コラム【武士が斬る!】vol.17 色んな想いが詰まった週末、いよいよ今年のチャンピオンが決定。最後にどんなドラマが待ち受けているのか!?
いよいよ今週末SUPER FORMULAの今シーズン最終戦が聖地・鈴鹿サーキットで開催されます。泣いても笑っても、この3日間で今年のチャンピオンが決まります。チャンピオンを争うのは、ランキング6位の山下健太選手まで計算上の権利はありますが、坪井翔選手、牧野任祐選手、野尻智紀選手のトップ3選手に絞られていると言っていいと思います。今季は、坪井3勝、牧野2勝、野尻2勝と、この3選手がすべての勝ち星をあげていることをみても、この3選手の中から2024年の覇者が出ることの可能性が高いことに疑いをもつことはないでしょう。
このトップフォーミュラのチャンピオンというのは、名実ともに日本で一番速いという称号を得ることになります。ドライバーの誰もが 「自分が一番速い」と、それを証明するために、この栄冠を獲りにきているのがSUPER FORMULAの舞台なんですね。それ故、緊張感あふれる素晴らしい走りやバトルが繰り広げられている。
近年はどんどんそのレベルも、意識も高まっているように感じています。それはファンの皆さんが一番に感じていますよね! レースの度に、たくさんのファンの皆さんがサーキットに来てくださる様を見ていると、選手も関係者のみんなも意気に感じ、もっといいレースを見てもらいたいと、自分たちのできることを全力でやろうという気概を感じます。みんなSUPER FORMULAが大好きで、このレースの魅力を知っているからこそ、ファンの皆さんに伝わっていくことに喜びを感じているんです。
そのSUPER FORMULAのチャンピオンは誰になるのか——、皆さんと一緒に見届けたいと思います。
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坪井選手としてはこの富士で連勝してチャンピオンシップでリードを作って鈴鹿に入りたかったことと思います。それは最終ラウンドの鈴鹿では野尻選手・牧野選手のホンダHRC勢が予選からスピードを発揮してくる可能性があると、そう踏んでいるのだと思います。トムスは決勝のスピードは秀逸ですが、予選は決勝ほどのスピードを示してきたとは言えません。ただ第7戦の予選はぶっちぎりのポールポジションを獲得したことで、予選でもトップ争いに絡むことができるか——、そこがまず今週末の焦点になってくるでしょう。
実は第7戦の決勝、坪井選手はペース的には苦しんでいました。それは2位に入った福住仁嶺選手の方が勢いがあると感じていたからです。その福住選手は着実にKCMGチームと共に調子を上げてきていて、トップグループにコンスタントに顔を出す存在になってきました。絶好調の坪井選手に「後ろの方が速いかも」と無線で言わしめるほど、福住選手のプレッシャーを感じていました。今回もしかしたら最後のセーフティーカー(SC)が出なければ、表彰台の頂点に手が届いたかもしれません。レース後、福住選手はそのことを悔しがっていました。でもチームメイトの小林可夢偉選手も第6戦で3位表彰台を獲得して、チーム全体がいい雰囲気になってきているのは間違いありません。ピット作業も今回バッチリ決まり、福住選手・可夢偉選手の連日の表彰台を支えました。“その瞬間”が訪れるまで、もしかしたらそう遠くないかもしれませんね。
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この数年、私たちはそんな風景をたくさん見てきました。SUPER FORMULAに欠かせない選手の、プライドをかけた走りを見守りたいと思います。
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この厳しい選手権で3回のチャンピオンを獲得したことは、まぎれもなく山本尚貴という名前を日本のレース史に残しましたし、何よりも彼の真摯に取り組む姿は多くのファンに感動を与えてくれました。常に全力で、不器用なまでの真っ直ぐさは本当に数々の名場面を私たちに見せてくれましたよね。
SUPER FORMULAから退くと発表はありましたが、まだ山本尚貴のSUPER FORMULAのレースは2レース残っています。この2レース、とにかく山本尚貴らしい走りでチェッカーを受けてもらいたいと、いちレースファンとして願います。ねぎらいは、そのあとです。
最後のチェッカーまで、全力で。そして最高の笑顔を私たちに見せてほしいなと思います。
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今シーズンも本当に素晴らしいレースが繰り広げられてきたSUPER FORMULAですが、最後にどんなドラマが待ち受けているのか——。皆さんと一緒に見届けたいと思っていますので、是非サーキットにいらして頂ければと思います。来られない人もJスポーツかSFgoアプリで!今回の2レースは私が解説をさせて頂きますので、是非ご覧くださいm(__)m
それでは最終戦、みんなが全力を出し切れるように祈っています!
日本のトップカテゴリーで活躍したレーシングドライバーとして活躍。プライベートチーム「つちやエンジニアリング」のチームオーナーでもある。現役を引退した現在は、ドライバー・エンジニア・メカニックの育成に務め、モータースポーツ界に大いに貢献し多方面で活躍している。
土屋武士 オフィシャルアドバイザー 【JRP】
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