JBCデーは一発逆転できるか?堅い決着多いも、馬体重と枠に2歳ならではの傾向/佐賀・ネクストスター佐賀データ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

2023年ネクストスター佐賀優勝ウルトラノホシ 【撮影:佐賀県競馬組合】

ネクストスター佐賀(2歳、ダート1400m)
11月4日佐賀12レース 19時15分発走予定


JBCデーの最終レースに組まれるネクストスター佐賀。昨年から全国の地方競馬場で行われるようになった「ネクストスター」シリーズの一戦で、1着賞金は高額の1000万円を目指し、地元の素質馬たちが顔を合わせる。
ここでは当レースと同距離で行われる九州ジュニアチャンピオンの過去7回(※)や、同舞台の佐賀ダート1400mのデータを元に分析する。

※過去7回:九州ジュニアチャンピオンが1400mで施行されるようになった2018年~2024年(2021年は3着同着)

佐賀ダート1400mデータ期間:2021.11.1~2024.10.31

1番人気馬次第では一発逆転!?

JBCデーに一発逆転できたら理想的なのだが、実際には堅い決着に収まりやすいのが2歳重賞。九州ジュニアチャンピオンの過去7回でも3連単5000円未満は5回に上る。
一方で、1番人気が4着以下に敗れるなどした場合は3連単万馬券となっており、中でも2018年は6番人気→2番人気→9番人気の順で40万9500円と、まさに“一発逆転”な配当だった。

単勝人気別成績(九州ジュニアチャンピオン過去7回) 【表1】

牝馬が強い2歳重賞

今年の出走馬12頭中10頭が牝馬と、2歳重賞では牝馬が多い。九州ジュニアチャンピオンの過去7回でも牝馬の方が出走頭数が多く、6勝を挙げる。ある調教師は「2歳秋など早い時期は小柄な牝馬の方が仕上げやすい」と話しており、そのあたりとの兼ね合いもありそうだ。

性別別成績(九州ジュニアチャンピオン過去7回) 【表2】

「小柄な牝馬の方が仕上げやすい」のデータ裏付けは?

前述の調教師の証言から、馬体重別の成績を見てみると下表の通り。3着内率まで範囲を広げると400kg台後半の馬が好成績だが、勝率では400kg台前半が13.3%。過去7回中4勝を挙げる。

馬体重別成績(九州ジュニアチャンピオン過去7回) 【表3】

昨年までの勝ち馬は460kg以下

勝ち馬の馬体重は下表の通り。最も軽量馬は2020年シュリーデービー(牝)で401kg。昨年は牡馬のトゥールリーが勝ったが、それでも444kgだった。ただ、今年は牝馬のミトノドリームが勝ち、474kg。当レースでもミトノドリームが連勝を伸ばすか。

勝ち馬の馬体重(九州ジュニアチャンピオン過去7回) 【表4】

スピードの違いで逃げ切り勝ち

ここからは九州ジュニアチャンピオン過去7回に加えて、当レースの舞台となる佐賀ダート1400mの傾向も見ていこう。
まずは脚質別成績から。佐賀ダート1400mとしては逃げの勝率23.9%、3着内率50.4%なのが、九州ジュニアチャンピオンになると37.5%と75.0%にグンとアップする。2歳戦ではまだ各馬の脚質が定まりきっていない一方で、能力の高い馬は序盤からスピードの違いで逃げ・先行する形になる、というのはままあるケース。それが逃げの勝率の高さに繋がっているのだろう。

脚質別成績 【表5】

好枠は6番

2歳馬はキャリアの浅さから砂を嫌がったり、内で包まれると力を出しきれない馬も多いが、馬番別成績でも内枠の勝率は良くない(青色)。九州ジュニアチャンピオン過去7回では6番枠が3勝を挙げており、好枠になっている。
佐賀ダート1400mとしては極端な枠の有利不利はなさそうだ。あとは、11月1日付記事「いよいよJBC!佐賀の馬場傾向は?実は最近、砂を追加していた/佐賀・大恵総合研究所レポート」(下記リンク)に記したように、いつも以上に内の砂が2頭分、深くなっていることがどう影響するかだろうか。

馬番別成績 【表6】

データからの推奨馬は?

①1番人気
②牝馬
③できれば460kg以下
④逃げ馬
⑤6番枠だとなお良し


ミトノドリームは九州ジュニアチャンピオンを5馬身差で快勝。スタートこそひと息で中団からとなったが、内で揉まれたり砂を被っても問題なく、勝負所からいい末脚を見せた。デビューから2戦2勝で、おそらく1番人気に支持されるだろう。昨年のネクストスター佐賀は九州ジュニアチャンピオン上位4頭の順番が入れ替わるのみで顔ぶれは同じだったことを考えても、九州ジュニアチャンピオンの走りは当レースにも繋がる。①②に当てはまる。

九州ジュニアチャンピオン2着のポリスヴィークルはその後、カペラ賞(1800m)で重賞制覇。序盤からいいスピードを持った馬で、逃げ切り勝ちだった。勝負所でやや反応が鈍そうな面は見せるが、展開次第で押し切る可能性も。②③④に該当。

⑤の好枠の6番枠には2勝を挙げる牝馬・パームビーチが入った。

第2回ネクストスター佐賀 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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