竹田麗央が史上4人目の初Vからの2週連続V

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【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 JLPGAツアー2024シーズン第8戦『フジサンケイレディスクラシック』(賞金総額8000万円、優勝賞金1440万円)大会最終日が4月21日、静岡県伊東市・川奈ホテルゴルフコース富士コース(6494ヤード/パー71)で行われ、竹田麗央が完全優勝で2週連続優勝を飾った。初日から3日間67を並べ、通算12アンダーはトーナメント記録タイ。ツアー初優勝からの2週連続優勝は史上4人目となった。3打差の通算9アンダー、単独2位には小林光希が入った。
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《グリーン=スティンプ:10フィート コンパクション:23mm》

 ヤマハレディースオープン葛城では、2位以下に2打差をつけての単独首位で最終日をスタートしながら、逆転負けを喫した竹田麗央。今回は1打多い3打差でのスタートになったが、心の余裕は全くなかった。実際、この日は6バーディー、2ボギーの67で回りながらも、2度ほど後続に追いつかれてしまう。それでも、「絶対に追いつかれると思っていましたし、追いつかれてからが勝負だと思っていたので、焦りはありませんでした」と振り返る。

 前週のKKT杯バンテリンレディスオープンでツアー初優勝を飾ったとはいえ、ヤマハレディースオープン葛城での悔しさが消えたわけではない。「優勝できると思っていたし、今までで一番自信があったので、どうして勝てなかったんだろうと...。涙が止まらないほどのショックを受けたが、「最終日にスコアを伸ばさないと優勝はないんだということが分かりました」と、前を向いた。それが前週のツアー初優勝での逆転劇につながったわけだが、リードを守っての優勝をしてこそ、本当の意味でのリベンジになる。

 リードを守り切るには、後続に隙を見せるのは厳禁だ。ましてや、眼下の敵として、今季2度も優勝争いで敗れている鈴木愛が虎視眈々と逆転を狙っている。そこで、2日目終了後に竹田が考えたのは、パッティングの修正だった。「コウライグリーンは芝目も強く、難しいですし、何回かミスヒットがあったので、修正しようと思いました」。

 ミスヒットの原因は、インパクトからフォロースルーにかけてストロークが緩んでいたことにあった。そのため、アドレスで構えたときのフェース面の向きどおりにボールを打ち出せず、ラインにボールを乗せることができなかったのだ。そこを修正した結果、第1日が30、第2日が32だったパット数が26にまで減った。最終日はグリーンを4回外していただけに、パッティングの向上が勝利への一因であるのは確かだ。

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 結果的に2位以下に3打をつけての逃げ切り優勝を飾った竹田。4打伸ばせば勝てると予想していたが、その計算に間違いはなかった。同時に、新たな勝ちパターンを身につけたことは「大きな自信になった」と言い切る。

 次戦には史上初となるツアー初優勝からの3連勝がかかるが、そこに対する欲はない。「今回も優勝を考えていませんでしたし、次も優勝を考えずに臨みたいです」。もっとも、今季は8戦中5回も最終日最終組でのプレーをしているだけに、偉業達成のチャンスは十分にある。

 竹田といえば、自他ともに認める飛ばし屋だが、飛距離以外でも上手さを感じさせる選手はこれまで少なかった。今季の竹田は小技が上達したことで穴の少ないプレーヤーに成長しているだけに、どこまで優勝回数を重ねていくのか興味を引くところだ。

 「将来的には飛距離を活かした攻めのプレーができる選手になりたいです」という竹田。タイプ的にはロリー・マキロイやダスティン・ジョンソンが理想とのこと。JLPGAツアーでは久しく出ていないダイナミックなプレーヤーに向けて、竹田が歩き始めた。(山西 英希)
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