第一生命 D.LEAGUE 23-24 ROUND.13!!CyberAgent Legitがレギュラーシーズン2連覇確定!CS進出も3チーム確定!I’moonがスウィープで今シーズン初勝利のドラマも!MVDはKaren。

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チーム・協会

Medical Concierge I'moon 【D.LEAGUE】

世界最高峰のプロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE 23-24」(以下D.LEAGUE)のROUND.13が2024年5月3日、東京ガーデンシアターにて行われた。残り1ラウンドを残し、ポイントからCyberAgent Legitのレギュラーシーズンウィナーが確定。そしてFULLCAST RAISERZ 、KOSÉ 8ROCKS、Valuence INFINITIESの3チームがCS進出を決めた。また、Medical Concierge I'moonは決定今シーズン初のスウィープ勝利、新体制となり苦悶の時期を乗り越えた涙の勝利となり、KarenがMVDとなった。結果は以下。

1st Match : avex ROYALBRATS VS LIFULL ALT-RHYTHM(5-1)
2nd Match : dip BATTLES VS DYM MESSENGERS(2-4)
3rd Match : FULLCAST RAISERZ VS Medical Concierge I'moon(0−6)
4th Match : Benefit one MONOLIZ VS SEPTENI RAPTURES(3-3)
5th Match : SEGA SAMMY LUX VS Valuence INFINITIES(2-4)
6th Match : KOSÉ 8ROCKS VS CyberAgent Legit(4-2)

Legitに勝利しCS進出を決めた8ROCKSの「継承の精神」

D.LEAGUEは全14回のレギュラーシーズンで勝敗に応じたポイントが与えられ、上位6チームがCS(チャンピオンシップ)に進出する。そしていち早くCS進出を確定させ、首位独走のポイント差でレギュラーシーズンウィナーが確定したのがCyberAgent Legitだ。

今回のラウンドでは1st MatchのaRBの勝敗が多くのチームのCS進出確定に影響し、3rd MatchのRAISERZの得点もしくは6th MatchのLegitの戦績で優勝が決まる。そうして2位のRAISERZの勝敗によりLegitのシーズン優勝が確定したものの、6th MatchではKOSÉ 8ROCKS と対決し惜敗、負けなしだった今シーズン初の黒星をつけることとなった。

8ROCKSは「SIGNATURE」をテーマとした。直訳すると署名、サインすることを表す言葉だが「とっておき」や「存在証明」などのニュアンスも含まれる。

ディレクターKAKUの所属するクルー、MORTAL COMBATのシグネチャームーブを取り入れ、進化させるという。メンバーそれぞれが特定の分野に特化し、20年を超える活動の中若手メンバーも加入し、日本一を決めるコンテストで何度も優勝し、進化するアートと言わしめたMORTAL COMBAT。そんなクルーからSPダンサーRINを招き、8ROCKSが苦渋を飲まされた首位Legitにリベンジを仕掛ける。

カウントダウンの時から板付きの状態で逆立ちを長時間維持し、照明を使った演出、スピード感のあるルーティーンへと続く。ルーティーンの中で相手の体に触れることはコンタクトワークと呼ばれるが、Taichiによる背中を使ったロンダート、プッシュされるバク転とリスクの高い技を安定して見せていく。

ドルフィンでのカノンからRINの倒立移動からソロ、COCOAのヘッドスピンを両サイドから二人が片手でもち、ラビットしながら回転移動。三点倒立を潜り抜け飛び越えアクロバットも飛び出しスピード感を上げていく。

MORTAL COMBATを知るダンサーたちからすればついつい笑顔が溢れてしまうハイスキルな技の波状攻撃だ。耐久エアチェアーからパワーだけでなく軟体を活かしたルーティンを交互に繰り出し、最後は九州男児のシグネチャームーブも飛び出し、会場からの歓声は鳴り止まなかった。

