【#スタジアムを繋ぐ】#002 小野修平さん(鎌倉インテル・シティ在籍)ー 「新しいスタジアム」でクラブとの関係をさらに深めたい

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 684の個人と企業の支援を通して完成した「みんなの鳩サブレースタジアム(鳩スタ)@湘南深沢」は3年間の歴史に幕を閉じ、2024年9月(予定)に終わりを迎える。そして今、「みんなのスタジアム構想プロジェクト」の第二歩目となる新しいスアジアむ建設に向けてクラブは動き出した。未来への夢を繋ぎ、場所を繋ぎ、文化を繋ぐ。みんなでスタジアムを繋ぐため、プロジェクトの第二章へ向けてみんなの思いを綴っていく。
今回は、鎌倉市内でオリジナルブランド店「ONE KAMAKURA」を経営し、エンジョイ志向の4thチームである鎌倉インテル・シティでもプレーする小野修平さんの思いを聞いた。

(文・本多辰成/スポーツライター)

ブランド名「ONE KAMAKURA」が繋いだ鎌倉インテルとの縁

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 鎌倉市内でアパレルやアクセサリーなどを扱うオリジナルブランド店を営む小野修平さん。鎌倉インテルとの出会いは、そのブランド名である「ONE KAMAKURA」の名がきっかけだった。

 まだ「鳩スタ」が存在していなかった2019年、クラブ創設2年目の春。鎌倉インテルの四方健太郎代表が訪ねてきた時のことを小野さんは回想する。

 「鎌倉インテルを創設して間もなかった頃、鎌倉をひとつにしたいという思いの中で『ONE KAMAKURA』という言葉が生まれたようで。どうやら市内に同じ『ONE KAMAKURA』という名前の店があるらしい、ということで四方さんが共通の知人と一緒に訪ねてきてくださったんです。その時に鎌倉にJリーグクラブをつくりたい、サッカーというツールで鎌倉をひとつにしたい、というお話を聞いて。僕もサッカーをやっていたので、できる限りのことは応援したいなと。それが鎌倉インテルとの出会いでした」

 小野さんは東京で会社員をしていた13年ほど前に副業として夫婦でブランド『ONE』を立ち上げ。ハンドメイド商品であるため「一点もの」の意味とお客様との「一期一会」を大切にしたいとの思いから名づけられたブランド名だった。その後、横浜への転勤を機に憧れの地であった鎌倉に移住。移住後にブランド名を『ONE KAMAKURA』に変えていた。

 そのネーミングが思いがけず鎌倉インテルとの縁を繋ぎ、疎遠になっていたサッカーとの縁も蘇らせた。

「僕は学生時代にサッカーをやっていたんですけど、もうサッカーから離れて20年近くが経っていました。子育てに必死でサッカーは頭の片隅にもなかったくらいだったので、鎌倉に来て違う角度からまたサッカーとの出会いがあるとは思っていませんでした。なので、四方さんがサッカーの話を持って訪ねてきてくださった時には、サッカーとのご縁がまだ切れていなかったんだなという思いでうれしかったですね」

鎌倉インテルと「鳩スタ」が思い出させてくれたサッカーへの情熱

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 「鳩スタ」が完成した2021年。その年の2月頃に、現在、鎌倉インテル・シティのGMを務める岡田祐介さんを紹介されたのをきっかけに小野さんは本格的にクラブに関わるようになった。岡田GMは小野さんが中学、高校時代にプレーしていた横河武蔵野FCの後輩に当たるという縁もあった。

「鳩スタ」が完成すると、小野さんは藍染めのワークショップを開催するなどの形で頻繁にクラブ主催のイベントに参加するようになる。2022年7月からは鎌倉インテル・シティの一員となり、毎週土曜日には「鳩スタ」で行われる練習で汗を流している。

 プロを目指して頑張っていたという高校2年時に負った怪我をきっかけにサッカーから遠ざかってしまっていた人生だったが、「鎌倉インテルがパンドラの箱を開けてくれた」と小野さんのサッカーへの情熱は再燃した。

「今42歳なんですが、この20年間失っていたサッカーへの思いを再認識しました。この年になってこんな気持ちになれるのは、やっぱり自分はサッカーが好きなんだなと思いましたし、本当に鎌倉インテルと『鳩スタ』のおかげです。僕は鎌倉という土地を選んで住んでいるのもあって、鎌倉インテルの地域に対する思いやコンセプトにも共感する部分があります。人とサッカーと地域という三つへの思いが、鎌倉インテルとの出会いですごく高まりました」

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 鎌倉インテル・シティの練習や試合、イベントでのワークショップ出店などに加え、時間があれば試合観戦にも足を運ぶ。現地で応援するのはトップチームだけでなくクラブの全カテゴリーが対象で、「ポジティブな声掛けをして鼓舞して、一緒になってサッカーを楽しませてもらっている」と「鳩スタ」を満喫している。

「『鳩スタ』は大好きな場所になりました。あの場所に集まるサッカーを愛する人たち、スクール生であっても、対戦相手であっても、『鳩スタ』に関わる全ての人たちが大好きなんです。『鳩スタ』での時間は今の僕のライフワークバランスを支えるとても大きなものになっていて、とても愛おしい存在です」

「新しいスタジアム」でクラブとの関係をさらに深めたい

 小野さんが鎌倉インテル・シティでプレーするようになって2年が過ぎる今年9月、「鳩スタ」は湘南深沢での歴史に幕を閉じ、新たな場所へと移る。小野さんにとって完全に生活の一部となったグラウンドがなくなってしまうことには「悔しい気持ち、残念な気持ち」があると言うが、一方で「第二章」への期待も大きい。

「『鳩スタ』なくして鎌倉インテルはないと思いますし、スタートとしては大大大成功だと思っています。本当に1日でも長く『今の鳩スタ』を継続してもらいたいですが、移転はもう変えられない現実。であれば、今以上の新たな鎌倉インテルのホームグラウンドをまたみんなでつくっていくんだと思います。もっとみんなが喜んで集まってくる場所に変えるだけの魅力が鎌倉インテルというクラブにはあると思うので、信じてついていこうと思っています」

 地域愛とサッカー愛、そして関わる人たちへの愛。小野さんは鎌倉インテルというクラブにそういったものを強く感じているという。それは小野さん自身の活動や思いともリンクするもので、今後はさらに多角的にクラブとの関係を深めていきたいと話す。

「鎌倉インテルとうちの『ONE KAMAKURA』というブランドが、もっと相乗効果でお互いけん引し合えるような距離感になれればと考えています。たとえばクラブハウスの横で何か物販などもできれば面白いと思いますし、いろんな形での可能性がまだまだたくさんあると思うので。今の関係以上の関係に来年、再来年ともっと深い戦友、仲間になれたらうれしいですね」

「ONE KAMAKURA」の名の下に繋がった小野さんと鎌倉インテルの関係は、新スタジアムでさらに深まっていくのだろう。

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著者プロフィール

鎌倉インターナショナルFC(通称:鎌倉インテル)は、世界で最もグローバルなスポーツであるサッカーを通じて未来の日本を国際化していくため、2018年に設立された新しいサッカークラブです。現在は神奈川県社会人リーグに所属していますが、プロサッカークラブ(Jリーグ参入)、そして世界を目指して活動をしています。『CLUB WITHOUT BORDERS』をビジョンに掲げ、日本と世界を隔てる国境をはじめ、性別、年齢、分野、そして限界、あらゆる“BORDER”(境界線)をもたないサッカークラブを目指しています。

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