【ラグビー/NTTリーグワン】二つのリベンジを期して。今季初先発の 試合で自身の力を証明してみせる<トヨタヴェルブリッツ>

トヨタヴェルブリッツ 清水岳選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

プレーオフトーナメント進出の可能性が消滅したトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)だが、特に若手にとっては消化試合などあろうはずがない。今季のホストラストゲームで迎えるのは横浜キヤノンイーグルス。プレーオフトーナメント出場を決めている相手を打ち負かそうと、ボルテージは高まっている。

今季初先発となる21年加入の清水岳は、「自分に与えられた役割を全力で尽くすという気持ちでいっぱい。練習でやるべきことはやってきたので、あとは自信を持ってプレーするだけですね」と実に晴れやかな表情をしていた。清水にとってこの試合は二つの意味でリベンジマッチになる。

昨季のディビジョン1第3節・リコーブラックラムズ東京戦。清水はそのシーズンで初めて先発のピッチに立った。しかし前半20分に相手との接触で右足首を脱臼骨折。全治およそ1年と診断される大けがだった。

「けがをする前よりも強くなろう」とリハビリに懸命に取り組んだ清水。元日本代表がそろうトヨタVのフロントローの競争は激しいが、今季は開幕戦からベンチ入りを続け、今回ようやく先発リストに名前が載った。「先発は試合のリズムを作らないといけないので、より気持ちが入りますね」と、まずは無念さだけで終わった前回のリベンジを果たしたい。

そしてもう一つは、今季のトヨタVのターニングポイントになった試合である。第10節・東京サントリーサンゴリアス戦、トヨタVは残り1分で逆転トライを決めて、あとは相手のキックオフをマイボールにするだけだった。しかし、それができずに相手にボールをキープされると、激しいバトルの中で清水がタックルの際にヘッドコンタクトがあったとして退場に。結果として一人少なくなったチームは大逆転負けを喫してしまった。

「さすがに落ち込みましたけど、彦坂(圭克)選手に『よっ、レッドカード』と言われたり、みんながうまくイジってくれたりしたので、心がほぐれて前を向けました」

メンタルが相当に傷ついた中で、先輩たちの優しい気遣いが心に染みた。それ以来の出場となる今節、その先輩たちに恩返しするためにも、自分の力を証明するためにも、最前線で体を張ってチームの勝利に貢献したい。

(斎藤孝一)
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ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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