KOSÉ 8ROCKS 【D.LEAGUE】

対するLegitはTAKE IT EASYをコンセプトに、今シーズン幾度も大きな場面での勝利に貢献したakihic☆彡のディレクションを再度起用。今回で5作目だという。

ATOの着衣から椅子に腰掛けたメンバーのルーティーンとソロが始まる。NEO SOULやR&Bを取り入れたハウスミュージックに合わせ、グルーブだけでなくスタイリッシュさと小道具の並びを揃えるなど、高いテクニックが求められる作品だ。

音のないところで椅子と照明を使って音を作り出すカノン、ロッキンのルーティーンではかなり高いキックアウト、Legitのお家芸となった空間を歪めるようなスロールーティーンに、追い込みで一列に並びステップを中心としたルーティーン。最後のATOの鍵盤に合わせたソロと照明に合わせた追加点までニクい構成だ。

CyberAgent Legit 【D.LEAGUE】

結果は4−2の僅差で8ROCKSの勝利。今シーズン無敗のLegitは初めての敗北を経験した。

ブレイキンではバイト(噛み付く)、と呼ばれ、シグネチャーと呼べるレベルのオリジナリティの高いムーブは真似してはいけないという美徳があるが、逆にKAKUたちMORTAL COMBATはディクショナリー(教科書)として次の世代へ自分たちのシグネチャーを”継承”することを選び、8ROCKSはそれをしっかりとサンプリングし進化させた。

勝利が決まった瞬間、舞台袖のメンバーと喜びを分かち合い、そしてジャッジ席の横で見ていたKAKUに対して「KAKUちゃんありがとう!」と叫び喜びを表現したTaichiの姿が印象的だった。

試合後のインタビューでは「Legitは質の高い合わせと作品力が武器のチームです。僕らはシグネチャーをテーマに一人一人の個性に(焦点を当て)MORTAL COMBATさんのルーティーンとソロを全開に出した作品で勝負しました。率直にCS進出は嬉しいです。ラストラウンドを残して(進出が)確定したのは初めて。余裕を持って行けることに安心しています。次回のラウンドの結果で、CSで戦う試合数が変わる大事な一戦となるためこのいい流れで頑張ります」と、CSというハードな舞台への意気込みも語ってくれた。

スウィープでの初勝利となったI’moon、赤く輝く世界に涙

3rd Matchでは FULLCAST RAISERZ VS Medical Concierge I'moonの対戦カード、ランキング最下位という現状から流れを変えたいI’moonはここで今シーズン初の勝利を収めた。

先行のRAISERZはCS進出がかかった大事な一戦となる。BALST THE ENGINEをテーマに、バイカースタイルで強いギターサウンドに車にちなんだ音をSEとしてうまく音ハメを盛り込んでいく。
情報量を極力削ぎ落としながらパワーをしっかりと貯めるルーティーンに、リリックのフローに合わせたソロとルーティーン。

当然のようにアクロバットを安定して繰り出し、受け止める力技も披露。フォーメーションへのこだわりや、同じ1つの音でも3つの違う質感を乗せるようなこだわりと、シャウトや呼吸まで細部にまで魂を込めた作品のように伝わった。

FULLCAST RAISERZ 【D.LEAGUE】

そしてI’moonはボディシルエットの出るタイトな衣装に、モボ、モガ、とよばれた流行を彷彿とさせる髪型で登場。SPディレクターにMiu ideを迎え、ヒールダンスでの勝負に出た。RAISERZが肉体美を見せるように女性らしい曲線美をベースに、スタイリッシュさと力強い低音へのアプローチ、ヒールと柔軟性が見どころだが、時に人を超えた生き物のようなシルエットも見せていく。

本番で完璧に揃えることができた、というフロアを使ったカノンは、お互いの位置が把握しづらくかなりの高難易度だ。シンクロ率に定評のあるI’moonが、いつもなら2.3度合わせれば揃うところを、「前日にようやく(全成功でなく)成功率が上がったと思えた」ほど苦戦したという。

