【CPBL】陳冠宇と張奕は日本戦で投げるか。プレミア12台湾代表最新情報
10月7日に行われた記者会見には、曽豪駒監督(中)のほか、三大会連続出場となる楽天の陳冠宇(右)、そして富邦の江国豪(左)も出席した。 【©CPBL】
プレミア12台湾代表メンバー28人発表 チェコ代表との壮行試合も
10月7日、台湾プロ野球(CPBL)は台湾代表28人を発表した。前回の2019年大会は、アメリカ、日本などでプレーする「海外組」は8人を数えたが、今回は28人中、「海外組」は米マイナーリーグでプレーする選手3人のみ。残り25人が台湾プロ野球の選手となった。
メジャー40人枠入り選手は出場できない事に加え、不振やコンディション不良による辞退組もあり、2023年WBC代表は8人に留まった一方、将来を見据え、主要国際大会では初選出となる選手も10人に達した。
台湾代表監督をつとめる楽天モンキーズ二軍監督の曽豪駒監督は記者会見で、選出基準として、「出場意志」、「コンディション」、「データ」と、3つのポイントを挙げた。そして、打線の特徴として「パワーヒッターは少ないが、バットコントロールが良く、足のある打者が多い」と評した。
招集できなかった選手で最も残念だったのは誰かと問われた曽豪駒監督は、張育成(富邦)の名を挙げた。張育成は、昨年のWBCでは、1次ラウンドプールAで、2本塁打、8打点と大活躍しMVPを受賞、一塁手のベストナインにも輝いた。今季、CPBLのドラフト会議で富邦ガーディアンズから1位で指名されると47試合で10HRの活躍、プレミア12では4番が期待されていたが、左手の指を挫傷、満足にスイングできない状態であるとして、辞退を申し出ていた。
このほか、WBC代表のセットアッパー、曽峻岳(富邦)が肩の違和感を理由に、MAX158キロ、直球、変化球と共に高いレベルを誇るアジア選手権代表の若きエース、徐若熙(味全)がトミー・ジョン明けのフルシーズンということで大事をとって辞退したほか、日米球界でプレーする選手についても、球団側からの球数制限や、疲労蓄積によるコンディション面の不安などから、複数の選手の招集を見送る形となった。
10月7日に発表されたプレミア12台湾代表28人 【©CPBL】
台湾帰国後、最高のシーズンを送った陳冠宇(楽天モンキーズ)と怪我が癒え、球速が戻った張奕(富邦)の元NPBコンビは、日本戦での登板を期待している。また、22歳の潘文輝(フィリーズ2A)はMAX161キロを誇る剛腕だ。今季ホールド王の左サイド王志煊と、今季ブレイクを果たした荘昕諺の楽天コンビは川岸強コーチの、左腕で6勝を挙げた陳柏清は台鋼・横田久則コーチの「秘蔵っ子」だ。
一方の野手で、まず主砲として期待されるのが、今季リーグ2位の23HRをマークした味全の吉力吉撈.鞏冠(ギリギラオ・コンクアン)だ。クリーブランド・インディアンス(現・ガーディアンズ)傘下時代の2019年から台湾原住民族パイワン族の名を名乗るパワーヒッターで、一昨年、昨年の台湾プロ野球のHR王だ。また、台湾球界を代表する好打者で、今季は脳震盪の影響に苦しみながらも首位打者に輝いた林立(楽天)、日本人コーチが軒並みNPB一軍クラスの守備と評価する正ショートの江坤宇(中信兄弟)、今季の最多安打、小柄なヒットメーカー邱智呈(統一)にも注目だ。岡山県共生高校出身、国際大会常連、シュアな打撃が持ち味の陳傑憲(統一)は今大会もキャプテンに就任、チームの精神的支柱だ。
7日の記者会見では、11月2日、3日に台北ドームで開催されるチェコ代表との壮行試合に関するアナウンスも行われた。本大会前、貴重な海外チームとの実戦の機会となることはもちろん、近年、チェコはたびたび、国際社会で台湾(中華民国)支援の声を挙げており、野球を通じた双方の友好関係深化も期待される。
プレミア12のチケット売り上げは好調で、台湾代表の試合が行われる台北ドームの通し券(内野、外野)、そして11月13日の韓国戦、11月16日の日本戦は、クレカ会員向けの優先チケット、一般販売共に、既に売り切れ、残りの3試合も完売直前だ。
また、WBCの際に話題となった、台湾プロ野球各チームから選抜された代表チア「CT AMAZE」が今回も結成された。プレミア12では、台湾戦は行われない天母球場にもチアリーダー「P12 STARS」が登場し、試合前やイニング間、パフォーマンスで盛り上げる予定だ。
台湾プロ野球のプレーオフと台湾シリーズ、そしてチェコとの壮行試合は、有料プラットフォーム「CPBLTV」で観戦可能だ。よりプレミア12を楽しむために、「予習」をしてみてはいかがだろうか。
※情報は10月11日時点のもの
文・駒田英
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