<国内男子ゴルフ>今平が初の埼玉県人V「あんな周吾を見たのは初めて」18、19年賞金王が牙を剥いた瞬間

日本ゴルフツアー機構 (JGTO)
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10月10日ー13日 東京ゴルフ倶楽部(埼玉県)7251yard・par70 ▼13日・大会最終日

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埼玉県人のナショナルオープン制覇は史上初だ。
今平周吾(いまひら・しゅうご)が地元開催の「第89回日本オープン」で、ツアー史上34人目の通算10勝目を達成。
最終日を1差の3位タイから出て、5バーディ3ボギーの「68」を記録し、1差の通算4アンダーで逆転。悲願の初タイトルを勝ち取った。

後続の木下の17番での奇跡のバンカーショットを知りながら、最後18番で20メートルもあるバーディトライを沈めた。
その瞬間の今平の様子を、17年から連れ添う柏木キャディは「牙を剥いて俺に向かって吠えてきた」と、表現した。

「ガッツポーズして、俺に向かってなんか叫んでたんだけど。歓声でなんて言ったかはわからなかった。わからなかったけど、あんな周吾を見たのは初めて」。
ついでに、ウィニングボールを観客席に投げ込む姿を見るのも初めて。
いつも淡々と、あまり口数も多くない選手が、「すごい興奮しました。埼玉県でも入間市出身なので、地元の地元。その日本オープンで勝てたのが嬉しいです…」などと、スピーチでは感情のまま、声を上ずらせる様子にも感銘を受けたという柏木キャディ。

「あんなに感情を剥きだす周吾が嬉しかったし、それくらい日本オープンで勝ちたかったんだ、と。俺も嬉しかった」としみじみとした。

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開催前は、今季未勝利。
開幕直前に2人で話し合ったのは、連続優勝記録のことだったという。

10日前に32歳。
「途切れると、また一からやりなおして、次はいくつよ、40歳よ。オジサンもあんまり先がないから。乗っからせてよ…」などと、冗談交じりに言った矢先の有言実行。
2017年の初Vから数えて7季連続優勝は歴代4位の記録だ(※)。

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いつもは、柏木キャディが止めてもピンを攻め「ゴルファーの性(さが)」と、笑うばかりの選手が今週は、「距離が残ってでもフェアウェイ」と、じっと我慢でドライバーも4日間で3度だけ。

ベテラン選手たちがこぞって天才肌と称する業(わざ)師はフェアウェイウッドやユーティリティで球の高低を器用に打ち分け、木下と共に2人だけの4日間アンダーパーを記録。

鉄壁のマネジメントで難コースを攻略した。

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感性を重視し、無用な悩みでストレスを抱えるのを嫌い、スタートの数十分前に来て「アテストして3分で帰る」との都市伝説を持つ“練習しない男”が、今週は毎朝1時間前に会場入りし、開催前には事前に4度もコース下見を重ねた。

契約メーカー「ヤマハ」の大西さんも、「普段と違った。大会にかける意気込みをものすごく感じた」と、証言する。

隣接する霞ヶ関カンツリー倶楽部で行われた東京五輪(2021年)も、地元開催に並々ならぬ意欲を見せたが、コロナ禍による1年延期の間にランキングを落として、代表を逃している。

新居をよそに移しても、オフの帰省時には実家近くの展望台に向かう240階段を20往復して鍛錬するのがジュニア期からの習慣だ。
なじみの地で今週金・土の夜は、近所の銭湯でリフレッシュ。

3年前の悔しさを、地元開催のナショナルオープンで晴らした。

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18、19年の賞金王が、開場112年の東京ゴルフ倶楽部で咆哮した。

「頭が真っ白になったのは人生初です。あれだけ大声を出したこともない。地元の開催でしたし日本オープンという凄い大きなタイトルで、嬉しさが2つ重なった」と、20メートルのバーディパットを決めた際の心境を明かしたが、「あれ入ったら、みんな声出るんじゃないですかね?」。

埼玉県出身者が「日本オープン」で勝つのは初、と聞いても「へーそうなんですか…」。
木下と繰り広げた劇的ドラマも終われば何ごともなかったように、すっかり牙を隠して普段の柔和な笑顔できょとんとしていた。

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⛳ツアー初優勝からの連続優勝記録トップ4
片山晋呉(11季連続)
池田勇太(11季連続)
尾崎直道(8季連続)
今平周吾(7季連続)
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