「キラキラ輝く毎日を過ごすこと」 大阪体育大学教育学部・松本直子准教授(幼児教育)コラム

大阪体育大学
チーム・協会

大体大先生リレーコラム「本物を学ぼう」第4回

 大体大先生リレーコラム「本物を学ぼう」。第4回は教育学部・松本直子准教授の「キラキラ輝く毎日を過ごすこと」です。

キラキラ輝く毎日を過ごすこと

1. 『あそび』を通して学ぶこと
 皆さんのこどもの頃は、どんな遊びが好きでしたか?
 私は、草花を摘んだり、友達と鬼ごっこや、ドッジボールをしたりすることが大好きでした。では、皆さんは、『あそび』と聞くとどのようなイメージが浮かぶのでしょうか。「いつまでも、遊んでないで勉強しなさい」と何度も言われた人には『あそび』は良い心象ではありませんね。
 しかし、保育や幼児教育の世界では『あそび』はとても大切で、『あそび』を通して子どもたちは、喧嘩したり、上手にできるようになるまで何度も繰り返したりしながら、様々なことを学んだり、成長したりします。そして、子どもたちは、遊びを通じて将来の学習への興味を育む基盤が築かれています。
 例えば、子どもたちと一緒に遊ぶと、いつも感じるのですが、子どもたちの見ている世界はとてもキラキラしています。ある夏の日、セミの抜け殻をたくさん拾ってきて大事そうに私にくれました。大人から見れば、単なる抜け殻ですが、子どもたちには美しく光る琥珀色の宝石なのです。「先生、目をつむって座って」というので、その通りにすると「綺麗なブローチだよ。先生めっちゃ可愛くなったよ」と言って、抜け殻が壊れないように、そっと両手で包みながら、私の洋服に優しくつけてくれました。また、ある子どもは、「先生、なんでセミって、服、脱ぐん?」と物事の不思議さに気が付きます。
 このように毎日子どもたちと一緒に遊ぶことで、子どもの持つ純粋な視点や感性、科学的な眼差しに触れることができ、『あそび』の大切さを体感します。子どもの目を通した、輝く世界をつい忘れてしまいそうになる私ですが、いつまでも、同じ目線で共有する事、楽しさ、美しさ、こどもの心もちに感動できる大人でありたいと思っています。

2. 愛着と信頼関係
 さて、子どもには『あそび』が大切だとお話しましたが、それ以外に大切なことは何でしょうか?
 それは、『愛着』といって一定の大人との情緒的な絆をつくること。これが今後の人間関係を構築する上で、最も重要だと考えます。愛着は子どもの安定した発達にとって不可欠であり、信頼関係を築くことで子どもは安心感や自己肯定感、社会性などを育むことができます。また、愛着は自己調整能力の基礎ともなり、困難な状況に対するレジリエンス(回復力)を高める役割を果たします。ですから、私は日々の生活の中で、子どもたちや大学生と共に過ごす時間を大切にし、その瞬間、瞬間の輝きを感じ取ることができ、信頼関係を結べる大人でありたいと願っています。そのためには、自分自身も好奇心旺盛で、柔軟な心を持ち続けることが重要です。
 さらに子どもたちの目を通して見る世界は、私たちにとっても新たな発見と喜びをもたらします。そして、彼らの成長を見守り、その過程を一緒に楽しむことができるのは、何よりも素晴らしい経験です。
 大阪体育大学では、楽しさと子どもたちの目線で見るキラキラを、実感できる学びと実践が展開されています。皆さんと共に、子どもたちの健やかな成長をサポートする保育者として成長してみませんか。


<キーワード>
保育者 乳幼児の遊び 愛着

【大阪体育大学】

松本直子(教育学部准教授)

 保育士・幼稚園教諭・スクールカウンセラーを経て大学教員。 専門は、幼児教育・発達心理学。こどもや保育者の情動知能(心のIQ)や保育者の質の向上について研究をしている。

※リンク先は外部サイトの場合があります

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント