【PLAYBACK PARIS】パリで躍動した日本代表選手が語ったパラリンピックの可能性
【photo by Hiroyuki Nakamura】
2016年以来の有観客大会となったパリパラリンピック。会場は大いに盛り上がり、日本代表選手たちも「地響きがしていて驚いた」(陸上競技・中西麻耶)と語るほどだった。
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大歓声が響いた陸上競技会場 【photo by Hiroyuki Nakamura】
悲願の金メダルを獲得した車いすラグビーの池崎大輔は、「心身ともに強くなれる、また世界が1つになる、それがパラリンピック」と強調。男子個人ロードタイムトライアルで7位入賞を果たした自転車競技の藤田征樹は、「見てくださった方が、パラリンピアンの姿から何かを感じていただけたら」と大会の影響力について期待を寄せた。
小田凱人「試合をすれば全部丸く収まる」
小田は試合をShowと表現し、勝つだけでなく魅せる試合にこだわった 【photo by Takamitsu Mifune】
「ダイバーシティとか共生社会とかっていうのは、僕はあんまりよくわかっていない。それは口に出すんじゃなくて、僕は試合をすれば全部丸く収まると思う」
攻めるスタイルで魅せるプレーにこだわった小田。ダイバーシティや共生社会の重要性をスピーチで訴えるのではなく、そのパフォーマンスで人々の心に潜む違いによる壁や偏見をぶち壊した。実際に、小田のインスタグラムには「障がい者ではないけど、車いすテニスをやってみたい」、「スポーツでここまですごく面白い試合を見たことがない」、「車いすテニスにしかできない技、かっこよかった」といった内容のコメントが寄せられた。
富田宇宙「可能性(に気づく気持ち)や意識の変化がソーシャルインクルージョンにつながる」
水泳会場は連日多くの観客で埋まった 【photo by Hiroyuki Nakamura】
「(障がいがある人の)可能性を、こういう人だから『全然できないだろう』じゃなくて、この人『いろいろできるんじゃないの』っていう、ちょっとした気持ちや意識の変化がソーシャルインクルージョンにつながるんだろうと思う」
大歓声のなかで泳いだ富田は「パラアスリートも白熱した試合を見せられる」と話した 【photo by Hiroyuki Nakamura】
八木克勝「“もう一回チャンスってあるよね”というのがパラリンピック」
目標に掲げていたメダルには届かなかったが、メダル以上に「この空気感を東京パラリンピックでできなかったことのほうが悔しい」、「パリパラリンピックに出たら、余計に東京パラリンピックの無観客が悔しくてなりませんでした。本当にこの風景を日本で見たかった」と自身のXで嘆いた。
八木は、パラリンピックの可能性を強く感じているからこそ、自国で開催されたパラリンピックの無観客を惜しむ。
「病気の方や事故に遭った方に、もう1回チャンスってあるよね、というのがパラリンピックだと思います。そこに僕は出られてきて幸せ」
卓球会場でそう語った八木は、多くの人にパラスポーツを見てもらう機会を作る活動に力を入れるつもりだ。
パリパラリンピックは準々決勝敗退。成績よりも、東京パラリンピックの無観客開催を悔しがった 【photo by Takamitsu Mifune】
パラリンピアンのエネルギーを感じたパリ大会だった。
text by TEAM A
key visual by Hiroyuki Nakamura
※本記事はパラサポWEBに2024年10月に掲載されたものです。
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