【九州電力キューデンヴォルテクス・猿レポ】選手がレポート!2024プレシーズンマッチ v リコーブラックラムズ東京戦

チーム・協会
初めましての人もこんにちは。
試合後レポートを担当させていただきますプロップの猿渡です。


10月13日(日)、プレシーズンマッチ2戦目、リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)との試合が福岡市にある“JAPAN BASE”で行われました。



BR東京は今シーズン、ディヴィジョン1に所属しており、ヴォルテクスが所属するディヴィジョン2とは異なるカテゴリーのリーグで戦っています。
したがって、リーグ戦では入れ替え戦でもない限り対戦の機会はありません。
このような試合が実現するのもまたプレシーズンマッチならではの魅力の一つです。

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

毎年、ヴォルテクスとBR東京は【FBS杯争奪 社会人ラグビー定期戦】としてプレシーズンに対戦し、互いに切磋琢磨しています。
今回の試合も、その一環として開催されました。



普段とはカテゴリーが異なる相手に対して、ヴォルテクスがどれだけ自分たちのラグビーを通用させられるか。
積み重ねてきたものをぶつけ、リーグが上の相手に対してどれだけ圧倒できる部分があるかなど、確かめ甲斐のある一戦です。



そしてこの日は三連休の中日。
福岡市内のあちこちで運動会が行われていたにも関わらず、会場には県内外から4〜500人もの観客が集まりました。
芝生の上に直接座る人もいれば、自前の折りたたみ椅子を持ち込んで座る人もちらほら。
観客席もない場所だけれど、もう芝が見えなくなるほどの密集ぶりです。
試合開始が近づくにつれ、観客たちの期待感がぐんぐんと膨らみ、遠方から駆けつけたファンの熱気が会場を包み込んでいました。
地元の声援が響く中、他の地域から訪れた観客たちもその雰囲気に引き込まれていきます。


BR東京戦の試合メンバーはこちら
https://www.kyudenvoltex.com/game/p125

《試合内容・結果》


時刻はちょうど12時。太陽が真上に位置する中、笛の音が大きく鳴り響き、ヴォルテクスの10番・喜連航平選手が蹴り上げたキックで試合が始まりました。

ヴォルテクスの試合に初出場を決めた今季新加入の 喜連 航平選手【10番 スタンドオフ】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

試合の流れを掴むため、ヴォルテクスは先制トライを狙いましたが、先にスコアしたのはBR東京。
前半7分、相手の激しいコンタクトプレーと圧力に押され、ヴォルテクスがペナルティを重ねてしまいます。
相手はスクラムからNo.8がボールを持ち出し、トライラインへ一直線。
先制点を奪われ、スコアは0-5に。



それでも、ヴォルテクスは前半12分に反撃。相手のキックをキャッチし、怒涛の連続アタックを仕掛けた末、7番コルビー・ファインガア選手が鋭いランでディフェンスを突破。
そのままトライを決め、逆転に成功します。
スコアは7-5とリード。



この日のヴォルテクスは終始アタックに積極的でした。
全員が前へ出て、何度もスペースを狙って攻め込みました。
こうしてBR東京から度々ペナルティを引き出し、相手にイエローカードを与えることに成功。
相手選手が10分間一時退場となり、その間は15人対14人の数的優位を活かして試合を進められるため、さらにアタックを仕掛けやすい状況になりました。



このまま勢いに乗りたいヴォルテクスは数的優位を活かしてアタックを展開し、前半17分にはラインアウトモールからの連続アタックで、9番スペンサー・ジーンズ選手が密集を突いてトライ。
スコアは14-5となります。


しかし、BR東京もすぐに反撃。
前半22分にトライを奪われ、スコアは14-12。それでも、ヴォルテクスはリードを守ったまま前半を終えます。

ヴォルテクスの試合に初出場を決めたルーキーの上杉 太郎選手【19番プロップ】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

12分間のハーフタイムに入り、プレシーズンマッチならではの展開が。公式戦とは異なり、この試合では31人の選手が登録されているため、ほとんどの選手が交替となりました。
選手たちは、前半で感じた課題や改善点を共有し、後半の戦略を練り直します。
前半で掴んだ流れを後半にも活かし、BR東京へ引き続きプレッシャーをかけていこうという気持ちが高まりました。



そして後半開始。
最初にトライを取ったのはBR東京でした。
後半9分、フォワードの連続アタックからボールを大外に展開され、逆転を許しスコアは14-17。
さらに14分、19分と連続でトライを許し、14-29とリードを広げられてしまいます。



