【ノルディックコンバインド】2023/2024シーズンを終えて 五輪採用見送りで葛藤が続いた中村安寿選手 最終戦で吹っ切れた思い「弱い自分を見つめ、また一から頑張る」

チーム・協会
 ノルディックコンバインドのFISワールドカップ(W杯)は、3月24日のトロンヘイム大会(ノルウェー)で2023/2024シーズンが終了。約4カ月に及ぶ長い戦い終えた選手たちにシーズンを振り返って感じたこと、来シーズンに向けた思いを聞きました。

 コンバインド女子W杯がスタートした2020/2021シーズンに総合3位、翌シーズンも総合順位こそ4位だったもののW杯初勝利を挙げ、後半クロスカントリーでは8戦中5戦で最速タイムという圧倒的な強さで「ベスト・スキーヤー・トロフィー」を獲得するなど、日本チームを引っ張ってきた中村安寿選手(株式会社ショウワ)。
ところが、大きな夢だった2026年冬季五輪での採用が見送りとなり、「W杯も世界選手権もあるから夢は消えていないと思ってみても、いざシーズンが始まるとどのゴールに向かっているのか分からなくなってしまった」。W杯参戦から初めて表彰台に上がることなく終えた4年目は、周囲の期待に応えなければという思いと、目標を見失って迷う本心との葛藤に苦しむシーズンになりました。
 そうした中で迎えたシーズン最終戦、来年の世界選手権の舞台でもあるトロンヘイムのレースで大きな気持ちの変化があったことを明かしました。

中村安寿選手 【全日本スキー連盟ノルディックコンバインドチーム】

―最終戦を終えて

「シーズン通していつか勝てると思っていたけど、そのいつかはなくて、今やらないと勝てないと思った。(後半距離では)なかなか挽回できない順位だったけど、来年の世界選手権のために最後まで頑張って走れた。今まで、やっていれば勝てると思っていたけれど、本気で勝ちたいならこの一瞬一瞬を頑張らないとダメだと目が覚めたレースでした。(気持ちが)うだうだしていけど、やっぱり勝ちたいと思えたので良かった。来年は世界選手権があるので、それに向けて頑張る」

―今シーズンの収穫は

「なかなかジャンプが上手くいかなくて、夏から色々取り組んだけれどシーズンが始まるまでに形にならなかった。試合をしながら探り探りで(助走の)ポジションを探したりして、しっかり準備ができていなかった。間に合っていなかったなと思う。あまり認めたくなかったけど、いまの自分は弱いんだと自覚して、また一から頑張りたい。元々ほぼビリケツから這い上がってきて、たまたま上手くポンポンと表彰台に上がっていたんだなと思った。それは過去のこととして、もう一回弱い自分を見つめて来季は絶対に世界選手権で表彰台に上がりたい」

―兄の直幹選手から連絡などはありましたか

「いやもう…そっとしておいてくれています。また直幹が(拠点にしているドイツから)日本に戻ってくるので、『一緒に練習しよう』って言ってくれて。直幹と一緒に頑張りたい」
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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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