早大競走部 男子は総合優勝、女子は総合3位達成へ! 等々力を臙脂色で染め上げろ/全カレ展望

チーム・協会
【早稲田スポーツ新聞会】記事 飯田諒

 第93回日本学生対校選手権(日本インカレ)が9月19日~22日、神奈川・等々力陸上競技場で開催される。今季、最後の対校戦である本大会で掲げた目標は男子総合優勝、女子総合3位。本記事では、早稲田大学の選手を中心にこの4日間を展望する。

昨年の日本インカレ表彰式後の集合写真 【早稲田スポーツ新聞会】

男子編 先人たちの想いを背負い、2011年以来の総合優勝へ

 男子100メートルの注目は関東学生対校選手権(関東インカレ)で2位、3位に入った井上直紀(スポ3=群馬・高崎)と関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)。関口が、7月に行われた実業団・学生対抗競技大会とトワイライト・ゲームスでそれぞれ優勝すると、井上は8月のグランプリシリーズの2レースで、どちらも決勝進出を果たすなど、切磋琢磨(せっさたくま)しあう関係だ。パリオリンピックの4継(4×100メートルリレー)で、メンバー入りを果たし、昨年の王者である栁田大輝(東洋大)が優勝候補の大本命だが、前評判を覆すことができるか。

関東インカレ100メートルの表彰式後の井上(写真右)と関口 【早稲田スポーツ新聞会】

 男子200メートルは髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)に注目が集まる。日本選手権で予備予選から勝ち上がり、早大唯一の入賞を果たしたニュースターが、本大会でも資格記録10番手からの下剋上を目指す。また、千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)と100メートルとのダブルエントリーとなった島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)の4年生コンビは関東インカレの同種目で決勝に進めておらず、本大会でのリベンジに期待したい。

 男子400メートルは、資格記録でただ一人、45秒台を持つ眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)の連覇がかかる。全カレ王者として臨んだ今季、関東インカレや日本選手権といった大舞台で思うような結果を残せていないが、一年間作り上げてきた「自分のレース」をすれば自ずと戴冠が見えてくるだろう。今季46秒台に突入した権田浬(スポ1=千葉・佐倉)、森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)といった勢い十分な下級生も、入賞を虎視眈々(こしたんたん)と狙う。

昨年の日本インカレで、優勝しガッツポーズをする眞々田 【早稲田スポーツ新聞会】

 中距離種目の注目は800メートルと1500メートルのダブルエントリーとなった岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)。関東インカレ1500メートルで4位に入り、さらに今季自己記録を幾度となく更新した伸び盛りの2年目が、初の大舞台に挑む。また800メートルにエントリーした筒井航佑(スポ4=愛知・時習館)は、3年連続の出場となる。過去2年は準決勝敗退に終わっている筒井だが、三度目の正直なるか。

 長距離ブロックからは、過去4年間で最多の5名がエントリーした。5000メートルに出場する伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)は全体3番目の資格記録を持つ。さらに、1500メートルの立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)、吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)、3000メートル障害の草野洸正(商4=埼玉・浦和)と、関東インカレで入賞している実力者もエントリー。長距離ブロックからどれだけ加点ができるかが、総合優勝の可否を左右するだろう。

 ハードル種目はどちらも3枚残し(出場した3選手が決勝に進出すること)、さらに優勝を狙えるメンバーが揃った。110メートル障害には、昨年の同大会で3位に入った西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)、1年以上にわたるケガを乗り越え遂に復活した池田海主将(スポ4=愛媛・松山北)、サブ種目ながら今季自己記録を更新している盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)の3人がエントリー。彼らは、早稲田歴代3、4、5位の自己記録を持ち、まさに実力伯仲だ。当日のコンディション次第で、順位が大きく変わることが予想される。400メートル障害には、昨年3位に入った金本昌樹(スポ4=東京・日大桜丘)、関東インカレでダブル表彰台に輝いた盛岡、渕上翔太(スポ1=東福岡)がエントリーした。パリ五輪の同種目に出場した豊田兼(慶大)、小川大輝(東洋大)に加えて関東インカレで優勝した井之上駿太(法大)など格上揃いの中で、ジャイアントキリングなるか。

関東インカレ400メートル障害の表彰式後の盛岡(写真左)と渕上 【早稲田スポーツ新聞会】

 リレー種目はどちらも学生記録の更新を掲げている。4継はエンジをまとった大会では今年負けなし。関東インカレの優勝メンバーである、エース・井上や今季急成長した関口、髙須の2年生コンビ、経験豊かな千田は順当にエントリーされた。勢いそのままに、3年ぶりとなる日本インカレの戴冠は射程圏内だ。4×400メートルリレー(マイル)は昨年の主力が今春、多数卒業したにも拘わらず、今年も真向勝負できるメンバーが揃った。絶対的エース眞々田の脇を強力な下級生が固める布陣で、2012年以来の優勝を狙う。

女子編 経験豊富な上級生と強力な下級生が融合し、総合3位へ

 100メートルと200メートルの注目は両種目にエントリーした鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)と中村真由(政経4=東京・早実)の2人。鷺は1年時から本大会に出場するも、毎回準決勝で全体9番目から11番目のタイムに留まり、決勝進出を惜しくも逃している。反対に中村は今季自己記録を再三にわたり更新し、4年目にして悲願の個人種目、初出場となった。ルーキーイヤーから女子短距離を引っ張ってきた鷺と、最終学年で花開いた苦労人の中村という対照的な2人が、まずは決勝進出を目指し、さらにその上を狙う。

