早大バレー部男子 2500人超が熱狂 ストレート勝利で早慶戦10連勝!

チーム・協会
第88回早慶バレーボール定期戦 6月8日 早稲田アリーナ
【早稲田スポーツ新聞会】記事 指出華歩、写真 小島大典、近藤翔太、町田知穂

 熱気渦巻く早稲田アリーナ。第88回早慶バレーボール定期戦は「早慶戦満員プロジェクト」の名の下、早大ホームのメリットを最大限に生かした会場づくりが施された。キッチンカーの出店やグッズ販売といった、普段の試合では見られない光景を一から作り上げてきた選手たち。それに応えるかのように、早稲田アリーナは立ち見客も溢れ、2500人超の観客で埋め尽くされた。

 開会式では浅野翼主将(スポ4=宮城・東北)が優勝杯返還、選手宣誓、慶大の渡邊大昭主将(商4=神奈川・慶應)とフラッグ交換を行った。その後、応援部によるエール交換、校歌斉唱で士気を高める。 試合開始前には選手全員がユニフォームを身にまとい、名前を呼ばれるとエスコートキッズとともに入場。試合開始のホイッスルが鳴り、大観衆が見守る中、男子戦がスタートした。

フラッグ交換を行う浅野主将と渡邊主将 【早稲田スポーツ新聞会】

 試合は圧倒的な攻撃力と安定した守備で1、2セットを連取する。3セット目では慶大による粘り強い反撃でデュースへともつれ込むも、接戦を制し、セットカウント3―0(25−20、25―19、32―30)でストレートで慶大を下した。

  慶大の先制点によって幕開けとなった第1セット。序盤から初の早慶戦に臨むルーキー・OH小野駿太(スポ1=静岡・聖隷クリストファー)が躍動する。ブロックを弾き飛ばすキレのあるスパイクで早大初得点を奪うと、鋭い角度のインナースパイク、そしてストレートと次々に相手コートへと打ち込んだ。早大の猛攻は続き、OH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)の鋭いクロス、セッター前田凌吾副将(スポ3=大阪・清風)との息のあったMB菅原啓(教2=山形南)のクイックと着実に点数を重ね、慶大に流れを渡さない。慶大エース渡辺大昭の攻撃もMB大谷陸(スポ2=埼玉・川越東)が高さあるブロックで封じ込め、終始リードを保って危なげなく第1セットを先取した。

初の早慶戦でスパイクを打つ小野 【早稲田スポーツ新聞会】

 続く2セット目は拮抗(きっこう)した試合展開が続いた。大谷の高い打点からのクイック、佐藤のパイプ攻撃が決まるもなかなか点差は広がらない。ブレイクが出ないまま迎えた終盤。20ー19の場面で、大谷がサービスエースを決めると流れは一気に早大へ。リリーフサーバーで投入された伊東昌輝(商2=山梨・日本航空)のレセプションが相手コートへ返るもミスを誘って得点。小野、OH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)のスパイク、最後は伊東のサービスエースで6連続得点を奪い、このセットも取り切った。

サービスエースを決めた伊東 【早稲田スポーツ新聞会】

  3セット目は反撃を試みる慶大の強気なサーブで始まった。序盤、3枚ブロックを打ち抜く佐藤のバックアタックが炸裂、そして前田の相手を欺くツーアタックで会場を沸かせる。しかし、23ー19の場面でミスが続くと、慶大の猛追が始まった。4連続得点を許し、24ー24と同点に追いつかれると、試合はデュースへともつれ込む。逃げ切りたい早大に怒涛の追い上げで盛り上がりをみせる慶大が必死に食らいつき、両者一歩も譲らない。しかし、30ー29の場面で浅野翼主将(スポ4=宮城・東北)の正確なレセプションから菅原のクイックが決まると、これがセットポイントとなり、最後は長いラリーを佐藤が決め切り32ー30で接戦を勝ち取った。勝利が決まると、ベンチの選手もコートになだれ込み、「紺碧の空」を大合唱。割れんばかりの拍手が鳴り響いた。

浅野主将のレセプション 【早稲田スポーツ新聞会】

  両校の誇りを胸に挑んだ早慶戦。「応援してくれる人の存在を改めて実感した」(小野)と語ったように、大声援の中でプレーできたことは選手達の力になっただろう。次に控えるは東日本大学選手権大会(東日本インカレ)だ。慶大が1回戦を突破した場合、早大の初戦の相手は慶大。またも早慶戦が見られるかもしれない。今回の早慶戦では、春季関東大学リーグ戦での課題は乗り越えつつあるように感じられた。東日本インカレでも結果にはとらわれず、常に早大らしいバレーを、自分たちの「100パーセントを出して」(浅野主将)いきたい。

コメント

浅野翼主将(スポ4=宮城・東北)

ーー今日はどのような気持ちで早慶戦を迎えましたか

 88回にわたる伝統ある早慶戦に出場できること、開催できることを誇りに思うとチーム全員に伝えました。プレーに関しては勝ち負けもそうですが、自分たちが一番大切にしたいのは全カレ(全日本大学選手権大会)に向けて、いい通過点になるようにというか、ひとつのポイントとして今までレセプションをやってきたので、それをどこまでできるかをこの試合で精一杯やっていこうとしました。勝ちにこだわるのではなく、今自分たちができる全部を出すということを意識してやってきました。

ーー試合を振り返って

 チームとしてはブロックやディグの場面でブレイクできない苦しい場面があったのですが、その分レセプションで踏ん張ってサイドアウトを取るということをチームとしてできたから勝てたのかなと思います。

