勝敗につながります。世界的に見てもF1に次ぐ速さをもち、F1に乗るために必要な「スーパーライセンス」が最短2年で取得が可能。それにより、世界の舞台で活躍している名だたるドライバーを輩出している、世界でも注目されているカテゴリーです。公式サイトでは、SUPER FORMULAに関する様々な情報をご紹介いたします。

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