全カレ前対談後、記念撮影をする鷺(写真左)と中村 【早稲田スポーツ新聞会】

 400メートルは関東インカレで3枚残しを達成した清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)、山本真菜(スポ2=三重・伊勢)、千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)の3人が揃ってエントリーされた。しかし早大トップのタイムを持つ清水でも資格記録は全体17番目と、非関東勢のレベルは高い。彼女たちが己の殻を破った時、決勝進出が見えてくるだろう。800メートルは新田望(スポ3=神奈川・法政二)の復調が鍵だ。昨年の関東インカレで準優勝を果たしたものの、今季は苦戦が続いている。夏合宿を経て復調していることに期待したい。

 100メートル障害は林美希(スポ1=愛知・中京大中京)に注目が集まる。ルーキーながら関東インカレ、学生個人選手権(学生個人)、U20日本選手権の全てで銀メダルを獲得した林。学生記録保持者の本田怜(順大院)や、上記の大会全てで優勝した髙橋亜珠(筑波大)といったライバルを抑え、大学入学以来、初の全国タイトルを手にすることができるか。400メートル障害は、大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)、内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)、千葉が2年連続の3枚残し達成を目指す。特に昨年の本大会で準優勝の大川と、学生個人で優勝した千葉は、日本選手権4連覇中の絶対女王・山本亜美(立命館大)の牙城(がじょう)を崩せるか。

 1万メートル競歩は藤田真美加(スポ3=千葉・成田)、広瀬夏希(社2=東京・富士)、中島橙子(スポ1=群馬・前橋女)をエントリーし、早大史上最強の布陣で挑む。早稲田歴代2、3、4位のタイムを持つ3人は、関東インカレでトリプル入賞を達成するなど女子の総合5位に大きく貢献した。この種目で関東インカレの再現となれば、全カレ総合3位達成も十二分に狙えるだろう。

関東インカレのレース後、健闘をたたえ合う藤田(写真中央)、広瀬(写真右)、中島 【早稲田スポーツ新聞会】

 今年は跳躍種目でも加点が見込まれる。走高跳には矢野夏希(スポ2=愛知・時習館)、走幅跳には内藤がエントリー。関東インカレでそれぞれ7位、3位に入った2人は、今シーズン、自己記録を複数回更新するなど絶好調だ。今季覚醒した2年生コンビが『トラックの早稲田脱却』の狼煙を上げる。

 リレー種目は両種目とも、早大記録更新での優勝が目標だ。4継は、昨年同大会の予選で早大記録を更新したものの、決勝では4位に終わった。鷺と中村が築いてきたチームの集大成となる大会で、有終の美を飾ることができるか。マイルは大川と上島周子(スポ2=東京・富士 )の復調が好材料だ。7月のトワイライト・ゲームスでは激闘の末、優勝しており、上り調子で全カレに挑む。

トワイライト・ゲームスで優勝し、抱き合うマイルメンバー 【早稲田スポーツ新聞会】

男子エントリー

▽100メートル

島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)
井上直紀(スポ3=群馬・高崎)
関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)

▽200メートル

島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)
千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)
髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)

▽400メートル

眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)
森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)
権田浬(スポ1=千葉・佐倉)

▽800メートル

筒井航佑(スポ4=愛知・時習館)
岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)
水嶋優斗(スポ2=東京・高輪)

▽1500メートル

岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)
立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)
吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)

▽5000メートル

伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)

▽110メートル障害

池田海主将(スポ4=愛媛・松山北)
西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)
盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)

▽400メートル障害

金本昌樹(スポ4=東京・日大桜丘)
盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)
渕上翔太(スポ1=東福岡)

▽3000メートル障害

草野洸正(商4=埼玉・浦和)

▽4×100メートルリレー

大竹春樹(商4=東京・早実)
島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)
千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)
井上直紀(スポ3=群馬・高崎)
関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)
髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)

▽4×400メートルリレー

眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)
寺澤大地(スポ3=京都・洛南)
髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)
森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)
権田浬(スポ1=千葉・佐倉)
渕上翔太(スポ1=東福岡)

▽1万メートル競歩

高橋優喜(スポ2=静岡・浜松北)

女子エントリー

▽100メートル

鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)
中村真由(政経4=東京・早実)

▽200メートル

鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)
中村真由(政経4=東京・早実)
清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)

▽400メートル

清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)
山本真菜(スポ2=三重・伊勢)
千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)

▽800メートル

新田望(スポ3=神奈川・法政二)
武田亜子(スポ1=静岡・日大三島)

▽100メートル障害

内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)
林美希(スポ1=愛知・中京大中京)
木村加乃(院1=愛知・至学館大)

▽400メートル障害

大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園) 
内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)
千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)

▽1万メートル競歩

藤田真美加(スポ3=千葉・成田)
広瀬夏希(社2=東京・富士)
中島橙子(スポ1=群馬・前橋女)

▽走高跳

矢野夏希(スポ2=愛知・時習館)

▽走幅跳

内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)

▽7種競技

内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)

林美希(スポ1=愛知・中京大中京)

▽4×100メートルリレー

鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)
中村真由(政経4=東京・早実)
山越理子(人3=東京・富士)
上島周子(スポ2=東京・富士 )
イベル聖羅(商1=京都橘)
林美希(スポ1=愛知・中京大中京)

▽4×400メートルリレー

大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)
清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)
上島周子(スポ2=東京・富士 )
山本真菜(スポ2=三重・伊勢)
千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)
正木紗(スポ1=岡山朝日)
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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