ーー3セット目長いデュースでしたが、内心いかがでしたか

 本当になんでかわからないですけど、楽しかったというか。プレッシャーもありましたけど、その分自分も練習してきたので、それをしっかり出そうととにかく意識して。プラス、役職としてキャプテンなので、役割を少しでも果たせるように、春リーグでは1回(相手に)いかれるとどうしても立ち直せずに取り切れない場面があったのですが、そこを今日勝ちきれたのは自信になったと思います。

ーー満員の早慶戦はいかがでしたか

 自分はあまり試合中は意識してなかったのですが、ラリーが続くと歓声がすごい聞こえてきて、励みになりました。

ーー東日本インカレへの意気込み

 東日本インカレで自分たちができる精一杯を、100パーセントを出して、そこで出た課題を全カレに向けて後半にチームとして修正することを心がけてやっていきたいと思います。もっともっと自分たちの精度を高めていきたいです。

大谷陸(スポ2=埼玉・川越東)

ーー今日の試合をチーム、個人で振り返って

チームとしては、主力メンバーではなく自分も(スタメンが)初めてで、松井(松井泰二監督、平3人卒=千葉・八千代)さんからもフルセット覚悟で行くぞみたいに言われたのですが、このチームでもストレートで勝ち切れたので良かったと思います。個人としては、スタメンでミドルとして初出場させてもらって、早慶戦という大きな舞台で緊張をしたのですが、アップを始めてからだんだんそういう気持ちが、緊張よりもワクワクになりましたが、案の定、初(スタメンだから)という言い訳はしたくはないのですが、2セット目の後半と3セット目で足をつってしまい、交代してしまったので、ちょっと申し訳ないなっていうのをチームに思います。

ーー早慶戦で観客席が満員でしたが、プレーしていていかがでしたか

ここが自分の(試合が)できる場所だって、最初はワクワクだけだったのですが、途中で緊張が勝って、最後はワクワクの方が勝ちました(笑)。こんなにたくさんの人たちが見てくださっていつもありがたいです。そこで、自分のプレー1つ1つがこの大人数に見られるっていうを肌で感じて興奮しました。

ーーアップの時はあまりクイックが合っておらず、2セット目から決まり出した印象だったのですが、慣れてきたという感覚でしたか

凌吾(前田凌吾、スポ3=大阪・清風)さんが(クイックを)使ってくれるタイミングとかも、もちろん自分が決めれるタイミングとか、ゲームの流れとかの時に使ってくれたので、 凌吾さんのおかげだと思います。あとは、いつも通り練習で打てるコースを今日も打てたので、日々練習でやってきたってことが出たのかな思います。

ーーシャットもありましたが、ブロックについてはいかがでしたか

ブロックに関してはちょっと苦手意識があって、今日はいつも言われてる流れないとか手を前にに出すことをちゃんとやろうと思いました。あとはゲスしない、相手側のセッターがトスをする前に先に動くことがゲスって言うんですけど、 ちゃんと相手のセッターのトスを見て、ちゃんと体が動いて、そのシャットにもつながったのかなと感じます。

ーー東日本インカレの意気込みをお願いします

 東日本はミドルブロッカーは同期の麻野堅斗(スポ2=京都・東山)が代表でいないので、自分と菅原啓(教2=山形南)、慧さん(板垣慧、政経3=京都・洛南)、後輩のローゼン(ローゼンマーク有廉ジュニア、スポ1=茨城・土浦日大)の4人でやっていくんですけど、自分がスタメンででる可能性もあるので、万全な状態で東日本に臨めるようにあと2週間、3週間弱取り組んでいきます。

小野駿太(スポ1=静岡・聖隷クリストファー)

ーー試合を振り返って

 自分としては納得のいく形でスパイクが打てたり、サーブレシーブも返せたりできたのですが、チームとしては途中で気が抜けてブレイクされてしまう場面があったので、そこは修正する必要があったと思います。

ーー初の早慶戦でしたが、いかがでしたか

 春リーグ(春季関東大学リーグ戦)よりもお客さんが入っていて、すごい緊張があったのですが、会場に入った時の一体感で、応援してくれている人の存在を改めて実感することができて、すごく良い経験ができたと思います。

ーー春リーグで雰囲気作りが課題でありましたが、今日はいかがでしたか

 自分の中ではまだ足りなかったのですが、声は出せていたのかなと思うので、これからはもっと声を出して、雰囲気づくりをしていきたいです。

ーー3セット目で長いデュースでしたが意識していたことは

 ここで1セット取られたら、またずるずる行ってしまうので、絶対に決めきりたい気持ちが強かったです。

ーー東日本インカレへの意気込みをお願いします

 春リーグでは2位という結果になってしまったので、まずは、優勝を目指して、その中でも全日本インカレを見据えて、プレーをしていきたいです。

徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)

ーー今日の試合をチームとして、個人として振り返って

チームとしてはサイドアウト75パーセントというのが目標だったので、それをセットで80パーセントという高い数字で残してたので良かったです。個人としては自分はレシーブが一番得意としてるプレーなので、レシーブを軸に何とか(ボールを)落とさないというのを心掛けながらプレーできたので良かったかなと思います。

ーー初の早慶戦となりましたが、そこに関してはいかがでしたか

早慶戦の雰囲気などを全く分からなくて、本番が来て女子が最初に試合をしているのを見て、やっぱすごいんだなと思いました。歴史を感じました。

ーー今日はアウトサイドヒッターでなくオポジットでの出場でしたが、何か変わったことはありましたか

終盤に自分がミスをしてしまったので、ああいう場面でミスを出さないように、これから東日本に向けていい課題になったと思います。

ーー最後に東日本への意気込みをお願いします

東日本では多分ベンチスタートになると思うので、いつどんな状況でも出れるように準備して、今回できなかった課題となったことを東日本ではしっかりとできるようにしたいです。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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