しかし、ヴォルテクスは決して諦めません。
後半22分、20番の園中良寛選手が相手のキックに果敢にプレッシャーをかけ、見事なキックチャージを成功させます。
ボールを拾い上げてそのまま駆け抜け、渾身のトライ!
スコアは19-29。



前試合で復帰を果たした園中選手が、まさに彼の代名詞とも言えるキックチャージを炸裂させてくれました。
これまでも数々の試合で見せてきたお家芸を、今回も見事に決めた瞬間、会場は大歓声に包まれました。

何度もリードを広げられ、厳しい展開が続く中、ヴォルテクスは最後まで諦めず、ひたむきにトライを狙い続けます。その熱い姿に観客の応援も最高潮に達し、共に戦うような一体感が生まれました。

トライを奪うべくライン際を一気に駆け上がる 中島 謙選手【6番 フランカー】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

が、しかしその後はBR東京に後半25分、30分、36分と連続トライを許し、スコアは19-46に。
BR東京の勢いを止め切れなかったものの、試合終了間際の後半40分、ヴォルテクスの強みであるラインアウトモールから16番村川浩喜選手が意地のトライを挙げ、最終スコアは26-46で試合を終えました。



悔しい結果ではありましたが、最後まで諦めずに戦い抜いた姿が印象的でした。

ヴォルテクスの試合に初出場を決めた今季新加入の 村川 浩喜選手【16番 フッカー】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

《個人的見解と次戦に向けて》

今試合はプレシーズンマッチではありますが、やはり敗戦というのは悔しいことに変わりありません。
ですが、カテゴリーが違えどBR東京との試合を通じてヴォルテクスが通用する部分は多々ありました。
激しいコンタクトプレーや絶え間ない状況判断は、ディヴィジョン1のチーム相手でも十分に見劣りしないものでした。
これらを自信に変え、目標であるディヴィジョン1昇格を目指し、公式シーズンで肩を並べて戦えるよう日々レベルアップを図っています。



ディヴィジョン1昇格のためには、今シーズンを通して上位2位以内に入ることが不可欠です。
そして、入れ替え戦で勝利を収めるための準備も怠りません。
この目標に向かうため、プレシーズンを通してさらに力を蓄え、個々のレベルアップとチームの総合力の向上を目指しているところです。
プレシーズンの試合では、全てのプレーが公式戦に直結する重要なステップとなります。

相手を振り切り一気に加速する 金堂 眞弥選手【30番 ウイング】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

ヴォルテクスは、一歩一歩確実に歩みを進め、その努力を成果に結びつけていく決意を固めています。
まだまだ成長の余地があり、それぞれが新たな挑戦を重ねることで、チームとしての強さを一層増していく。
日々の練習や試合の積み重ねが、昇格への道を切り開くカギとなります。
ディヴィジョン1という大きな目標に向かって、これからも揺るぎない意志を持って進んでいきます。

《今週の個人的Pick up Player》


今回私が選ぶPick up Playerは、ブラックラムズ東京戦で見事なキックチャージからトライを決めてくれた園中良寛選手(以下、園中選手)と、
日頃から激しさと責任感満載のプレーでチームに熱いエナジーをチャージしてくれる山添圭祐選手(以下、山添選手)の2人です。


まず最初に紹介する園中選手は、私と同じ1990-1991年生まれの同級生です。
そんな彼の趣味は「キャンプ」だそうで、日帰りから一泊、二泊と、状況に応じて楽しんでいるようです。
ただ、今年は酷暑の影響もあって、しばらくキャンプには行けていない様子。
ストレスの捌け口が心配になりますね。

キックチャージしたボールをそのままトライゾーンに押さえる 園中良寛選手【20番 ロック】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

ようやく涼しくなってきた今、シーズンの忙しさも増していますが、どこかのタイミングで彼がキャンプに行けることを心から願っています。
もしどこかの山やキャンプ場で園中選手を見かけたら、その大きな背丈にビビらないでくださいね!彼は見た目とは裏腹に、実はとても優しい人なんですから。



そして、上記の試合内容でも少し触れましたが、園中選手の得意なプレーは、長い手足と背丈を活かした「セットプレー」や「タックル」に加え、「キックチャージ」も得意技です。
私もこれまで、彼のその姿を何度も目撃してきました。
正直、私自身はキックチャージを成功させたことがないので、どうやって飛んでくるボールに触れられるのか全く理解できません。身長や手足の長さの違い?出足の速さ?それとも、超人的な嗅覚か、恐怖心がどこかに消えているのか…。
何十メートルも飛んでいくボールに向かうなんて、私にとってはまさに勇気がいることで、痛い思いをするのが目に見えています!



