早大バスケ部男子 後半に流れをつかみ慶大撃破!5年連続で早慶戦を制す

チーム・協会
第82回早慶定期戦 6月15日 国立代々木競技場第二体育館
【早稲田スポーツ新聞会】記事 権藤彩乃、写真 西本和宏、石澤直幸

 今年で82回目を迎える早慶定期戦(早慶戦)。夏の日差しが降り注ぐ中、伝統の一戦を見届けようと詰めかけた観客で代々木第二体育館は満員となった。ひしめく歓声に応えるように、第1クオーター(Q)は両校スリーポイントを高確率で決めて会場を盛り上げる。5点リードで第2Qに突入するも、早大の得点が停滞してしまい逆転を許す。悪い流れを断ち切れないまま前半を終え、28-32で後半へ。しかし第3Qの入りで3連続得点し見事再逆転に成功すると、リズムをつかんだ早大がじわじわと点差を離していく。慶大が追い上げる場面もあったが後半はリードを守り切り、65-53で勝利を収めた。

 大歓声の中始まった第1Q。先制点は慶大に奪われたが、F小野功稀(社4=新潟・開志国際)がスリーポイントを決め返す。続いてG高田和幸(商3=京都・洛南)、G堀田尚秀(スポ3=京都・東山)がスリーポイントを決め、好調な滑り出しを見せる。このまま早大がリードするかと思われたが、慶大も第1Q後半からスリーポイントを3本沈め、同点に。拮抗(きっこう)した展開に観客が盛り上がりを見せる第1Q終盤、C高羽優介(法4=東京・早大学院)がアシストから得点し、G下山瑛司(スポ2=愛知・中部第一)がスリーポイントを決める。5点のリードを作り、第1Qを終えた。第2Q、このまま勢いに乗りたいところだったが、外角からのシュートが決まらず得点が停滞。さらにディフェンスリバウンドを取りこぼし、慶大のバスケットカウントで逆転を許してしまう。その後も早大はミスが重なり、なかなかリズムを立て直せない。第2Q終盤、F石坂悠月(スポ4=東京・国学院久我山)がリバウンドから得点するも、慶大に3点を返され、点差を縮めることはできず。28-32で前半を終えた。

ボールを保持する下山 【早稲田スポーツ新聞会】

 前半からの流れを断ち切りたい後半戦。第3Q開始直後に下山、小野のスリーポイント2本を含む3連続得点で再逆転に成功すると、早大が一気に流れを引き寄せる。下山、高田が続けて得点し、調子を上げ続ける小野が連続得点。さらに堀田がスリーポイントを沈め、点差は13点に。慶大がタイムアウトを要求し立て直しを図るが、フリースローで着実に得点を重ねて流れは渡さず。13点差を保ったまま、第3Qを終えた。迎えた最終第4Qは、開始直後に慶大が連続得点。慶大の追い上げを受ける早大だが、下山や高田、G飯島慶記主将(人4=茨城・下妻一)の得点でリードを保つ。また、ハードなディフェンスやルーズボールなどそれぞれの献身的なプレーも光り、慶大に流れを渡さない。最後はG福永陸眞(教4=東京・早実)、C松山雄亮(スポ4=京都・洛南)、G大柳慶悟(教4=東京・早実)の4年生3人が出場し、4年生全員がコートへ。惜しくも4年生のシュートで試合を終えることはできなかったが、65-53で伝統の一戦を見事勝利で飾った。

レイアップシュートを打つ小野 【早稲田スポーツ新聞会】

 飯島主将は試合後、「最上級生として迎えた早慶戦を勝ち切れたことは本当にうれしい」と率直な感想を口にした。早慶戦ほど多くの観客が集まる試合は、関東大学リーグの大会ではめったにない。それほど注目される伝統の一戦での勝利は格別な重みがあるに違いない。そして早大の次なる戦いは秋の関東大学リーグ戦。飯島主将は「目標は一部昇格しかない」とまっすぐに語った。昨年度の雪辱を誓う早大の、これからの活躍に期待がかかる。

閉会式後の集合写真 【早稲田スポーツ新聞会】

コメント

G飯島慶記主将(人4=茨城・下妻一)

――早慶戦を勝利で終えましたが、今の率直な感想は

最上級生として迎えた早慶戦で勝ち切れたことは本当に嬉しいことだなと思います。あとは、この舞台を作ってくれたマネージャー陣だったり、OBの方々、協賛してくれた方々に本当に感謝してます。

――第2Qで逆転される展開になりましたが、ハーフタイムに話したことは何かありますか

慶応さんにボール際の勢いで負けていて、僕たちがそこでは負けてはいけないっていうことを試合中ずっと言っていました。なので、「後半はディフェンスから、1個1個強度を高くやっていこう」、「ハードにやっていこう」ということを裏で話して、第3Qでみんなそれを表現してくれたので良かったかなと思います。

――飯島主将はディフェンスやルーズボールなど献身的なプレーが印象的でした。ご自身のプレーで何か意識していたことは

活躍したいっていうのは結構あったんですけど(笑)。それでもチームの勝利のために今一番ためになることをやろうと思って、ディフェンスだったり、オフェンスリバウンド、ディフェンスリバウンドが取れていなかったので、そこのところは絶対絡みに行こうって思っていました。やっぱり早稲田の流れがいい時はディフェンスがしっかりしているので、僕と瑛司(下山)が中心となって、ディフェンスはガンガン前から当たれたらいいなと思います。

――次のリーグ戦に向けての意気込みをお願いします  

本当に目標は一部昇格しかないです。この半年間、これまでみんなが積み上げてきたものは一部昇格のためのものなので、絶対に一部昇格できるように頑張っていきます。

F小野功稀(社4=新潟・開志国際)

――接戦の末に早慶戦を制した感想は

勝ててよかったという素直な安心感でいっぱいです。慶応がこの舞台に懸けてきていて、接戦になることはこの4年間で知っていた事なので、自分たちが悪い展開になっても、諦めずにやるべきことをやり続けようということを話して、それが後半の結果につながったのかなと思います。

――第2Qに逆転される展開となりました。ハーフタイムに話したことや考えたことは

ディフェンスリバウンドで相手に競り負ける事が多かったのでそこをやらせないようにしようということ、また、良いシュートは打てているので打ち続けて逆にオフェンスリバウンドなどチャンスを増やしていこうと話しました。

――第3Qの入りで再逆転に成功しました。リードを守った後半を振り返っていかがですか

ハーフタイムに話したリバウンドの部分だったり、シュートを打ち続ける事が後半になってアジャストすることができました。ディフェンスリバウンドも自分たちが取れるようになりましたし、シュートもどんどん入ってきたので、あとはトランディションを早くしようと目指し、相手にセカンドチャンスをやらせなかったことで、自分たちのペースをつかめて攻めが多くなったのが得点が伸びた要因かなと思います。

―― ご自身のプレーを振り返っていかがですか

G堀陽稀(スポ3=京都・東山)とF三浦健一(スポ2=京都・洛南)が怪我でおらず、PFが自分だけという不安はありながらも、相手のやりたい事をやらせない事を目標に練習してきました。その結果としてマッチアップする相手のオフェンスリバウンドなどのゴール下を全てではありませんが、ある程度止められたのは良い部分だと思います。

――リーグ戦への意気込みをお願いします

2カ月ほど期間が空くので、そこで今日の反省点であったり、これからどうしていくのかっていうことを話し合っていきたいです。僕たちは2部相手に勝つことを目標にしてるのではなく、2部で優勝し、チャレンジマッチで勝って、1部に上がって、インカレで1部のチームに勝つということを目標にしているので、目の前の相手ももちろんですが、さらに先を見据えて目標を高く練習からもっとアグレッシブにやっていけたらなと思います。

G下山瑛司(スポ2=愛知・中部第一)

――接戦の末に早慶戦を制した感想は

うれしいのはうれしいのですが、4年生がプレーする時間を多く作れなかったのは実力の無さなのかなと思います。

――第2Qに逆転される展開となりました。ハーフタイムに話したことや考えたことは

相手にやりたいことをやられているだけなので、やりたいことをされる前に先手を打つようなオフェンスやディフェンスをしていこうと話しました。前半ではリバウンドでやられていたので、全員が意識して相手に取られないようにしようということは自分から話しました。

――主力を欠く中、ポイントガードとして得点面でもチームを率いた自身のプレーを振り返っていかがですか

スリーポイントやジャンプシュートなど、決めきれない部分が多かったです。そこが決まっていればこのような苦しい試合展開にはならなかったと思うので、そういったシュートの精度をもっと上げていきたいです。

――リーグ戦への意気込みをお願いします

2部ではありますが、全チームが1部を狙っているリーグ戦になると思うので、気持ちの部分で負けないように、早稲田らしさを全開に出して、チームを引っ張っていけるガードになれるようにこれからやっていきたいです。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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