Medical Concierge I'moon 【D.LEAGUE】

ヒールのスタイルを取り込み、他のチームが出せないこと、このチームだから出せるダンス、を見事に出し切り、I’moonは今シーズン初勝利にして初のスウィープ勝利。会場全体が赤コーナーの色に染まった時、メンバーからは大粒の涙がこぼれていた。結果が出ず、暗中模索しついに勝利に辿り着いたメンバーたちの姿は、会場を感動の渦に巻き込んだ。

リーダーのCHIKAは「私は今年からD.LEAGUEに参戦し、今日まで勝利の景色を見たことがなかった。オフシーズンからMiu ideに師事し、ジャンルの美徳を1から学んだ。いつもよりハードルの高いことをやるからこそ研ぎ澄まされて集中してパフォーマンスできた。夢のようだった。今日は今までで一番泣いた。(舞台裏に帰り)頭痛がするほどだった。」と、その胸中を語っていた。

CyberAgent Legit、試合には負けどもシーズン優勝、その複雑な胸中は?

Valuence INFINITIESも、アーティスト活動を行っているKEINが生音を取り込んだ楽曲制作、ディレクションを担当した作品を展開する。要所要所に取り入れたコンタクトワークも光り、SEGA SAMMY LUXに4-2の僅差で勝利、見事CS進出を決めた。

これにより残りのCS枠は2枠となり、次回のラウンドではポイント集計上3チームでこの2枠を争うこととなる。

Valuence INFINITIES 【D.LEAGUE】

レギュラーシーズンウィナーが確定し、試合後にはインタビューでLegitのチームインタビューが行われた。Legitは昨シーズンもレギュラーシーズンで優勝をしたものの、CSで敗北し優勝に至らなかった。

手応えを問われるとディレクターのFISHBOYは「最初のシーズンは最下位でした。それがこうして連続でシーズン優勝するまでになるとは思っていなかったので、夢のようです。メンバーを誇りに思います。(嬉しいのは)勝っているからと調子に乗ることもなくストイックでいてくれる。これからもっとすごくなっていくと思える。(一緒に戦っていく上で)悔しい思いをすることがあっても幸せです。」と語り、チームメンバーへの厚い信頼が見てとれた。

また今日の結果について、KAI→は「昨年はラウンドで勝利してシーズン優勝を掴んだ。今年は負けたけどシーズン優勝を掴んだ。複雑な気持ちです。どこかに悔しい部分があり、この経験はCS優勝に必要なものだと思いました。」

SHOSEIは「CSまでに負けを経験できたからこそ、ギヤを一段あげてもっと強いLegitを見せることができると思います」と各々の想いを語っていた。勝って兜の緒を締めてきたLegitだからこそ、今回の勝敗を糧にさらなる進化が期待できそうだ。

CyberAgent Legit 【D.LEAGUE】

また、Legitはラウンド0で
「見ている人の心を動かす」
「シーズン中に海外に挑戦する」
「レギュラーシーズンとCSの両方を優勝する」
「シーズン終了後ZEPPでワンマン公演を行う」
の4つの約束を公言している。

これについて尋ねられるとFISHBOYは、以下のファンへのメッセージを語ってくれた。

「先日 BRITAIN'S GOT TALENTに出場しゴールデンブザーを獲得させていただきました。この結果にD.LEAGUEの皆様からも勇気をもらったと声をいただいています。出場できたことは奇跡のような運の良さだったと思っています。チームで挑戦することにNOという人は誰もいませんでした。このチャンスを掴んだからには、それを大いに活かしていろんな所に出て行きたいと思っています。そのためには色んな方の協力が必要です。D.LEAGUEの中のCyberAgent Legit、その先のCyberAgent Legitもぜひ応援していただけたら嬉しいなと思います」
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著者プロフィール

D.LEAGUEとは、“世界中すべての人に「ダンスがある人生」をもたらす”をミッションに、活動を通じてダンスへの認知・理解・共感を実現し新しい文化と産業構造を創造する、2020年8月に発足した日本発のプロダンスリーグです。

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