【東都大学野球】谷端の逆転サヨナラ弾で連敗脱出 創立記念日で大応援団が駆けつける

日本大学SPORTS
チーム・協会

11回裏 サヨナラ3ランを放った谷端将伍 【日本大学】

「優勝をあきらめない」負けを経験してチームがひとつに

 秋季東都大学野球リーグ第3週、國學院大戦。1勝1敗で迎えた第2戦。優勝するためには、もう1戦も落とせない―。選手たちは「攻めの姿勢」を胸に戦った。

 7回に同点に追い付き延長タイブレークへ。11回表に2点を奪われ、3―5で迎えた裏の攻撃。1死一、二塁。打席の谷端谷端将伍内野手(経済3年・星稜)は「これまで負けてきた試合は自分がチャンスを潰してきた。今までの全て取り返してやるっていう気持ちで打席に入りました」。4番の意地が、バットに乗り移る。内角真っすぐをフルスイングすると、打球はレフトスタンドへ吸い込まれた。
サヨナラの3ラン本塁打にベンチからは選手たちが一斉に飛び出し、ホームを踏む谷端を迎え入れた。人生初のサヨナラ弾に「正直何が起きたか、わからなかったんですけど、みんなが笑顔で迎えてくれて、あらためて勝ったんだな、と。ホッとしました」。笑顔でスタンドに手を振った。
 谷端の笑顔の先には、たくさんの応援団の姿があった。この日は日大の創立135周年。試合前には大貫進一郎学長が始球式を務め、一塁側ベンチ上、最前列には林真理子理事長もサプライズ観戦。チアリーダー、吹奏楽部も全部員が駆けつけた。谷端は「今日は必ず勝たないといけない、といつも以上に気合が入りました。声援のおかげで打てたと思います」と、感謝した。

始球式を務めた大貫進一郎学長 【日本大学】

応援リーダー部、吹奏楽研究会の約60名が応援に駆け付けた 【日本大学】

片岡監督の“悔しがっていい”の一言で気持ちを切り替え、再び前を向き走り出す。

 第2週では青学大に2連敗。優勝するには必ず越えなければならない春の王者の壁に、選手たちは下を向いた。26日、青学大2戦目の試合後、片岡昭吾監督は「今日と明日は悔しがっていい。気持ちをしっかり切り替えてグラウンドに戻ってこい」と、選手たちに声をかけた。橘田陸斗主将(経済4年・山梨学院)は「本当に青学大戦にかけていた。そこで2連敗…。悔しいというか、何も手につかなかったです」。夏、取り組んできた強い打球を打つ打撃、次の塁を狙いに行く走塁。そして守備。練習のひとつひとつは何だったのか。「この2日間は、試合の映像も見られなかったです」。主将として自問自答した。
 “悔しがっていい”という2日間を終え、28日、橘田は重い足取りで練習に向かうと、元気な声がグラウンドから聞こえた。「自分が1番落ち込んでいたのかも(笑い)。みんな次戦に向けて今まで以上に声を出ていた。僕は、主将だけど、みんなに助けてもらっているのかもしれません」と、笑った。まだリーグ戦も2カードが終わったばかり。「優勝をあきらめない」。チームメートの活気ある練習に、背中を押された。
練習では、この夏取り組んできた打撃、走塁、守備を再度見直し、第3週の國學院大戦に臨んだ。「夏、取り組んできたことを自信にして、そこを信じて貫き通そう」。2週目と同じかけ声で始まった。1戦目は1―3で落としたが、2戦目のこの試合では、積極的に振りにいき、出塁すると次の塁を狙った。川崎大也外野手(生産工3年=・佐野日大)のソロ本塁打で同点に追い付き、最後は谷端が決めた。

試合終了後 観客席に向かって喜ぶ谷端 【日本大学】

「チーム橘田」が今のチームの本当の強さ

下級生たちが力を発揮しやすい環境を、と積極的に声をかけ、明るい雰囲気作りを心がけた。時には厳しいことも口にする。意思疎通を密に心を通わせた。試合ではほとんどが下級生も、1部で正々堂々、戦う戦力を蓄えた。「夏、練習してきたことを出す。そのためにこれからも積極的に攻めの姿勢で戦います」。3勝3敗で勝ち点1。まだまだこれから。橘田が作ったチームが、今、再び前を向き、走り出す。

◇   ◇   ◇   ◇ 
林真理子理事長
「すごいですね。一体感があってすばらしい。選手も頑張ってくれてうれしいです。今日は創立記念日で応援リーダー部、吹奏楽研究会もきてくれて。ありがたいと思います。東都大学野球の観戦は初めて。学生の試合はすがすがしい。選手たちには、これからもケガをしないように頑張って欲しいですね。」

大貫進一郎学長
「勝つことは当然、彼らには大事なことだと思いますが、野球を通じて人生経験をしていただいて、今後につなげていってもらうことが教育として大事なこと。スポーツを通じた教育活動という観観点からも学生たちには頑張ってもらいたいと思っております。」

右から応援に駆け付けた大貫学長と林真理子理事長 【日本大学】

フォトギャラリー

先発した菅澤宙(生産工1年・中京) 【日本大学】

5回から登板した山内翔太(スポーツ科4年・習志野) 【日本大学】

6回裏 レフトへタイムリー2ベースヒットを放つ米津煌太(スポーツ科1年・大垣日大) 【日本大学】

日本大学創立135年の記念日に観戦イベントが開催され、多くの日大生と教職員が観戦に訪れた 【日本大学】

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

日本大学は「日本大学競技スポーツ宣言」を競技部活動の根幹に据え,競技部に関わる者が行動規範を遵守し,活動を通じた人間形成の場を提供してきました。 今後も引き続き,日本オリンピック委員会を始めとする各中央競技団体と連携を図り,学生アスリートとともに本学の競技スポーツの発展に向けて積極的なコミュニケーションおよび情報共有,指導体制の見直しおよび向上を目的とした研修会の実施,学生の生活・健康・就学面のサポート強化,地域やスポーツ界等の社会への貢献を行っていきます

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント