JRA馬と互角の走りのウルトラノホシ、南関東トップジョッキーも参戦の3歳頂上決戦/佐賀・栄城賞データ分析
ここでは2014年~23年の過去10年のデータを元に分析を行う。
1番人気の信頼の高さと、伏兵馬頻出の難解レース
波乱の印象の強い栄城賞だが、1番人気の信頼度も高く、3着内率は90%。1番人気は押さえつつも、伏兵馬への警戒も必要そうだ。
差し4勝と、様々な脚質から狙える舞台
対して、逃げ馬の3着内率58.8%は他の重賞レースと比較しても若干高めの数値。逃げ、先行、差しと幅広い脚質の馬にチャンスがあると言える。
9番より内枠から勝ち馬が出る
意外と牝馬の優勝も多い一戦
佐賀皐月賞3着以内組の信頼度高し
なお、データは現行の競走体系に路線整備された2018年以降のもの。
勝つのはこういう馬
② 佐賀皐月賞3着以内
③ 枠は内~真ん中ならなお良し
断然の1番人気が予想されるのはウルトラノホシ。地元佐賀では5戦4勝で、船橋・ブルーバードカップJpnIIIでは勝ったアンモシエラから約1馬身差の4着とJRA馬相手にも活躍している。挫跖からの復帰戦だった前走・佐賀皐月賞は「6割くらいのデキ」(真島元徳調教師)という中で快勝。雄大なフットワークからは2000mの距離もこなせそうで、不安材料は見当たらない。鞍上の石川倭騎手(北海道)は冬場に佐賀での期間限定騎乗を行い、毎回リーディング上位の勝ち星を挙げる。佐賀コースを知り尽くしており、同馬には7戦続けての騎乗。①②③すべてに当てはまる。
相手筆頭は佐賀皐月賞3着のトレベルオールか。佐賀皐月賞ではやや出遅れて後方からとなりながらも、上がり最速の39秒3の脚で追い込み3着だった。4戦続けて上がり3ハロン最速の末脚を使えており、差し馬4勝のこの舞台も合いそう。なお、今回が初騎乗の笹川翼騎手(大井)は17年フジノカミワザで当レース2着の実績がある。②③に該当。
佐賀皐月賞2着のデッドフレイは真ん中よりやや外目の8番枠に入ったが、過去10回のデータからは9番枠から勝ち馬も出ており、許容範囲だろう。重賞挑戦は今回が3回目で、佐賀若駒賞3着、佐賀皐月賞2着と勝ち馬との差も1戦毎に詰めてきている。③に該当。
鯱の門特別からは今年は勝ち馬の出走がなく、4着シーブレが鯱の門特別組としては最上位。ただし、同レースは2着以内に入った馬でも佐賀皐月賞組に比べ苦戦傾向にあることを考えると、積極的には狙いづらいか。
また、重賞3勝の実績があるトゥールリーには矢野貴之騎手(大井)が前走・佐賀皐月賞(4着)に続いて騎乗。「乗り難しい面がある」としつつも、「距離は問題ない」とのことで、さらなる前進が期待される。牝馬のケンタッキーグレイには澤田龍哉騎手(船橋)が騎乗で、出走馬は地元馬限定だが、ジョッキーは全国各地から集まる一戦となった。
文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日や週末は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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