それでも、彼がキックチャージを成功させることで、チームにとってはものすごいチャンスが生まれます。
自己犠牲を惜しまずにプレーする彼の姿勢には、いつも驚かされます。



個人的に印象に残っているのは、私がまだコカ・コーラレッドスパークスに在籍していた時、公式戦でヴォルテクスと対戦した際に、園中選手がキックチャージを決めてトライを挙げたことです。
そのトライがきっかけで試合は同点となり引き分けに終わりました。



園中選手のキックチャージは、まるで敵陣を突き破るかのような勢いを見せ、まさに「キックチャージの魔法使い」といった感じ。
観客も思わず『何が起きた?!』と魔法にかけられたような表情になるほどの圧巻のプレーでした。
今後も園中選手のプレーから目が離せません!彼の活躍を見逃さないよう、皆さんもぜひ注目してください。
次の試合でまた「魔法」を見せてくれることを期待しています!




次にご紹介するのは、入社2年目の山添選手です!彼は元気ハツラツで、ピッチの中でも外でもチームのムードメーカーとして活躍しています。
責任感あふれるプレーで皆を引っ張る様子は、まるでチームの「エナジーの源」そのものです。

外国人選手にも当たり負けをしない強さを発揮する 山添圭祐選手【23番 フランカー】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

練習の始まりには、円陣を組んで声出しと気合を入れる担当としても大活躍。
彼の一言がその場を熱くしたり、時にはリラックスさせてくれたりして、毎回気合とエナジーをチームにもたらしてくれます。
ただ、あまりにもエナジーが溢れすぎて、いつか枯渇してしまわないか心配です。
無いとは思いますが非常事態に備えてエナジーの回復源探しておきます!



そんな彼の趣味は「良い音楽を探すこと」。
ひとえに良い音楽と言っても感じ方は様々で、彼は日々、YouTubeや音楽アプリで自分のフィーリングに合うものを見つけるのが大好きなのだそうです。
ちなみに、チームのウエイトの時間などで流す選曲も彼が担当しています。
彼の感性とエネルギー溢れる熱い心が、ヴォルテクスをさらに熱くしてくれる要因の一つでしょう。



休日には「同期で遠出」することもよくあるとのこと。
同期で仲がいいって素晴らしいですよね。
私も私も園中選手と2人でキャンプに行けるくらいの仲になれるよう、しっかりアプローチしてみようと思います!





ヴォルテクスにはそんな2人がいることで、ヴォルテクスは間違いなく強力なチームへと成長していくでしょう。
次の試合でも、彼らの活躍から目が離せません!

《最後に》


次のプレシーズンマッチ第3戦は、11月9日(土)に鹿児島県にある「鹿児島県立サッカー・ラグビー場」で東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)と対戦予定です。



BL東京は、BR東京と同じディヴィジョン1に所属しており、昨シーズンのリーグワン王者として14季ぶりに日本一に輝いた強豪チームです。
日本代表選手も多く在籍し、激しいコンタクトプレーを主軸に、攻守のバランスが非常に優れたチームという印象を持っています。
今シーズン、ヴォルテクスが公式戦でBL東京と対戦する機会は、入れ替え戦以外では無いため、次の試合も非常に楽しみです。
今回のBR東京戦を経て、ヴォルテクスがどれだけレベルアップにつなげることができたのかを試す絶好のチャンスだと考えています。
この試合を通じて、チームの成長を確認していきたいです。

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

ぜひ会場にて引き続き皆様の熱い応援の程、宜しくお願いいたします!


『猿渡 康雄ってどんな人?』
と思われる方もいらっしゃるかと思いますのでこの場を借りて私のInstagramのURLを貼らせて頂きたいと思います。

興味のある方はぜひチェック&フォローをお願いします!

https://instagram.com/saruyasu?igshid=NGVhN2U2NjQ0Yg%3D%3D&utm_source=qr
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著者プロフィール

国内最高峰のラグビーリーグ「リーグワン」に所属するラグビーチーム。九州全域(全県)をフレンドリーエリアとし活動しています。

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